中北幸・きまぐれ雑記帳

日々の暮らしから、感じたことをぼちぼちと。

「花田町の家」その7

2008-11-15 21:31:13 | しごと

「花田町の家」その7です。


11月8日の現場の状況です。



南側からの全景です。屋根材はほぼ葺き終わり、
残すは下屋部分(ブルーシートの部分)です。



屋根材はガルバリウム鋼板の瓦棒葺きです。
日本の瓦の色のなかの「いぶし銀色」に近い色を
選んでいます。



屋内では大工さんが一階の床板を貼る前のレベル
調整をしているところです。



一階床下は維持管理のために後日入れる高さにして
います。べた基礎天端から一階床天端までの寸法は
55センチです。



床下の大引き材を支える「束」には鋼製を使用しました。
太陽熱で暖めた空気を一階床下に送り込みますので、
木材の伸縮がより顕著になります。あとでアジャストでき
る鋼製束で対応しようという訳です。



同上。




二階部分です。床材は貼り終わっています。




同上。




外壁廻りの緊結金物(ホールダン金物)です。
一階の柱と二階の柱を緊結します。




緊結金物が柱と梁で入り込む部分です。




二階の床は剛床仕様です。地震などの水平の力に
あがなえるようにしています。ここでは厚みが36ミリ
の杉材を床板として梁に直接ビス止めにしています。



それでは次回に。




「目神山町の家」その2

2008-11-11 22:06:22 | しごと

「目神山町の家」その2です。

11月10日、奈良に構造材の木材検査に行った状況を紹介します。

      


大淀町にある木材加工場です。




構造設計家の田原氏です。午前10時に集合し木材検査の
開始です。



小屋組みの登り梁に使用する杉材です。 
寸法は120X210です。



登り梁はプレカットで加工できないのでこの加工場で大工さ
んによる墨つけ、加工になります。



登り梁の軒桁に載る部分です。滑り止め用のダボ(カシ20角x45)
が入ります。
指さしている部分は嵌め殺しの透明ガラスを設置する溝の線です。



棟木の杉材です。寸法は120x330です。
この材の継ぎ手は「追っ掛け大栓継ぎ」ですので同じく大工さん
による加工になります。



打合せの状況。




同上。




腰掛け鎌継ぎ」で継ぐ梁材はプレカット加工にまわすのですが
この写真にある「短冊金物」で補強します。



加工場の2階にある「原寸図作成場」です。床に薄ベニアを敷き
詰め、それに墨で原寸を描いていきます。



構造図の登り梁詳細図です。




同上の原寸図です。軒桁に載る部分です。




棟木の部分です。




同上。ホールダウン金物の納まりを検討している所です。




同上。




棟木及び棟飾りまわりの納まりの原寸です。




プレカット加工にまわす構造材は高取町の材木屋さん保管
されてありますのでそこへ移動し加工前の検査をします。
これは土台に使用する桧材です。



同上。 モルダー掛けして仕上がり寸法(120x120)にする
前の状態です。モルダーとは木材の四面を同時に切削す
る木工機械です。



最上段の材が使用される杉の柱材です。




同上。




梁に使う杉材です。




同上。




ダボ、込み栓に使うカシ材です。10年近く自然乾燥された材です。
一般に流通している「込み栓」に寸法、形状が合うものがありま
せんので現場ごとに製材しています。



同上。  かなり重い材料です。



次回は現場の状況をお知らせします。
それでは。




「藁の工房」その2

2008-11-09 22:04:02 | しごと

「藁の工房」その2です。11月3日の見学の続きです。

その1で紹介した「森林ノ工房」の近くに「森林ノ牧場」があります。
同じくアミタ株式会社が運営しています。




「森林ノ牧場」のジャージー種の乳牛たちです。
親牛は8頭います。



同上。 背後の森林に放牧されるようになっています。
「森林酪農」が行われているのです。
乳牛たちはうっそうと茂っていた下草をきれいにし、
倒木などを蹄でならして人が入りやすい森林にしてく
れ、管理がしやすくなるとのことです。
森林の自然の草で育った乳牛のお乳で乳製品を
「森林ノ工房」で作っているのです。
「森林ノ~」という名前はこういうことでした。
森林に酪農を取り入れることで林業以外の価値を付
け加えようとしています。手入れがなされていない森林
をもう一度見直し生かしていこうとしているのです。
       



牛舎の小牛達です。




同上。人なつこいです。




同上。




牛舎の全景です。




次に「ストローベイル」の製作現場を見学しました。
右側の機械で藁のブロックを製作します。




手前はトラクターの動力を伝える部分です。




藁を入れる部分。




藁のブロックを束ねる紐です。




ブロックに成形されて出てくる部分。




同上。




次に藁のブロック(ストローベイル)を保管しているビニール
ハウスです。今回は約170個のベイルが作られました。
ワークショップが開かれて製作されました。
計画しています「藁の工房」には約250個必要ですので残り
の調達が今後の課題です。



幅100センチ、奥行き40センチ、高さ30センチあります。重さ
は約15キロです。有機栽培された稲藁を使用しています。




稲藁の乾燥はビニールハウスのなかに「稲架(はさ)」をこしらえて
行われました。稲刈りから脱穀、はさかけもワークショップでした。
私は残念ながら参加できませんでしたがまたの機会にと思います。

「稲藁」は一般的にどこでも入手できるようには流通していません。
建築の素材として使うには今はこのように自前で用意していく必要
があります。
かっては日常生活のなかにありふれた素材としてあったのですが、、、
しかしながらこのような「ストローベイル」の素材として注目されつつ
あります。

「米」という日本の風景をつくりだしてきたもの。その藁を建築の素
材として現代によみがえらせていくことは、環境の世紀に応えられ
ることに繋がるのではと考えています。


少し話しが硬くなりましたが・・・、それではまた次回。


「花田町の家」その6

2008-11-07 09:14:56 | しごと

「花田町の家」その6です。

11月5日(水)の現場の状況です。屋根仕上げ材の
ガルバニウム鋼板が葺かれているところです。




南側からの全景です。




板金屋さん。




1階南側の軒下の空間です。




同上。柱、梁、垂木、野地板の杉はこのままの
あらわしとなります。いまの時分で太陽光が奥
の外壁まで差し込んで来ます。



IMG_2123:見返したところです。冬は日向となり、
夏は日陰となる軒下の空間です。




北側の屋根です。奥に天窓、手前に薪ストーブの煙突貫通
部分が見えます。北側の天窓は落ち着いた自然光を屋内に
採り入れることができます。



南側の屋根です。この屋根面には空気層があり太陽によって
温められた空気を屋内に採りこみ1階床下のべた基礎に蓄熱
することで冬の暖房に生かしています。



暖められた空気を採りこむ部分です。




同上。




直径25センチの断熱ダクトがこの穴にすえつけられます。




暖められた空気が漏れないようにシールをうちながらガル
バリウム鋼板を葺いていきます。



軒先の野地板に設けられたスリット。
この部分から屋根面の空気層に外気を取り入れます。
新鮮な外気を太陽熱で暖めて屋内に採りこみますので
気持ちのいい暖房になります。


それでは。




「藁の工房」その1

2008-11-05 11:45:20 | しごと

「藁の工房」その1です。

藁のブロック(ストローベイル)を用いて建築を作ろうという
プロジェクトです。経緯は前後しますが追々お話します。

今回は実際にストローベイルを使った建築を見学に行きま
した。初めてベイルを扱いますので実際に見ておく必要が
あります。

場所は京都府の京丹後市弥栄町(やさかちょう)で2007年
12月に作られた「森林の工房(牛乳工房)」です。
アミタ株式会社が建設・運営しています。




森林の工房」の全景です。土色をしている部分がストロー
ベイルを積んで荒壁土を塗った外壁です。



窓まわり。




同上。ストローベイルの大きさは幅100センチ、
奥行き40センチ、高さ30センチ位です。
壁の厚さは荒壁土が内外5センチほど塗りま
すので約50センチ位になります。



この建物ではベイルづくりからベイル積み、荒
壁土塗りの工程をワークショップのかたちで行
われました。参加者の手作業です。



基礎の立ち上がりの部分です。 土の重みが藁
を膨らませたのですが何とも言えないラインです。








「森林ノアイス」、「森林ノ牛乳」、「ソフトクリーム」
がここで作られ販売されています。



同上。




手前がお店で奥が牛乳工房です。




逆に見返したところです。




手前は私が食べている「ソフトクリーム」、屋内の
間仕切り壁やベンチもベイルで作られています。


なぜ、「森林ノ・・・」と名づけているのかはこの次に。  


それでは。


「明野町の家」その4

2008-11-02 22:06:16 | しごと

「明野町の家」その4です。

11月1日(土)上棟式を行いました。
その様子です。この日は良い天気でした。




南から見た所です。背後に八ヶ岳が眺められます。
手前は菜園になります。



東側の道路から。




東側から見た所。




同上。同じ勾配の片流れの屋根をレベルを少しづつ
変えて構成しています。



2階の居間から眺められる八ヶ岳です。




同じ居間から眺められる南アルプスです。




片流れの屋根。




屋根越しの八ヶ岳。




祭壇です。




上棟式を終えしばらく雑談しているときです。
馬に乗った男女3人が通り過ぎていきました。
いいですねー。


同上。




同上。




赤と白。杉の木。 いいですねー。



それでは、また。