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ミステリ感想-『プリズム』貫井徳郎

2007年11月28日 | ミステリ感想
~あらすじ~
女性教師が自宅で死体となって発見された。ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入されたチョコレート、凶器となったアンティーク時計。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……。


~感想~
こんなものに僕は一片の価値も認めはしない。
(↓以下ネタバレ↓)
さまざまな魅力的な推理が示されては崩れ、崩れては積み直され、最後の最後になにも残りはしない、ただの責任放棄。
作者はラストに示される推理を「驚かれたことでしょう」とあとがきで述べているが、読み始めて1ページ目でそれが真実ではないと明白な事実に驚くもクソもない。
こんなものはただの技術をもてあそんで煙に巻いただけのものだ。歌野晶午の某作はただの文学くずれだったが、これはただのミステリくずれ。いかに過程が面白かろうと結末が無い物語など僕は求めていない。
そもそも危ぶんではいたのだ。初めの章で示された犯人が次章では語り手を務める趣向、末尾の言葉が連環していく章題といい、これは最後に最初の語り手が犯人とされる=明確な結末はつかないのではと。予想通りの着地にうんざりした。



たとえるならば、あるマイナーなゲームやスポーツの達人が、派手な技を「素人を驚かせるだけのこけおどし、技術的にはたいしたことない」と否定し、技術的にはすごいが全く見栄えのしない地味な技を得々と演じるような、そんな薄ら寒さを感じた。


07.11.27
評価:なし 0
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