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新型コロナウイルス2020.2.15:子どもの新型コロナウイルス感染症について 日本小児科学会見解(2020.2.14)など

2020-02-15 03:02:14 | 各論:新型インフルエンザに備える

 子どもの新型コロナウイルス感染症について記載があります。

 幸い、軽い症状で済んでいて重症例がほとんどないとのことです。

 World Journal of Pediatricshttps://link.springer.com/article/10.1007/s12519-020-00343-7?fbclid=IwAR3Izw7GwUnDAmjMYUcRRL9lpGVmn4AHQnqadDvIneOsy0AMgYlhYM1-ltY

 LIVESCIENCE:https://www.livescience.com/why-kids-missing-coronavirus-cases.html

*****抜粋*****
WJP
https://link.springer.com/content/pdf/10.1007%2Fs12519-020-00343-7.pdf

臨床症状

現在の疫学的データに基づくと、2019-nCoV感染の潜伏期間は1〜14日間であり、ほとんどが3〜7日間です。現在報告されている小児症例のデータでは、病気の発症年齢は1.5ヶ月から17歳の範囲であり、そのほとんどが感染症例と密接に接触しているか、家族クラスターの症例であることが明らかになった[ 4 ]。感染した子供は無症状である[ 5 ] ように見えるか、発熱、乾いた咳、および疲労を呈することがあり、鼻詰まりや鼻水を含む上気道症状を示す人はほとんどいません。一部の患者は、腹部不快感、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状を示しました。

ほとんどの感染した子供は軽度の臨床症状を示します。発熱や肺炎の症状はなく、予後は良好です。それらのほとんどは、病気の発症後1〜2週間以内に回復します。呼吸器感染症を下げるために進行することはほとんどありません。2019-nCoVに感染した母親から出産された新生児は陽性と検出されていません。新生児の症例はまだ報告されていません。小児患者の臨床症状は、より多くの小児症例データを収集した後にさらに定義する必要があることに注意する必要があります。さらに、病原体分析を広く使用した後、確認された感染症例の数は増加します。

成人からのデータは、重篤な場合はしばしば病気の発症から1週間後に呼吸困難を発症することを明らかにしています。重症の場合には、速やかに、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血症性ショック、耐火性代謝性アシドーシス、および凝固機能不全【に進行することができる6、7 ]。子供の死亡はこれまで報告されていませんが、死亡の潜在的なリスクを強調する必要があります。小児患者での臨床症状は、成人患者に比べ、比較的穏やかなあるが、ARDSや死亡例も[SARSとMERS流行中に感染した子供たちに起こった8、9、10、11 ]。


*****************


 以下、日本小児科学会の見解(2020.2.14)を掲載します。


*******日本小児科学会HP********
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326

新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(2020年2月12日現在)について

2020年2月14日

日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会

 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる感染症については、現時点では小児に関する情報は限られています。当委員会では小児における症状や注意点に関するQ&Aを作成いたしました。ご参考になれば幸いです。


 昨年12月に中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、武漢市を中心に大規模な流行が認められ、日本を含めた世界各国で患者報告数が徐々に増加傾向にあり、情報が更新されています。その一方で小児の患者に関する情報は限られており、当委員会では、現時点で想定される小児患者に関する疑問についてQ&Aを作成いたしました。なお、本見解は数少ない報告や、過去のコロナウイルス感染症を踏まえたものである事にご留意ください。また状況に応じて今後内容は更新する予定です。

Q 子どもが新型コロナウイルスに感染するとどのような症状がでますか?

A:現時点では情報が少なく、分からない点が多いです。中国からの報告では、2020年1月30日時点で確定診断のついた9,692人中、小児患者は28人(生後1か月から17歳)のみでした。発熱、乾いた咳、倦怠感を訴える一方で、鼻汁や鼻閉などの上気道症状は比較的少ない様です。一部の患者では嘔吐、腹痛や下痢などの消化器症状を認めました。ほとんどが1ー2週で回復しています。感染していても無症状である可能性も指摘されていますが、子どもは正確に症状を訴えられない事に注意しなければなりません。

Q 子どもの新型コロナウイルス感染症は重症化しますか?

A: いまのところ、成人が感染し、呼吸不全を呈し、重症化した報告はありますが、小児患者が重症化したという報告はありません。しかし、成人同様に感染後1週間ごろより呼吸状態が急速に悪化する可能性も指摘されています。なお、別の種類のコロナウイルスによる感染症である重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)では小児の患者の多くは比較的軽症であったことがわかっていますが、一部重症化したという報告もあります。

Q 小児ぜんそくなどの合併症を持っている子どもに関して特に注意すべきことはありますか?

A: 一般的に小児ぜんそくなどの合併症を持っている子どもの呼吸器感染症は重症化する可能性があります。ただ基礎疾患ごとにリスクや対応は異なりますので、かかりつけの医師にご相談ください。また、周囲の人が感染しないように気を付けることが重要です。

Q 母乳はやめておいた方がいいですか?

A: 母親が感染している場合は、接触や咳を介してお子さんが感染するリスクがありますので、直接の授乳は避ける必要があります。母乳自体の安全性については現時点では不明ですが、日本産科婦人科学会からは以下のように授乳を避けるよう推奨が出されています。

 「コロナウイルス感染が確定し発熱を認める褥婦においては母体がウイルス血症となっていることが考えられ、授乳は控えるように指導する。解熱後3日までは感染力があると判断し、個室隔離、手洗い、接触のある物を次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)で拭き上げることを徹底する。授乳開始は解熱後4日目を目安とする。(ただし、今後の解明によって上記の日にちは変更されうる)」
妊婦・産褥婦の新型コロナウイルスの感染予防対策について(日本産科婦人科学会)


Q 子どももマスクはしておいた方がいいですか?マスクが出来ない場合はどうしたらいいですか?

A: 感染している人のくしゃみや咳に含まれる飛まつを直接浴びないという観点からは、マスクをすることの利点はあるかと思いますが、小さなお子さんでは現実的ではないと思われます。感染者から1-2メートル以上の距離を保つこと、保護者の方が感染しないことがお子さんの感染予防につながります。
 また、ウイルスに汚染されたおもちゃや本などに触れた手で、口や鼻、目を触ることでも感染しますので、手洗いや消毒も大事です。

Q 子どもの症状が新型コロナウイルスによるものかもしれないと思ったら早めに医療機関を受診した方がいいですか?

A: 現時点(2020年2月12日)において、国内で新型コロナウイルスに感染している子どもは報告されていません。インフルエンザも含めた他のウイルスによるものと考えるのが妥当です。
また、「新型コロナウイルス感染」を疑って一般の医療機関や休日夜間急病診療所等へ受診しても、診断を確定するための検査はできません。むしろ新型コロナウイルス曝露の機会を増やす危険性を念頭におく必要があるでしょう。
 さらには、新型コロナウイルス感染の軽症者に対する特異的な治療法もありません。
 このような段階では、多呼吸、努力性呼吸、呼吸困難等、肺炎を疑う症状があり、入院加療が必要と考えられる場合を除いては、「新型コロナウイルス感染」を心配して医療機関を受診することは勧められません。

参考文献

1: Shen K,et.al., Diagnosis, treatment, and prevention of 2019 novel coronavirus infection in children: experts' consensus statement. World J Pediatr. 2020 Feb 7;10.1007/s12519-020-00343-7. PMID: 32034659.
2: Chen ZM, et.al., Diagnosis and treatment recommendations for pediatric respiratory infection caused by the 2019 novel coronavirus. World J Pediatr. 2020 Feb 5; PMID: 32026148.

新型コロナウイルス関連サイト
<国内の行政対応,発生状況,ガイドラインなど>

1.厚生労働省
新型コロナウイルスに係る厚生労働省電話相談窓口(コールセンター)の設置について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09151.html
中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎の発生について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
2.国立感染症研究所
コロナウイルスに関する解説及び中国湖北省武漢市等で報告されている新型コロナウイルス関連肺炎に関連する情報
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-corona/9305-corona.html
中国湖北省武漢市で報告されている新型コロナウイルス関連肺炎に対する対応と院内感染対策
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9310-2019-ncov-1.html
新型コロナウイルス(Novel Coronavirus:nCoV)の患者の退院及び退院後の経過観察に関する方針(案)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9314-ncov-200117-2.html
3.厚生労働省検疫所 FORTH
海外感染症発生状況
https://www.forth.go.jp/topics/fragment1.html
4.日本環境感染学会
新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症への対応について
http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=328
5.日本感染症学会
新型コロナウイルス感染症
http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31

<一般の方向け>

1.厚生労働省
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html
2.東京都福祉保健局
医療機関受診のための多言語ガイドブック
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/tagengoguide.html


以上


********毎日新聞**********
https://mainichi.jp/articles/20200214/k00/00m/040/374000c

新型コロナ、何を気をつけるべきか 感染症対策の専門家・岩田健太郎・神戸大教授に聞く

毎日新聞2020年2月14日 21時58分(最終更新 2月14日 21時59分)

 新型コロナウイルスを巡り、世の中が騒然としている。店頭ではマスクが品薄になり、観光地は客足離れが深刻になっている。日本国内の感染者は急速に増える状況には至っていないが、疫学的に分からないことも多く、軽視もできない。新型コロナウイルスは、どの程度の脅威なのか。私たちが気をつけるべきことは何か。感染症対策に詳しい神戸大医学部の岩田健太郎教授に聞いた。【春増翔太】(取材は2月13日)

 ――まず新型コロナウイルスとは。

 元々あるコロナウイルスの新型ですが、従来のコロナウイルスは風邪の要因になる病原体です。新型についても「風邪のようなものだから放っておけばいい」という意見も散見されますが、乱暴な考え方です。肺炎の要因になりやすいという点だけ見ても風邪よりも脅威だと言えます。

 注視すべきは、中国の国外では今のところ死者は数人だが、中国では1000人を超えているという事実です。感染者が増えるとまずいことになるということ。中国以外の国にとって防ぐべきは、2次的な流行が起きて、感染拡大を止められない状況です。

 ――どの程度の感染力や致死率、重症化率なのでしょうか。

 感染力については、WHO(世界保健機関)による2程度という推測がありますが、一概に言えるものではなく、論じる意味がありません。「1人の感染者から何人に移るか」という数字ですが、感染が広がる状況や環境はさまざまです。横浜港に停泊中のクルーズ船の船内と街中では1人の感染者から周囲への広がり方は当然違うし、日本と中国でも違います。マスクをしていたかや医療機関を受診したかという感染者の行動によっても、周囲への感染リスクは異なります。致死率も同様で、分母となる数字が不確かなままでは無意味です。

 中国・武漢であれほど拡大した理由はよく分かりませんが、死者1000人超という数字は軽視できません。1000万人都市である武漢で死者が1日に100人単位で増えていますが、「東京で起きたら」と考えれば異常事態であることは分かりますね。だから、これ以上の感染拡大は阻止しなければいけませんし、軽く考えてはいけません。世界中が「第二の武漢」を生まないよう取り組んでいて、感染が疑われる人を潜伏期間とされる2週間は隔離するという今の日本政府の方針は、一つの方策だとは思います。

 ――私たち一般市民が気をつけることはありますか。

 特にありません。日本国内の状況は、市民が騒ぐほどのフェーズ(段階)ではありません。普段通りに生活し、外出すればよいと思います。マスクの買い占めや、人の集まる観光地に行かないことに意味はありません。そもそも、マスクを着けること自体に意味がありません。隙間(すきま)からウイルスは入りますし、感染者があふれている状況でもないからです。感染者がマスクをして周囲に拡散させない効果はありますが。「新型コロナウイルスにアルコールは効かない」などと誤った情報も出回っていますが、そうしたデマにも惑わされないでほしいです。

 新型コロナウイルスを放置してはいけませんが、そればかりに気を使うのは不毛です。私に言わせれば、新型コロナウイルスより、毎年3000人が亡くなっている子宮頸(けい)がんの方が深刻です。予防ワクチンという対策が医学的に確立されているのに、十分に広がっていない。事故を起こしたくないのにタイヤばかりに気を使ってブレーキが壊れたままになっていては意味がないでしょう。タイヤも大事、そしてブレーキも大事なのです。同じ事です。メディアも含め、以前から周りにあるリスクに関心を持たず、新型コロナウイルスばかりを騒ぐのはどうかと思います。

 ――過剰な警戒心から中国人を排除する言動があります。

 「中国人お断り」といった対応はリスクに対する過大評価で、取るべきでない行為です。こうした差別的な対応は、状況が変われば自らが被ることになります。日本で感染が広がり、欧米で「日本人お断り」という目に遭わなければ分からないのでしょうか。

 過去を見ても、感染症は差別思想を体現する道具として引用されがちです。ハンセン病はかつて「らい病」と呼ばれ、隔離する必要のない患者を、それが分かった後も療養という名の下に施設に閉じ込めました。2019年にエイズウイルスの感染を理由に就職の内定を取り消された北海道の男性が起こした訴訟がありましたが(※)、感染症を引用した差別という問題は同じです。新型コロナウイルスについても、こうした差別に乗っかってはいけません。

※エイズウイルス感染を告げなかったことを理由に、病院の就職内定を取り消され精神的苦痛を受けたとして、30代男性が病院の運営法人に慰謝料の支払いを求めて訴え、札幌地裁が19年9月に法人側に165万円の支払いを命じた。

以上

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