「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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子ども達の遺伝医療、がんゲノム医療とともに重要!遺伝子解析が進んできており、医療者は、誰もが、遺伝リテラシーを高める必要性

2021-05-04 12:44:59 | 小児医療

 遺伝子解析が進んできており、医療者は、誰もが、遺伝リテラシーを高める必要性がでています。

 がんゲノム医療とともに、遺伝医療も進んでいます。

 遺伝子解析が、全遺伝子でできるようになってきており、同時に、その取扱いについての標準化や、法整備も求められています。

 遺伝学的診断をつけ、そのうえで適切な医療体制を、構築していかねばなりません。

 小児科医としては、子ども達の幸福を目指し医療をするわけであり

 それは、「子どもの権利条約」でも謳われています。
 ・生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)

 ・こどもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)

 ・子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)

 ・差別の禁止(差別のないこと)

 などが守られるようにし、医療が提供されています。

 遺伝学的検査の目的は、
 ①すでに発症している患者の確定診断
 ②非発症保因者診断
 ③発症前診断
 ④出生前診断
 ⑤易り患性検査
 ⑥薬理遺伝学的検査 などです。
 
 遺伝情報を小児科診療で役立てる基本事項は、以下、整理されています。
(黒澤健司、熊木達郎、小児内科2020)

 ●遺伝学的検査の基本原理や適応を正しく知ること

 ●遺伝学的検査結果を正しく理解すること

 ●遺伝学的検査結果を適切に患者家族に説明し、得られた結果をより良い医療につなげること

 遺伝子関連検査は、
①病原体遺伝子検査(病原体核酸検査):今回のコロナのPCR検査など
➨ これは、遺伝医療の範疇ではありません。

②ヒト体細胞遺伝子検査
➨ がん細胞などの検査、がんゲノム医療で主に言われるものであり、遺伝医療の範疇ではありません。

③ヒト遺伝学的検査(生殖細胞系列の遺伝子解析)
➨ 一部、生殖細胞のがんの場合、がんゲノム医療も入ってきますが、この解析部分が、遺伝医療の分野となります。

 遺伝情報の特殊性は、
①生涯変化しないこと

②血縁者間で一部共有されていること

③非発症保因者の診断ができる場合があること

④発症する前に将来の発症をほぼ確実に予測することができる場合があること

⑤出生前診断に利用できる場合があること

⑥不適切に扱われた場合には、患者さんおよびその血縁者に社会的不利益がもたらされる可能性があること

 があり、以下、ガイドランも参考にしながら、慎重に取り扱わねばなりません。

 ①日本医学会 『医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン(2011年)』

 ②日本小児科学会 『日本医学会ガイドライン『医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン』に対するQ&Aについて(2020年)』

 ③国立研究法人 日本医療研究開発機構(研究代表者 小杉眞司)『医療現場でのゲノム情報の適切な開示のための体制整備に関する研究』ゲノム医療における情報伝達プロセスに関する提言(2020年)

 など。

 遺伝疾患は、まれな病気の場合特に、病院の先生にフォローされますが、地域のかかりつけ医と連携をとって、フォローすることが、移行期医療の問題を解消し、継続性のある、医療提供ができるものと考えます。

 ぜひ、連携を。


*参考:第124回小児科学会 教育講演12『こどもたちのための遺伝医療』 森貞直哉氏

*参考記事 朝日新聞

 

●NIPT
https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/saniden/nipt.html

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