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ミステリ感想-『冷たい太陽』鯨統一郎

2017年07月15日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「娘は預かった。身代金5千万円を用意しろ」突然の電話で知らされた誘拐事件。
倒産の危機に瀕していた父親の謙二は、会社を経営する前妻にも頼み金策に奔走。
警察や探偵も介入し、事態はさらなる混乱の渦に呑み込まれていく。

2015本格ミステリ大賞候補


~感想~
二階堂黎人じゃねえか!!

デビュー以来全く上達していない筆致で古典的かつベッタベタな誘拐事件が描かれ、少しも書き分けられていない登場人物がわんさか現れ、誰が誰だか把握するのも一苦労。
途中で見せる急展開もまたベッタベタな流れで予想の範疇を一歩も出ず、真相自体もありきたりなものだが、「読者を騙す」という一点にのみ集中し、その試みだけは大成功を収めている。
だが二階堂黎人案件はまあ置いとくとしても、この趣向を凝らすためには絶対的に必要なフェアプレイ精神がまっとうされているとは言い難く、明らかに無茶な設定や描写が散見され、またこの極めて杜撰な計画で犯人が警察の捜査から逃げ切れるはずもなく、いわゆるトリックのためのトリックになっていることは否めない。
だいたい(ネタバレ→)開店前に不法侵入されておきながら通報も防犯カメラのチェックもしない宝石店なんて世界中のどこを探しても存在するわけないだろいい加減にしろ。

綺麗に騙されたし驚いたからトリック自体は評価するが、作品自体には高評価できるはずもない。


17.7.12
評価:★★☆ 5
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