「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

第三の医療 在宅医療

2007-08-27 18:58:14 | 医療
外来医療、入院医療、
第三の医療が、在宅医療。

在宅医療の整備が、
求められているが、
現実は、なかなか難しい。

昨日8/26、日本医師会主催の
在宅医療研修会に参加してきた。
学んできたことを述べたい。

0)在宅医療の現状
<往診を受けた患者>
60年代中間までは、一日約15万人。
90年代5万人。
近年2.5万人。

<病院死と在宅死>
1960年 在宅死75% 病院死15%強
1977年 在宅死=病院死=約45%づつ
2004年 在宅死12% 病院死80%
在宅死の割合がかつて高かったが、
1977年に逆転して、
現在、病院死が大多数を占める。

1)医療制度改革の方向性
まず、現在進んでいる医療制度改革、
一言で言うと、
これは、「病院完結型医療」から
「地域完結型医療」への移行である。
しかし、医療分野のどこにもあてはまるが、ここでも、
制度が、先走り現場が追いついていない状況にある。
受け皿となる地域の医療体制(特に開業医レベルで)が未成熟なのである。

2)在宅医療の3つの柱(2007日本医師会指針より)
①尊厳と安心を創造する医療
②暮らしを支援する医療
③地域の中で健やかな老いを支える医療

3)具現化するための医師や医師会の心構え(2007日本医師会指針より)
①高齢者の尊厳の具体化に取り組もう
②病状に応じた適切な医療提供あるいは橋渡しをも担い利用者の安心を創造しよう
③高齢者の医療・介護のサービス提供によって生活機能の維持・改善に努めよう
④多職種連携によるケアマネジメントに参加しよう
⑤住まい・居宅(多様な施設)と連携しよう
⑥壮年期・高齢期にわたっての健康管理・予防に係っていこう
⑦高齢者が安心して暮らす地域創り、地域ケア体制整備に努めよう

4)入院した患者が在宅医療に帰れるには
①本人の症状
②本人の意欲
③家族の協力
④在宅支援体制
⑤病院のマネジメント⇒入院時から、退院後の健康と生活の安定のために、患者・家族に対して退院後に予想される問題を提供し、十分な援助計画を作成する。そして、実際の退院時には、関係者(主治医、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士・作業療法士、ソーシャルワーカー、及び在宅医療を担当する開業医・訪問看護師・ケアマネージャー)による退院カンファレンスをもち、在宅医療担当者に引き継いでいく。
 ポイントは、二つ。一つは、入院時から退院後の生活をイメージした援助計画を立てることと、もう一つは、急性期病院から在宅医療への切れ目のない引継ぎ。


5)在宅医療を支える在宅支援体制とは(医療経済機構資料より)
①十分な量の介護サービス
②24時間体制に近い体制
③短期入所の活用
④在宅医療・医療機関との連携
⑤食生活の管理
⑥福祉用具の活用
⑦住居の改善

6)在宅医療の特殊性
医療を、家庭や地域という生活の場で、提供すること。
在宅医療は、患者さんの希望する生活を継続・実現するための後方支援医療である。ノーマライゼーションに寄与・貢献する。あくまで医療は生活の一部を支えるもの。(畑野栄治先生による)


(2007-08-27 18:58:14書きかけ、長くなりそう、一時中断)





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ホスピス (fukuda)
2007-08-27 21:54:36
私も高齢の母が現在入院しており
尊厳死、在宅介護、緩和ケア、ホスピスなど
色々と調べて考えておりますが
現状、なかなか難しいと感じております。

ホスピス自体が少なく、
聖路加にはホスピスがありますが
本人に告知をするのが前提?

本人に告知なくとも受け入れるところは
ホスピスでなく、緩和ケアチームで、在宅での対応。

しかし、やはり、最後の最後は、在宅で、、、というのは非常に難しいんじゃないかと思っています。

なるべく苦しみが少なく
安心した気持ちで、、、というのは
本当に難しい。

本人もそうだけど、残される家族の気持ちのケアも難しい。

なんとなく想像はしていたけど、
本当に難しいなーと思っています。

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