こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

国の借金 家計の貯蓄頼み限界

2009-12-30 18:41:11 | 日記
負債700兆円 個人資産の7割に

政府が家計の貯蓄に頼って借金を重ねる構図に限界がみえ始めた。政府の負債残高が膨張し、9月末は家計資産に対する割合は66%まで上昇した。これは過去最高の水準だ。今後も政府負債の膨張は止まらず、2020年ごろに家計資産を逆転する可能性もある。家計の貯蓄率は少子高齢化でマイナス転落が視野に入り、家計資産も減少に向かう可能性もある。家計の高貯蓄という日本経済の強みが薄れつつあある。

日経 30日朝刊

---------------------------
家計の資産から負債を差し引いた純資産が、政府が発行する国債などの純負債をいままで、銀行預金などを通じて賄ってきました。政府は国債発行を増やして、財政状態の悪化はしばらく改善しそうもありません。それに対して家計は、少子高齢化等の影響で、頭打ちで貯蓄率も年々下がっています。試算では、2020年にも家計の純資産を国の借金が追い越すようですが、そうなると、国債購入を国内で賄えなくなりますので、海外資金(投資)を呼び込むしかありません。内需主導での経済政策には無理がありそうです。

一方、投資の世界では、家計資産のうち投資信託や株式などリスク資産の割合は、約1割。残りは貯金と保険が大部分を占めています。この1割を少しでも拡大したいと関係者は、「貯蓄から投資へ」のスローガンの下でさまざまな施策を実施しています。国の財政面からも、投資を活用した資産増加を考える必要がありそうです。