「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

【令和へ50】教育・福祉 「かえで学級(無料、主に銀座中学校)」はじめ障がいのある方々の学びに場の拡充、『教育振興基本計画』の生涯学習の中での位置づけ

2019-05-21 17:38:38 | 公約2019

 中央区では、『かえで学級』(無料、主に銀座中学校)が、障がいのある方々のひとつの学びの場となっています。

 記事の指摘にありますように、

(1)学校教育から卒業後における学びへの円滑な移行

(2)多様な学びの場作り

(3)福祉、労働などの分野の取り組みと学びの連携の強化

(4)基盤の整備――の4点。

特に

(2)では、大学のオープンカレッジや特別支援学校の同窓会組織などを、

(3)では福祉サービスの活用を想定。

(4)では、都道府県や市町村の教育振興基本計画などで障害者の生涯学習の推進を位置づけること

 それらの充実を中央区でもはかって行きたいと考えます。







『改訂 中央区教育振興基本計画』の生涯学習の部分の抜粋掲載:障がいのある方々の学びの場の拡充の視点での記載はこの箇所にはありませんでした。







****************************
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14022656.html

障害者の学びの場、広げるには 有識者会議報告


2019年5月21日05時00分

 文部科学省の有識者会議「学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議」が3月(2019.03.29)、障害者の生涯学習をどう推進するのかについて、報告書をまとめた。学校在学中からの当事者への情報提供や、公民館や大学といった多様な主体が実施の担い手になることを提言している。

 ■学校教育から円滑な移行/福祉・労働分野と連携

 文科省が18歳以上の障害者やその家族ら計4650人に行った2018年度の調査によると、学習機会の充実が重要であるとした人が81・1%に達する一方、生涯学習の機会が「とてもある」「ある」と思う人の割合は34・3%。また、学ぼうとする障害者に対する社会の理解があると思うかとの問いに対して、「とてもある」「ある」と答えた人は33・7%だった。学びをサポートする支援や、学習にかかる費用を支払う余裕の有無を尋ねる項目も、「とてもある」「ある」と答えた割合は3割程度だった。

 文科省障害者学習支援推進室の高見暁子室長は「生涯学習の場は各地にあるが、その中に『障害者』という観点が入っていない」と指摘する。文科省の17年度調査によると、障害者の生涯学習に関する組織がある都道府県は5・7%、市区町村は4・1%で、体制が整っていない実態が明らかになっている。

 こうした状況を受け、報告書では、取り組むべき施策として、(1)学校教育から卒業後における学びへの円滑な移行(2)多様な学びの場作り(3)福祉、労働などの分野の取り組みと学びの連携の強化(4)基盤の整備――の4点を挙げた。(2)では、大学のオープンカレッジや特別支援学校の同窓会組織などを、(3)では福祉サービスの活用を想定。(4)では、都道府県や市町村の教育振興基本計画などで障害者の生涯学習の推進を位置づけることなどが必要だ、とした。

 座長を務めた宮崎英憲・全国特別支援教育推進連盟理事長によると、欧州では高校を卒業後もさらに2、3年、障害者が学ぶ仕組みがある。「ゆっくり学ぶ人が多いので、その分時間をかけるという考えが大事だ。人は生涯にわたって学ぶ存在。障害者だけでなく、生涯学習全体を盛り上げる中で考えていく視点も大切だ」と話す。

 (山下知子)

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小児虐待を防ぐには、小児科医の思い。「お互いの職務や動き方を知っておくこと、顔の見える関係を作っておくことが、うまく連携するにはとても大事です。」

2019-05-21 15:33:33 | 小児虐待
 本日2019年5月21日の朝日新聞で、目黒区で虐待を受けて死亡した船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)の元主治医であった小児科医木下あゆみ氏のインタビューが掲載されています。

 小児科医師は、児童相談所や警察と連携をしながらも、重要なもうひとつのセーフティネットです。
 小児科医師も加わり、調査官や弁護士や検察官、警察官、児相、行政、医療機関などで虐待に関わる人たちとの連携の構築がとても大切です。

 〇――虐待をしているのに、親は子どもを受診させるのですか。

 「私も昔から不思議だったのですが、虐待したくないけどしてしまう、助けてほしいという親のSOSだと思っています。『助けて』と来るのだから、そこは大事にしなければいけないと思っています。医療者は親を責めてはいけません」

 〇「小児科医には虐待の芽に気付き、防ぐ素地があると思います。また、行政は担当地域や職域を越えられないので、医療機関が中心になって子どもを見るのは意味があると思います。」

 〇「虐待防止や育児支援に当たる『要保護児童対策地域協議会(要対協)』という仕組みがあります。市や児相が参加しますが、法的に医師が必ず入るとは定められておらず、虐待対応の輪の中に入れていないのが現状です。でも、医師は大きな役割を果たせます。その子どもの主治医が会議ごとに参加するのは現実的ではないので、スーパーバイザーとして虐待全般に詳しい医師が加わるのがいいと思います。その上で主治医から情報が上がってきたり、会議の結果をフィードバックして診察のときに気を付けてもらったりする仕組みができればと思います。」

 〇「虐待した親を検察が処分する前に関係機関と対処法を検討する『処分前カンファレンス』が全国に先駆けて始まりました」

 ――具体的には。

 「例えば警察は容疑者である親の逮捕が第一ですよね。でも、その子どもは『自分のせいで家族がバラバラになってしまった』と思いがちです。こうした状況を事前に共有できれば、医師や児童福祉司が子どものケアに同時に入ることができます。虐待事件が起きると、福祉の対応は生ぬるい、警察と虐待事案を全件共有すべきだという意見が出ますが、警察も子どものことをよくわかった上で対応しなければ、子どもは幸せにはなれません。お互いの職務や動き方を知っておくこと、顔の見える関係を作っておくことが、うまく連携するにはとても大事です」


******朝日新聞2019.05.21*******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14022620.html

(インタビュー)結愛ちゃん虐待、教訓は 小児科医・木下あゆみさん


2019年5月21日05時00分


 昨年3月、東京都目黒区で虐待を受けた船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)が亡くなった。児童相談所や関係機関の連携不足により、虐待で亡くなる子どもは後を絶たない。親や子への支援を途切れさせないためには何が必要なのか。結愛ちゃんが香川県善通寺市に住んでいた当時の主治医、小児科医の木下あゆみさん(45)に聞いた。

 ――約4カ月間、結愛ちゃんを診ていたそうですね。

 「週に1~2回、来院していました。話を聞くのは1~2時間。結愛ちゃんは年齢に比べるとお利口さん過ぎるところがありました。これだけの頻度で来てもらっていたのは、強い危機感があったからです。医療機関が中心となり、結愛ちゃんが隙間に落ちないようにネットを張っていたつもりですが、引っ越しでネットが『すこん』と抜けてしまいました」

 「そうなると隙間に落ちるのは時間の問題です。どの道を選べば亡くならなくてすんだのか、ずっと考え続けています」

 ――結愛ちゃんが亡くなったと聞いた瞬間、どう感じましたか。

 「『悲しい』というより、『悔しい』という気持ちがわきました。でも『なぜ?』とは思いませんでした。転居前から『東京の病院を紹介するから、引っ越し先が決まったら連絡してね』と伝えていましたが、教えてもらえないまま引っ越してしまいました。都の方でも結愛ちゃんの無事を確認できていないと聞いており、誰も無事を確認できていないのだとすれば、危ないと思っていたのです」

 ――なぜ、「悲しい」より「悔しい」だったのでしょう。

 「誰もつながっていなかった家庭で、子どもが虐待で亡くなったという事件は多くあります。でも結愛ちゃんは、香川では病院や児相、市や警察が関わっていました。転居先の東京の児相が結愛ちゃんに会えていないと耳にして、私たちの病院が持つ危機感が児相に伝わっていないのではと、電話しました。結愛ちゃんが亡くなる直前でした。大変なことが起きているのではと想像していたから、亡くなったと聞き『やっぱり』という気持ちになりました」

 ――主治医として、もっと出来たのではと思うことは。

 「もし転居先が分かっていれば、その近くの病院を探して直接電話して、詳しい内容を引き継ぐこともできました。香川の児相にリスクを伝えたつもりだったのですが、もっとうまく伝えられていたら、結果が違ったのかなとも思います。そこは私の反省点です」

    ■     ■

 ――児相に対して思うことは。

 「虐待対応の要は児相ですが、やり取りをしていると、人が全然足りていないと感じます。『緊急でケース会議をしたい』と持ちかけても、『他の緊急対応がある』と言われることも。土日や昼夜を問わず仕事をされているし、一人の職員がたくさんのケースを抱えています。連携が取れるようになっても、職員の方は2~3年で異動してしまうことが多い。ストレスも多く、心を病んで辞められる方もいると聞いています」

 ――人手不足の問題は、ずっと指摘されています。

 「軽微な傷やあざ、ネグレクトなどは軽いと判断されやすく、『見守り』という名の様子見が続きがちです。でも人手が足りず、数年ごとに職員が異動してしまう現状では、児相が医学的判断を正しく理解し、問題に対応できる専門家集団になることは難しいと思います。児相の問題というよりは、制度の問題だと思います」

 ――虐待対応で医療者が出来ることは何でしょうか。

 「けがの重症度=虐待の重症度ではありません。たとえば青あざ。おなかにあるのと足にあるのとでは重要度が全然違います。ほかの機関が医療者に求めるのは『擦過傷なのか打撲傷なのか』『全治はどれぐらいか』といったことですが、小さいけがでも普通に転んだだけではできない部位にあれば、第三者によるけがの可能性があります。私はけがの解釈や子どもの心理状態なども含めて診断するようにしていますが、重みを持って受け止めてもらえているか不安になることがあります」

 ――なぜですか。

 「たとえば病院では、日本全国どこでも同じような治療が行われます。でも児相の対応は、自治体により様々です。人事異動により、法律や子どもの心理に詳しくない人や、やりがいを感じていない人が担当する場合もあります。国の研修機関で全国統一の研修があったり、国家資格になったりすれば、もっと違うのではないかと思います」

 ――医療者のレベルアップも必要では?

 「丸々と太った元気そうな赤ちゃんにあざがたくさんあり、全身を丁寧に診察すると、肋骨(ろっこつ)や腕、足に骨折がたくさんありました。虐待に関する知識がなければ『ミルクを飲んでいるし、元気そうだから』で終わってしまったかもしれません。病院で見つけてあげなければ、その子は死んでしまうかもしれない。医学生のうちに虐待に関する知識を学ぶべきだと思います」

 ――虐待をしているのに、親は子どもを受診させるのですか。

 「私も昔から不思議だったのですが、虐待したくないけどしてしまう、助けてほしいという親のSOSだと思っています。『助けて』と来るのだから、そこは大事にしなければいけないと思っています。医療者は親を責めてはいけません

    ■     ■

 ――木下さん自身、10代の子ども3人を育てています。

 「自分が子どもを産んでみて、小児科医なのに、全然思うように子育てはいきませんでした。赤ちゃんの体重は増えんしお乳は出んし夜寝んし。子育てって大変です。どの親もいっぱいいっぱいの中で、何とかやっている。そこを理解しないと何の解決にもなりません。育児って、もっと人に頼っていいと思うんですよ

 ――診察は、親から話を聞くチャンスなのですね。

 「小児科の診察は、お母さんと話す時間の方が長いです。『2人目ができたんですよ』という話から『実は……』と悩みを打ち明けてくれる。小児科医には虐待の芽に気付き、防ぐ素地があると思います。また、行政は担当地域や職域を越えられないので、医療機関が中心になって子どもを見るのは意味があると思います。ただ、じっくり話を聞こうとすると、通常の診察の何倍もの時間をかけることになります。例えば育児支援加算といった形で診療報酬をつけないと、理解のある病院でしか実施できません。自治体が費用を持つといった形も必要だと思います」

 ――なぜ医療者が、もっと関われないのでしょう。

 「虐待防止や育児支援に当たる『要保護児童対策地域協議会(要対協)』という仕組みがあります。市や児相が参加しますが、法的に医師が必ず入るとは定められておらず、虐待対応の輪の中に入れていないのが現状です。でも、医師は大きな役割を果たせます。その子どもの主治医が会議ごとに参加するのは現実的ではないので、スーパーバイザーとして虐待全般に詳しい医師が加わるのがいいと思います。その上で主治医から情報が上がってきたり、会議の結果をフィードバックして診察のときに気を付けてもらったりする仕組みができればと思います」

    ■     ■

 ――香川県は医療機関も含めた各機関の連携が進んでいます。

 「私が家庭裁判所の調査官の研修で講師を務めたことをきっかけに、調査官や弁護士や検察官、警察官、児相、行政、医療機関などで虐待に関わる人たちとの勉強会を開くようになりました。ちょうどその頃、高松高検の検事長が虐待問題に強い関心を持っていたこともあり、虐待した親を検察が処分する前に関係機関と対処法を検討する『処分前カンファレンス』が全国に先駆けて始まりました」

 ――具体的には。

 「例えば警察は容疑者である親の逮捕が第一ですよね。でも、その子どもは『自分のせいで家族がバラバラになってしまった』と思いがちです。こうした状況を事前に共有できれば、医師や児童福祉司が子どものケアに同時に入ることができます。虐待事件が起きると、福祉の対応は生ぬるい、警察と虐待事案を全件共有すべきだという意見が出ますが、警察も子どものことをよくわかった上で対応しなければ、子どもは幸せにはなれません。お互いの職務や動き方を知っておくこと、顔の見える関係を作っておくことが、うまく連携するにはとても大事です」

 ――身近なところからですね。

 「みんなが『子どものために』と同じ方向を向き、ちょっとのおせっかいというか、例えば『連絡がつかないときは家に行ってみた方がいいと思う』と申し送りに一言添えれば、その後の対応は大きく変わります。個人の資質に頼るのではなく、互いの職種を知って、自分の職域ののりしろを少し広げて隙間を埋める。虐待に関心が強い人が役割を担える、そんな法律や制度ができればいいと思っています」

 (聞き手・山田佳奈、山本奈朱香)

    *

 きのしたあゆみ 1974年生まれ。四国こどもとおとなの医療センター育児支援対策室長。小児科医として約20年間、育児支援や虐待防止に取り組む。
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令和元年、第1回中央区自立支援協議会医療的ケア児等支援連携部会

2019-05-21 08:37:46 | 医療的ケア
〇中央区自立支援協議会医療的ケア児等支援連携部会

5月21日(火)午後6時30分より子ども発達支援センターで開催
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災害からの安全保障 常設の防災復興庁が不可欠

2019-05-20 19:04:33 | 防災・減災
 日経新聞経済教室において五百旗頭真氏が、防災復興庁の常設と首都以外へのもう一か所の設置を提案しています。

 災害が起きてから設置よりも迅速な行動がとれるため、現実的な考えかたと感じます。


*******日経新聞2019.05.20 経済教室 抜粋**************
災害からの安全保障 常設の防災復興庁が不可欠

五百旗頭真・ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長

おそらく列島の地震活動期は、全国各地に直下地震を起こし、南海トラフの巨大地震に行き着くまで終わらないだろう。首都圏、大阪、京都など大都市に地震が起きれば、想像を絶する悲惨となる。大災害が起きてから、どんな機関をつくるべきかなどと時間を費やすのを繰り返すべきではない。常設の防災復興庁を持ち、あらかじめ対処法を準備して、発災とともに直ちに動かねばならない。

災害の現場へ走る第一線部隊の自衛隊、警察、消防、海上保安庁、医療救援の災害派遣医療チーム(DMAT)、国土交通省の緊急災害対策派遣隊(テック・フォース)など、分権化された日本の機関は極めて優秀だ。だがそれらは総司令部を欠く個別部隊である。全部隊を投入しても足りない大災害で、全体対処をどう決めるのか、日ごろからの研究と準備が不可欠だ。

福島第1原発の3号機に注水する段階になり、現場指揮者が決まっておらず、官邸との間を行き来してようやく応急決定をした対応を繰り返すべきではない。

災害と復興の対策本部を率いて指揮をとるのは首相だが、専門的なスタッフ組織に支えられねば、効果的な対処は期し難い。世界銀行の報告書に言う日本列島の災害への対処ノウハウを体現する機関が必要だ。2~3年のローテーションで他省庁から回ってくるような寄り合い機関にとどまらず、高度な防災専門家が組み合わされねばならない。

人口、経済、政治機能の集中する首都東京は、地震の起きやすい地下構造をもつ。ここが被災すれば、当の東京の悲惨は言うに及ばず全国的打撃も計りしれない。防災復興庁は首都以外にもう1カ所の拠点をあらかじめ設置すべきだ。双方が連携して様々な重大災害への対処プランを練り、同時に被災地となりうる全国すべての自治体が日ごろから住民を守る備えの水準を高めるよう活動すべきだ。
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小児期に見られる心の問題(ADHD、ASD、摂食障害など)に関する診断基準DSM-5における分類と動向、DSM-IVから更新されたことはなにか?

2019-05-19 23:00:00 | 小児医療

<小児科医師としてのメモとして記載。発達障害の治療・指導に大きな変更・影響はなく、診断基準が変わって来ているんだ~と読み流して下さい。>

 診断基準が異なると診断名が同じでも、異なった病態を述べている可能性が生じてきます。

 診断基準が、更新しており、それに追いついて行くために、広汎性発達障害ASDやADHDなど発達障害の診断に大きくかかわってくる診断基準(DSM)の動向(DSM-IVと新しいDSM-5)を見ておきます。
 (DSM-5の全体を述べるのではなく、小児の発達障害に関連する部分に注目して述べます。)

 発達障害の本で、時代により、DSM-IVで診断をしていたか、新しくDSM-5で診断するかで、本質的なところの大きな違いはなくとも、少しだけ病態が変わって来ます。

 
 
 小児期に見られる心の問題(ADHD、ASD、摂食障害など)に関する診断基準DSM-5における分類と動向、DSM-IVから更新されたことはなにか?
 2014年4月12日の宮本信也先生の日本小児科学会でのご講演をもとにポイントを整理します。

 大きな点として、

 〇カテゴリーにある症状がそろって診断する考え方から、症状の程度(ディメンション手法dimension)により状態を把握し診断する。

 〇NOS(Not otherwise specified diagnoses)診断が、特に、ASDでなくなった。

 〇PDDは、ASDに名称変更され、下位分類もなくなった。

 〇ADHDとASDの併存診断が可能になった。

 〇OCD(Obsessive-compulsivedisorder)は洞察がなくても診断してよく、そのためASDの固執性、特に周囲を巻き込むこだわりがOCDと診断される可能性がでてくる。

 〇ADHDの発症年齢上限が、7歳以前から12歳以前になった。

 〇学習障害の下位分類が統合されて、Specific learning disorderになった。

 〇知的障害のIQ分類は廃止され、概念のスキル、実用面のスキル、生活面のスキルの獲得状態から重症度を判断するようになった。

*******宮本信也先生 スライド**********











 

 

 

 

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赤ちゃんが泣き止まない

2019-05-19 23:00:00 | お役立ち情報、子どものお悩み解消法

 ぐったりしていないなら、気分転換に外にお散歩で、泣き止むことも

 対症法 佐久総合病院さんより ⇒ https://oshiete-dr.net/pdf/2018yonaki-QA.pdf

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小坂クリニック(中央区月島03-5547-1191):明日も急病対応実施。19日(日) 9時~11時、12時~13時。就学相談、発達相談、いじめ相談、不登校外来などもお受け致します。

2019-05-18 14:43:19 | 日程、行事のお知らせ

こんにちは、小坂クリニックです。


 学校行事も本格化してきました。運動会がもうすぐある学校もあります。がんばってください。
 出場される方は、わんぱく相撲も頑張ってください。

 おなかの風邪、咳の風邪がやや多いです。溶連菌や水ぼうそうも出ています。インフルエンザは、ありません。

 食中毒の季節、手洗いとともに、食品の保存・衛生管理にはご注意願います。

 4月から新しく保育園に行き始めた子は、風邪をもらいやすく、2-3ヶ月は風邪ばかり繰り返すかもしれません。
 当院も病児保育にて、お風邪のお子様をお預かり致しますので、ご相談下さい。ご登録は、お早めに。
 ご利用日前日の予約制ですが、当日に空きがあれば、当日でもお預かり致します。
 原則17時半までですが、18時半までの延長対応も致します。
 保育園へのお迎えも行います。
 

1、今週末の診療について 

5月
 18(土) 9:30~15:00 

 19(日) 9:00~11:00、12:00~13:00


 土曜日、日曜日も、予防接種や乳児健診もお受けいたします。大人の風しん抗体検査も行います。
 お仕事などで、なかなかご来院できない皆様、ご利用ください。


2、病児保育について:お子さんの急な発熱、ご病気で保育園・幼稚園・小学校に登園・登校できない場合、病児保育でお預かりいたします。

 *利用当日でも登録は可能ですが、念のための事前登録をお勧め致します。
 
 *原則17時30分までですが、18時30分までの延長も可能です。当院にご連絡下さい。

 *土曜日の病児保育もまた、ご相談ください。

 *保育園での急な発病の場合、親御さんに代わって当院スタッフが、保育園に出向き、そのまま当院で病児保育へ移行することも可能です。

3、予防接種、乳幼児健診、大人の風しん抗体価検査について

 午前11:30-午後1:00、午後3:10-3:30で、予防接種や乳児健診をお受けいたします。
 診療時間においても、実施は可能です。
 土曜日、日曜日も予防接種や乳児健診をお受けいたします。

 おとなの方の風しん抗体価検査及び風しんやMRの予防接種も致します。

4、ネット予約による特別早朝予約枠(平日早朝7:15-8:15)、準夜間診療枠(平日準夜間19:00-20:00)を設けました。

 この枠は、完全予約制で対応致します。学校登校前や保育園登園前の診察で是非ご利用ください。

 インターネットで、19時まで(特別早朝予約の場合は、前日の)にご予約下さい。ネットが出来ない場合、当院に予約のお電話を下さい。
 なお、日曜、祝日の次の日の早朝予約は、カルテ準備の都合上、前日12時までの電話でのみ対応する形にさせていただきます。

 診察券番号と生年月日でログインができます。

 https://www2.i-helios-net.com/pc/hw2_pc_login.php?MID=4825  

 特別早朝予約枠:平日 午前 7時15分~8時15分

 8時15分以降は、通常の受付順の診療となります。


5、在宅療養の支援としての医療機器の貸出について
 〇鼻水吸引器、
 〇吸入器
 〇ミスト
 など、在宅療養を支援する医療機器も、病状に応じ無料貸出致します。
 お気軽にご相談下さい。


6、5歳児健診、発達のご相談について

 当院では、5歳児健診を実施いたしております。
 発達の評価など行います。

 発達のご相談もお受けいたしております。
 時間をお作り致しますので、クリニック(03-5547-1191)にお問い合わせ下さい。


7、就学相談について

 小学校を、通常学級、特別支援教室、特別支援学級、特別支援学校など選択で悩まれているかたもおられると思います。
 お子さまにとって最も適した学びの場を、一緒に考えて参りますので、ご相談下さい。

 医療的ケアの必要な子ども達の学びや保育の場についてもご相談下さい。

8、不登校外来について

 いじめ、不登校、ひきこもりなど学校や学びの場のご相談もお受け致します。



9、中央区政について

 先の中央区議会議員選挙におきましては、無事3期目の負託を受けることができました。5月に入り、新しい期の議員活動が開始されました。子ども達の育ちの場の環境整備に向け、中央区政からもアプローチを引き続きして参る所存です。
 日々、お声もいただいておりますが、あらためて、区政へのご意見・ご提案がございましたら、診療の機会や街の辻立ちの機会などにお気軽にお声かけください。

 痛ましい交通事故も発生しております。ちょうど、中央区では春の交通安全運動(5/11-5/20)が実施されています。
 交通の危険箇所の改善を区や警察署に要望を届けてもいます。改善すべき箇所につきまして、ご意見・ご提案をお待ち申し上げます。
 ⇒ 交通安全に対する考察:https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/ab7a54c3f70f33555ab3c7249534c9db

 小坂和輝メール:kosakakazuki@gmail.com    


以上

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京都大学医学部調査「宜野湾市の水道水の水源(嘉手納飛行場を通る河川水を使う北谷浄水場)は、有機フッ素化合物PFOS、PFOA、PFHxSで汚染されている」

2019-05-17 23:00:00 | 地球環境問題

 日本では、水道水の安全性をどこでも享受できるのではなかったのか。

 京都大医学部の小泉昭夫名誉教授、原田浩二准教授は「健康に与える影響は不明だが全国との差からしても宜野湾市の水道水の源泉(北谷浄水場の水源)は汚染されている」と指摘。

 国や地元自治体は当然動いてくれるものだと信じたいですが、少なくとも医療界、大学は、安全性の調査とその確保をお願いいたします。



********琉球新報*******************

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-919643.html

水道水が汚染? 宜野湾市民の血中有害物質、全国の4倍 京大が調査 「米軍基地内に原因」
2019年5月17日 05:00


 発がん性などのリスクが指摘される有機フッ素化合物PFOSについて、京都大医学部の小泉昭夫名誉教授、原田浩二准教授が沖縄県宜野湾市大山の住民を対象に4月に実施した血中濃度調査で、全国平均の4倍の値が検出されたことが16日分かった。PFOSは米軍嘉手納基地や普天間飛行場周辺の河川で高濃度で検出され、基地が汚染源だと指摘されている。またコレステロール値や肝機能への悪影響が指摘され、規制に向けて国際的な議論が進んでいる有機フッ素化合物「PFHxS」に関しては、全国平均の53倍に上る血中濃度が検出された。

 有機フッ素化合物のPFOSとPFOAは国内の使用が原則禁止されている。宜野湾市大山は農業用水にも使われてきた湧き水からも高濃度で検出されたことから、小泉、原田両氏は住民の要望を受けて4月13、14日に調査した。宜野湾市大山の住民44人と、比較するための対照地域として南城市民61人に対してPFOS、PFOA、PFHxSの血中濃度を測定した。


 その結果、宜野湾市でPFOSが全国平均値の4倍に当たる1ミリリットル当たり13・9ナノグラムが検出された。PFHxSは宜野湾市が全国の53倍の16・3ナノミリグラムに上り、南城は全国の12・5倍の3・9ナノミリグラムだった。

 PFHxSは2021年春にも世界的に製造や輸出入、使用などの禁止が決まる可能性がある。PFOS、PFOA、PFHxSによる汚染は米軍の泡消化剤との関係が指摘されている。

 宜野湾市ではPFOS、PFOA、PFHxSの全てについて、水道水を日常的に飲む人たちの血中濃度が飲まない人よりも高かった。比べて南城市は水道水を飲む人と飲まない人の値に大きな差はなかった。

 宜野湾市の水道水は、嘉手納飛行場を通る河川水を使う北谷浄水場(7市町村に給水)が水源。南城市の水道水は西原浄水場(9市町村に給水)が水源。小泉、原田両氏は「健康に与える影響は不明だが全国との差からしても宜野湾市の水道水の源泉(北谷浄水場の水源)は汚染されている」と指摘。「国が責任を持つ基準の策定と順守が必要だ。汚染源は基地内と考えられ、国内法の下で厳重に管理する必要がある」とした。

 (島袋良太)

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緊急避妊:黄体ホルモン製剤レボノルゲストレル(LNG) 1.5mg(ノルレボ0.75mg2錠)を性交後72時間以内に服用。性交後避妊、妊娠率を0.7%に抑える

2019-05-15 23:00:00 | 小児医療

 思春期に関わる小児科医としても、小児科医がその処方をするしないとは別に、子ども達への健康知識として伝えて行くべき事柄だと考えます。
 
 緊急避妊薬に関する北村医師の論考を掲載させていただきます。

 緊急避妊EC Emergency Contraception:

 1、性交後避妊  妊娠の危険率を0.7%に抑える

 2、黄体ホルモン製剤 レボノルゲストレル(LNG) 1.5mg(ノルレボ 0.75mgを2錠)を性交後72時間以内に服用する

 3、作用機序 排卵を抑制したり、排卵を遅延させることによる

 4、注意点
  〇100%妊娠を防げるわけではないこと

  〇性感染症の可能性も忘れないこと


 *処方につきましては、当院も子ども達の健康を守る立場から産婦人科と連携を取りながらご相談に応じる所存です。


***************************



Dr.北村が語る現代思春期

緊急避妊薬を巡って

毎日新聞2019年5月13日 全国朝刊

 避妊しなかった、避妊に失敗した、レイプされたなどの性交があった際、72時間以内に決められた用量の薬を飲んで妊娠を回避できる方法があります。この薬を緊急避妊薬といいます。黄体ホルモンの一種であるレボノルゲストレル1・5ミリグラムを1回服用することで妊娠率を0・7%に抑えることができます。妊娠が成立した後では効果がないので、緊急避妊薬は人工妊娠中絶薬ではありません。

 この緊急避妊薬を巡って、僕の周辺が慌ただしくなっています。一つめは、2011年に承認・発売された緊急避妊薬に今年3月、後発薬が登場したことです。医療機関によって価格に多少のばらつきがあることは否めませんが、従来に比べて格安で入手できるようになりました。二つめは、海外から緊急避妊薬を個人輸入し、フリマアプリで無許可販売していたとして男が逮捕されたこと。三つめは、「薬局で薬剤師が扱うのは困難」などの理由で見送られたままになっている緊急避妊薬のスイッチOTC化(医療用から要指導・一般用への切り替え)について厚生労働相が、「再度の議論は妨げられない」と発言したこと。四つめは、緊急避妊薬が対面なしのオンライン診療によって入手できる見通しとなったことです。原則は、専門性を有する医師が診ることなどが条件ですが、妊娠をなんとしても避けたい女性にとって入手しやすくなることは朗報です。

 計画外の妊娠を回避するために、緊急避妊薬が入手しやすくなることはとても大切ですが、スイッチOTC化にせよオンライン診療にせよ、緊急避妊薬の服用はスタートであってゴールではありません。緊急避妊薬の存在を知らなかったでは困りますが、それ以上に大事なのは、日ごろから避妊を男性任せにせず、女性が主体的に取り組める方法を選択しておくことです。

 また、緊急避妊薬は排卵を抑制、あるいは遅らせることで避妊を可能にするので、服用後の性交で思いがけず妊娠してしまうことがあります。そのため、僕のクリニックでは緊急避妊薬を求める女性には翌日から経口避妊薬(ピル)を服用してもらうこともあります。このような特徴を理解しないままスイッチOTC化やオンライン診療が進み、新たな問題を抱えることにならないかと危惧しているのは僕だけではないはずです。(日本家族計画協会クリニック所長、北村邦夫)=次回は27日掲載

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中央区の交通環境改善の取組みの現況、同じ過ちを繰り返さぬ覚悟のもとに。

2019-05-14 23:00:00 | 街づくり
 山中先生の分析では、三つのEで、交通事故の分析が行われています。

 科学的な分析の下、二度と同じ過ちを繰り返さないことが求められています。

 中央区における交通環境の改善に引き続き取り組みます。

 山中氏の三つのEの中での取組の現況につき私の注目している点を加筆してみます。


◆Environment(環境、製品)

・道 路:歩道の安全確保(ポールやガードレールの設置)、バンプ等の設置によるスピード軽減化、信号機能の改善、歩行者専用道路の設置

⇒<中央区月島地域>
 西仲橋の区道:一時停止の導入など

 勝どき一丁目交差点:完全歩車分離式信号機の導入

 晴海三丁目交差点:完全歩車分離式信号機の導入

 月島一丁目児童遊園周辺:区道上駐車場一台分を廃止し見通しの改善

 佃二丁目交差点(月島駅6番出口先):横断歩道の見通しの改善、車の減速


・自動車:衝突防止装置や自動ブレーキの標準装備

⇒ 都の補助導入の経過フォロー

・保育所:園児用バスの利用(例:目黒区のヒーローバス東京新聞2018年10月18日の記事より)

⇒ 散歩道の安全要望集約

◆Enforcement(政策提言)

・道 路:上記予防策を入れた道路交通法の改正(保育所・幼稚園、学校の周囲の進入禁止、速度制限など)

⇒ スクールゾーンの拡大(『中央区交通安全実施計画』)

・自動車:自動停止装置など安全設備の義務化

・保育所:上記予防策を入れた条例づくり、保育士の処遇改善

⇒ 五輪や再開発事業などの工事関係車両の安全協定、動線安全確認、

◆Education(教育)

・道 路:子どもたちへの交通教育

・自動車:ドライバーの再教育(免許証更新時の試験必須化)

・保育所:保育士の傷害予防に関する能力の向上

**********毎日新聞2019.05.14************

https://my.mainichi.jp/articles/20190514/ddm/003/040/038000c

**********薬袋 奈美子氏 論文***********

https://www.cpij.or.jp/com/ac/reports/17_413.pdf?fbclid=IwAR2I_Rm3yqYzB0QlR3WxsThehUszhkRdMRQ6iUhr99cE6v_wV6GL0dyFDZA

**********山中氏 記事***************
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamanakatatsuhiro/20190513-00125863/?fbclid=IwAR0RxWDzOYU76WIsm3h6W5CtR8zO3IxeJuM9gxX-zea8T6ooLCFpXWksAOI

今こそ徹底的な検証と具体的な対策を~大津の保育園児交通死傷事故について考える~

山中龍宏 | 小児科医/NPO法人 Safe Kids Japan 理事長
5/13(月) 18:00

 2019年5月8日、滋賀県大津市で複数の保育園児が死傷する交通事故が起きた。報道によると、園児13人は保育士3名に引率され、散歩に行く途中だったという。信号のある丁字路交差点の歩道部分に立ち、信号待ちをしていたそうだ。ふだんどおり、歩道の車道から離れたエリアに、保育士が車道側に、園児を囲むように立っていたという報道もある。

 この事故を受け、テレビやネットでは「保育所や保育士は被害者だ」「園長先生は悪くない!」という声が高まり、ツイッターには「#保育士さんありがとう」というハッシュタグもできた。一方、交通事故が発生した詳しい状況について分析した記事はほとんどみられない。

園外保育や保育士の問題ではなく、交通環境の問題

 今回の事故の直接的な原因は、50歳代のドライバーが運転する乗用車が前方をよく確認しないまま右折しようとしたことにある。しかしこのドライバーの責任を追及し、「私たちも気を引き締めて安全運転に努めよう」と決意を新たにするだけでは事故の再発予防にはつながらない。また、保育所や保育士を擁護し、保育士に感謝の気持ちを表すことは一見温かい対応のように見えるが、そこで完結してしまうと原因究明と再発予防に向けた議論につながらないおそれがある。今回の事故の背景の一部である、「園庭がない」「保育士が不足している」「保育士の処遇が不十分である」といった現在の保育現場が抱える課題に関する議論まで展開すると、道路状況や自動車の安全性といったより重要な要素について検討する機会を失わせ、結果的に事故の再発予防にもつながらないことになる。

事故原因と再発予防策を多角的に考える

 安全運転に努めるのは当然だが、ハンドルを握り、アクセルを踏むのは私たち人間で、エラーを起こす可能性は常にあるし、避けることが極めて困難なケースもある。

 このような事故を二度と起こさないためには、事故原因と再発予防策を多角的に考える必要がある。今回、最も必要なことは、これまでに起こった「速度をもった自動車が歩行者に突っ込んだ事故」例を抽出し、その状況を細かく分析することである。事故の発生状況は、必ず、いくつかのパターンにわけることができる。最近ではドライブレコーダーの記録が入手できるので、どのような道路環境で起こったのか、車のスピード、自動車の動線、歩行者の位置など、秒単位で検討することができる。この情報の分析から、事故を予防するためには何が必要かを明らかにする。この分析結果をもとに、危険性が高い道路状況を図式化して全国の警察に配布し、各地の警察交通係が担当地域の危険性が高い道路環境をリストアップする。とくに子どもたちが歩く頻度が高い道路環境の整備を具体的に行う必要がある。

3つのE

 ここでは事故の予防を考える際に用いる「3つのE」、「Environment(環境、製品)」「Enforcement(政策提言)」、そして「Education(教育)」にしたがって、再発予防策を整理してみたい。

◆Environment(環境、製品)

・道 路:歩道の安全確保(ポールやガードレールの設置)、バンプ等の設置によるスピード軽減化、信号機能の改善、歩行者専用道路の設置

・自動車:衝突防止装置や自動ブレーキの標準装備

・保育所:園児用バスの利用(例:目黒区のヒーローバス東京新聞2018年10月18日の記事より)

◆Enforcement(政策提言)

・道 路:上記予防策を入れた道路交通法の改正(保育所・幼稚園、学校の周囲の進入禁止、速度制限など)

・自動車:自動停止装置など安全設備の義務化

・保育所:上記予防策を入れた条例づくり、保育士の処遇改善

◆Education(教育)

・道 路:子どもたちへの交通教育

・自動車:ドライバーの再教育(免許証更新時の試験必須化)

・保育所:保育士の傷害予防に関する能力の向上

チャイルド・デス・レビュー
 亡くなった園児はいずれも2歳だったという。すくすくと成長し、やがては日本を、そして世界を背負うはずだったお子さん達を死に至らしめたのは、当該ドライバーだけでなく、私自身を含む社会全体だ。このような事故は繰り返し起きていたのに真剣に取り組もうとしなかった、たとえ取り組んでいたとしても結果的に十分な結果を出すことができなかった私たち全員に責任がある。

 子ども達が安全に、そして幸せに成長できる社会をつくる、それこそが国連が推奨している持続可能な社会をつくることではないだろうか。この政策は、この製品は、この活動は、この選択は、子ども達を真の意味で幸せにするだろうか?と問い続けながら日々を生きなければならない。そして社会を変えていくことで、初めて亡くなったお子さん達を悼み、彼らに償うことができる。

 最後に、2018年6月1日に集英社が運営するウェブサイト「imidas」に掲載された記事の一部を紹介したい。この記事を書かれた溝口医師は、筆者らと共にチャイルド・デス・レビュー(CDR)の導入に尽力してこられた方である。本来であれば、今回の事故もチャイルド・デス・レビューによって徹底検証されるべきであろう。

チャイルド・デス・レビューで子どもの死を防げ!

幼い命の「予防可能な死」を減らすために大人たちができること

2018/06/01 溝口 史剛 (群馬県前橋赤十字病院 小児科副部長)

子どもが死んだという結果を前に、周りの大人が防御的に「やることはやっていました」と言ったところで、何も意味はありません。「やることはやっていたつもりであるが、子どもが亡くなったということは、結果として我々の関わりは不十分であったということです。同様のケースが今後二度と出ないように徹底的に検証し、システムの改善につなげたいと思います」と言える社会を目指さなければなりません。すでに最大限のことをやっているのでこれ以上は無理、つまり子どもは今後も死に続ける、などということを容認するわけにはいきません。徹底的に子どもを守るんだという感覚を、本気で地域が持てるかどうかが問われています。虐待事例であれ、事故事例であれ、病気による死亡事例であれ、根本は一緒です。


山中龍宏
小児科医/NPO法人 Safe Kids Japan 理事長
1974年東京大学医学部卒業。1987年同大学医学部小児科講師。1989年焼津市立総合病院小児科科長。1995年こどもの城小児保健部長を経て、1999年緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。1985年、プールの排水口に吸い込まれた中学2年生女児を看取ったことから事故予防に取り組み始めた。日本学術会議連携会員、産業技術総合研究所人工知能研究センターデジタルヒューマン研究チーム外来研究員、NPO法人Safe Kids Japan理事長、内閣府教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員、東京都商品等安全対策協議会特別委員、日本スポーツ振興センター学校災害防止調査研究委員会委員。
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スクーズゾーンの定め

2019-05-13 23:00:00 | 街づくり
 現在、中央区の交通安全運動期間中です。

 子どもたちを交通事故から守るひとつの制度が、スクーズゾーンです。

 その充実が、制度により、子どもたちを守ることに繋がると考えています。



スクールゾーンとは?

スクールゾーンとはその名前のとおり、小学校などの学校の近くの生活道路に設置されている部分です。地域によっては幼稚園や保育園がその対象になる場合もあります。

子どもの登下校の際、通学路の安全を確保するためのもので、学校を中心に半径500mほどの道路がスクールゾーンを設定する対象となります。

「交通安全対策基本法」で、以下のように定められていることが根拠となっています。

指定行政機関の長は、交通安全基本計画に基づき、その所掌事務に関し、毎年度、交通安全業務計画を作成しなければならない。

出典:交通安全対策基本法第24条

これはその地域の自治体が交通安全業務計画を作り、その中でスクールゾーンの場所や規制の方法について道路管理者や警察署と協議して定めることになります。

規制を作る法的根拠は交通安全対策基本法で、主体はその地域ですが、規制は道路交通法上のものということになります。

参照:https://car-moby.jp/165193
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養護教諭の先生方を中心にした不登校の子どもへの関わり・保健室登校。学校保健安全法において規定されている重要な「健康相談・健康相談活動」。かかりつけ小児科医と養護教諭の先生方との連携をぜひ。

2019-05-12 12:32:02 | 小児医療

 不登校の子ども達への対応。
 学校に通う事だけがすべてではありませんが、ひとつの解決の形として登校がかなえられるようにしていく支援が大切です。

 学校に通う支援において、要の役をになっている一人が養護教諭の先生です。保健室登校をしながら、解消されていくこともあります。
 私も、養護教諭やスクールカウンセラーの先生ら学校と連携をしながら、その支援をして行きたいと考えています。


 以下に、『こころの科学』2018年11月20日発行の特集「対話がひらくこころの多職種連携」における論説のひとつ前橋市立天川小学校 岩崎和子先生による「システム論を手がかりに養護教諭の役割を再認識」から、保健室登校の事例を引用させていただきます。

 養護教諭の先生方の仕事の重要性を再認識する内容だと思います。


 

 



 





 養護教諭の先生方が、学校や子どもを取り巻くシステムをいかに見立ててくださっているかは、図2で理解できます。


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小坂クリニック:明日の日曜日も急病対応実施いたします。5月12日(日) 9:00~13:00。就学相談、発達相談、いじめの相談などもお気軽に。

2019-05-11 15:06:41 | 日程、行事のお知らせ

こんにちは、小坂クリニックです。


 令和の時代が動き始めました。

 子ども達にとっては、長い連休明けで学校・保育園生活に体が追い付いていない子達を見受けます。ゆっくりならして行ってください。
 さっそく、運動会・体育祭も始まります。がんばってください。

 おなかの風邪、咳の風邪がやや多いです。溶連菌や水ぼうそうも出ています。インフルエンザは、散発です。

 食中毒の季節、手洗いとともに、食品の保存・衛生管理にはご注意願います。

 この4月に新しく保育園に行き始めた子は、風邪をもらいやすく、2-3ヶ月は風邪ばかり繰り返すかもしれません。
 当院も病児保育にて、お風邪のお子様をお預かり致しますので、ご相談下さい。ご登録は、お早めに。
 ご利用日前日の予約制ですが、当日に空きがあれば、当日でもお預かり致します。
 原則17時半までですが、18時半までの延長対応も致します。
 保育園へのお迎えも行います。
 

1、今週末の診療について 

5月
 11(土) 9:00~15:00

 12(日) 9:00~13:00


 土曜日、日曜日も、予防接種や健診もお受けいたします。
 お仕事などで、なかなかご来院できない皆様、ご利用ください。


2、時間変更について

 地元の防災拠点運営委員会が開催されるため、

 5月17日(金)午後診療を18時半までとさせていただいます。 

 5月17日(金)午前8:15-11:30、午後3:30-6:30


3、予防接種について

 午前11:30-午後1:00、午後3:10-3:30で、予防接種や健診をお受けいたします。
 診療時間においても、実施は可能です。
 土曜日、日曜日も予防接種をお受けいたします。

 おとなの方の風しん抗体価検査及び風しんやMRの予防接種も致します。

4、5歳児健診について

 当院では、5歳児健診を実施いたしております。
 発達の評価など行います。


5、在宅療養の支援としての医療機器の貸出について
 〇鼻水吸引器、
 〇吸入器
 〇ミスト
 など、在宅療養を支援する医療機器も、病状に応じ無料貸出致します。
 お気軽にご相談下さい。


6、発達のご相談をお受けいたします。

 時間をお作り致しますので、クリニック(03-5547-1191)にお問い合わせ下さい。


7、就学相談について

 小学校を、通常学級、特別支援教室、特別支援学級、特別支援学校など選択で悩まれているかたもおられると思います。
 お子さまにとって最も適した学びの場を、一緒に考えて参りますので、ご相談下さい。

 医療的ケアの必要な子ども達の学びや保育の場についてもご相談下さい。

8、いじめ、不登校、ひきこもりなどのご相談について

 学校や学びの場のご相談をお受け致します。

9、中央区政について

 先の中央区議会議員選挙におきましては、無事3期目の負託を受けることができました。5月に入り、新しい期の議員活動が開始されました。子ども達の育ちの場の環境整備に向け、中央区政からもアプローチを引き続きして参る所存です。
 日々、お声もいただいておりますが、あらためて、区政へのご意見・ご提案がございましたら、診療の機会や街の辻立ちの機会などにお気軽にお声かけください。

 痛ましい交通事故も発生しております。ちょうど、中央区では春の交通安全運動(5/11-5/20)が実施されています。
 交通の危険箇所の改善を区や警察署に要望を届けてもいます。改善すべき箇所につきまして、ご意見・ご提案をお待ち申し上げます。

 小坂和輝メール:kosakakazuki@gmail.com    


以上

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【令和へ49】子育て支援 虐待から声なき声の子ども達を守る。被害に遭った子どものワンストップでの支援を目指すNPO法人「神奈川子ども支援センターつなっぐ」に期待!

2019-05-10 11:30:41 | 公約2019
 虐待から子どもを守ること、小児科医師として、とても大切な仕事のひとつです。

 各機関が連携することから始まります。

 神奈川県のNPOの先進的な取り組みに注目をしていきたいと考えます。

 中央区も取り組みを急がねばなりません。中央区でも、「つなっぐ」のようにつながりをつくりませんか?


*******東京新聞2019.05.10*****

https://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201905/CK2019051002000133.html


 深刻な児童虐待が全国で相次ぐ中、横浜市の医師と弁護士らが行政の縦割りなどを排除し、被害に遭った子どものワンストップでの支援を目指すNPO法人「神奈川子ども支援センターつなっぐ」を設立した。「関係機関をつなぎ、タッグを組む」という意味を込めて名前を付けた。行政、病院、警察などの関係者を集めて研修を重ね、連携を深める。 (志村彰太)

 代表理事は県立こども医療センター(横浜市南区)患者家族支援部長の田上幸治医師(50)と、子どもの権利保護に取り組む飛田桂弁護士(36)が務める。他に、元検察幹部や元警察官僚、児童心理が専門の医師、大学教授らが名を連ねる。

 児童虐待は、被害児を保護する児童相談所、診察する病院、捜査に当たる警察、検察などが対処する。ただ、縦割り行政と個人情報保護が壁になって情報共有が進まず、深刻化した後に発覚する場合も多い。飛田弁護士は「関係機関がもっと連携していれば防げる被害もある」と語る。

 発覚後の聞き取りも児相、病院、警察などが別々にすることが多く、被害児はつらい経験を何度も話さなければならない。つなっぐは関係機関の担当者らが交流を深める研修を開くなどし、課題を整理して解決策を提案するとともに、被害児の聞き取りと医師の診察を一括で行う体制づくりを目指す。

 学校や民間団体とも連携しながら、対応が一段落して行政、警察との関わりが少なくなった被害児を継続してケアする。裁判で証言する際に寄り添い、精神面で支えになるコートハウスドッグ(裁判犬)の普及も訴える。田上医師は「大切なのは子どもの最善の利益を図ること」と力説する。 十一日午前九時五十分~十一時半に、横浜市中区の関内ホール小ホールで設立記念イベントが開かれる。立命館大の仲真紀子教授(認知心理学)が、被害児の負担を軽くする聞き取り方法の意義などを講演。その後、つなっぐのメンバー、横浜地検の中村葉子総務部長らを交えて、関係機関の連携を巡って議論を交わす。参加無料で定員二百人。問い合わせは飛田弁護士のベイアヴェニュー法律事務所=電045(319)4486=へ。

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出生前診断、小児科医も相談をお受けする相談員のひとりだと思っています。

2019-05-10 06:43:56 | 小児医療
 小児科医も、相談を受けるひとりであると考えます。

 また、保健所も検査などの正しい医療情報の提供場であるべきと考えます。

**********朝日新聞20190510********

https://digital.asahi.com/articles/DA3S14007824.h

出生前診断、悩みに寄り添う 医師や家族のNPOがホットライン開設の動き


2019年5月10日05時00分

 おなかの中にいる赤ちゃんの病気や健康状態がわかる「出生前診断」が広がっていることを受け、親の相談窓口をつくる動きが出ている。胎児の病気などがわかった場合にどうしたらいいのかについて、相談先が乏しいことが背景にある。

 ■胎児の命と向き合う過程、親を支える

 埼玉県に住む女性(43)は30代後半で妊娠したとき、出生前診断を受けるか悩んだ。「母体血清マーカー」と呼ばれるもので、ダウン症候群などの確率を算出するものだ。「障害があっても出産する」と決めており、最終的には受けなかった。ただ後になって、胎児に病気が見つかった場合、病気によっては出産前から治療を受けられることを知った。「出生前診断は、子どもが健康かどうか知るためだけのものだと思っていた」

 英国で胎児医療の研修を受けた経験を持つ産婦人科医の林伸彦さんは2015年、NPO法人「親子の未来を支える会」(千葉市)を設立した。医師、看護師らに加え、生まれつきの病気や障害がある子どもの家族らがメンバーだ。

 「出生前診断でダウン症の可能性があることが分かったが、産み育てる勇気がもてない」――。林さんは、赤ちゃんに病気があるとわかった際の支援や出生前診断について、こうした悩みを相談できる体制が不十分と感じてきたという。「通常の妊婦健診でも心臓の異常などが見つかることがある。生まれる前に赤ちゃんの病気がわかったとき、家族が自分を責めたり孤立したりするのを見てきた。生まれる前の命に向き合う過程に寄り添いたい」と、20年度中をめどに相談窓口「胎児ホットライン」の開設を目指す。

 ホットラインは、研修を受けた相談員が電話やメール、LINEなどで相談を受け付ける。相談内容に応じ、専門機関につないだり、同じ悩みを持つ家族を紹介したりする。「特別なケアを必要とする赤ちゃんを妊娠している方へ」と題した冊子も作る予定だ。

 出生前診断には「命の選別につながる」との声があり、林さんは「検査を受けること自体に後ろめたさを感じる人もいる」と話す。一方、染色体異常が高い精度でわかる「新型出生前診断(NIPT)」は血液を調べるだけという手軽さもあり、13年度からの5年間で6万人近くが受けたという。3月には日本産科婦人科学会がNIPT実施における認定施設の拡大案を示し、診断を受ける人がさらに増えるとの見方もある。

 同NPOは冊子の作成や相談員の養成にかかる費用をクラウドファンディング(https://readyfor.jp/projects/familyandbaby別ウインドウで開きます)で15日まで募っている。(有近隆史)
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