「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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中央区も子育て応援券を! 「バウチャー制度」導入について

2011-02-19 23:00:00 | マニフェスト2011
(2008-07-02 09:00:00のブログの再掲です。)

 2008年7/1是非知りたいと思っていた杉並区の『杉並子育て応援券』を知るために、杉並区保健福祉部子ども・子育て計画課を視察した。
 杉並区は、500円相当のサービス券を年齢にあわせて、毎年3~6万円分、学童前の乳幼児家庭に配布。各家庭は、500ばかりある登録事業者の子育て支援関連のサービスの中から、自分の好きなものを選んでサービス券をつかって利用する仕組み。民間事業者、NPOなどによる様々なサービスがある。杉並区は、“すべての”子育て家庭への支援を探していた時に、英国で95年始まった保育バウチャーを参考に、事業をつくったということであった。
 私は、この仕組みが、子育て支援をしようという思いを持った人たちの、その思いの実現に役立つのではないかと考える。そしてNPO・ボランティアと行政との協働推進にも役立つのではないかと、たいへん注目している。
 実際に、サービス内容の書いた冊子が各家庭に配られることで、今までは知らせるのに限界があった各NPOの事業が幅広く区民に広報されることにもなったらしい。
 これからの中央区の子育て関連施策作りの参考にして行きたいと考える。

 ご多忙のところ、快く視察をお受けくだり、丁寧にご説明下さいました担当課長様には、厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。


杉並子育て応援券とは;ひととき保育(一時保育)・親子コンサートなど、有料の子育て支援サービスに利用できる券を、就学前の子どもがいるご家庭に配付し(所得制限なし)、地域で提供される子育て支援サービスを利用しやすくする事業。平成19年6月から実施。

<サービスの理念的な部分>
目的と効果;
目的:子育ての不安感や負担感を解消し親の子育て力を高める

効果:
○子育てがサービスを選択して利用できる
○子育て家庭のサービスが周知され、利用が進む
○子どもの育ちの支援に繋がる
○子育て家庭がさまざまな人とかかわる機会が増え、児童虐待予防につながる

目的:子育てを応援する街をつくり地域の子育て力を高める。

効果:
○事業者の競い合いやNPO活動の促進などにより、子育てを応援する地域創りが進む
○育成された人材の活用や、親自身が子育て支援者として地域に参加することにより、協働による区民主体の子育て活動が広がる。

*子育ての「バウチャー制度」
バウチャー;個人が行政から受けとる補助金で、子育てサービスなどに使い道が限定されているもの。

新しい協働の形を目指したとりくみ
従来型の公的事業は、
行政:サービスの企画
事業者:(決められた)サービスの提供
区民:サービスの受益者

子育て応援券事業では、
行政:サービス提供のしくみづくり(市場の形成)
事業者:サービスの創設、提供
区民:サービスの選択者、受益者、そして将来の提供者

<サービスの実際>
昨年度約7億円の予算で、実際に使われたのは、約2億4千万円。
今年度は、毎月4千万円のペース。この調子だと、4億8千万円か。
参加事業者は、当初131事業者、これが昨年度末429、今は500に迫る。
(事業者は、区外でも可)

<様々な課題>
*利用者の安易なサービス利用のキャンセル
*利用者が、まだまだ受動的
*様々なサービスを入れてほしいという多くの要望
あれも、これもで果たしてよいのか。
*利用券から清算され入金されるの1ヶ月要する点
*民間がNPOに競い勝つことが多い
*サービスの充実⇒行政側が、事業者研修の機会をもち、サービスの充実を図っている
*事故⇒事業者には、何らかの保険には入ってもらっている



<細かな制度の内容>
券の種類;500円券のみ
※ つり銭は支払えないため、サービス利用料と応援券の差額は現金でしはらう。

交付金額;
・ 「0歳児~2歳児の保護者」には年額6万円 (応援券120枚)
・ 「3歳児~5歳児の保護者」には年額3万円 (応援券60枚)
※ 保護者の所得による制限はありません。
よって、
0歳から5歳までの合計では、
0歳6万円 1歳6万円 2歳6万円 3歳3万円 4歳3万円 5歳3万円で合計27万円。


発行回数; 年1回
※ 対象となる子どもごとに1年間分を一括して交付。

有効期間; 2年間
※ ただし、児童が就学する前年度は当該年度のみ使用可能とし、翌年度には繰越なし。

対象サービス;
(1) 親子参加のプログラム
(2) 親サポートのプログラム
(3) 子どもを預かるサービス
※ おむつやミルクなどの物品購入は対象になりません。
サービス利用1回につき、応援券で支払える上限額
(1) 親子参加のプログラム 10,000円
(2) 親サポートのプログラム 5,000円
(3) 子どもを預かるサービス 5,000円
※ 上限を超えた分については現金でお支払い。

【例】 
1時間1,500円の子どもを預かるサービスを4時間利用し、計6,000円のサービスを利用した場合
→ 応援券で10枚、現金で1000円の支払いとなります。
  (利用額6,000円が「子どもを預かるサービス」の利用限度額5,000円を超えるため、
   全額を応援券12枚で支払うことはできません。)


対象サービスの分類と例示;
(1) 親子参加のプログラム
親子で鑑賞事業 コンサート・観劇 など
親子で体験講座 ふれあい遊び・クッキング・体操・リトミック など
親子の集いの場 つどいの広場 など
親子参加のイベント 遠足・バスハイク など

(2) 親サポートのプログラム
産後を中心とした支援 産後のフィットネス、母乳相談、ベビーマッサージ、骨盤調整 など
家事援助 産後支援ヘルパー、ホームヘルプサービス など
子育て相談 育児相談、離乳食相談 など
子育て講座 食育講座、子どもの事故防止講座 など

(3) 子どもを預かるサービス
特定の場所での保育 ひととき保育、子育てサポートセンター、私立保育園、認証保育所・幼稚園での一時保育 など
イベントなどの託児サービス コンサート・観劇・講演会での託児 など
自宅での託児サービス ベビーシッター、ファミリーサポートセンタなどの訪問型託児サービス など

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