「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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築地市場再生しか道はない。東京2020世界中からの選手には、築地の食材でおもてなしを!

2016-10-28 16:11:16 | 築地重要

 築地市場移転問題は、東京都知事の裁量権で当不当を論じる段階から、そもそもそのような移転は、卸売市場法、土壌汚染対策法、都市計画法などの法律に合致しているとは言えない違法ではないかという問題へと、盛り土がないことの隠ぺいが明らかにされた2016年9月を境になったと、私は認識しています。

 本日、毎日新聞には、重要な記事が掲載されています。

 市場開設の都市計画決定の根拠としてある盛り土が、なくてよいという風な論調の論者もおられますが、水谷氏の論説は、豊洲移転が破たんしたことを科学的根拠・法的根拠をもとに述べられています。

 たいへん参考になる記事だと考えます。

 

********毎日新聞2016/10/28**************
http://mainichi.jp/articles/20161028/ddm/004/070/021000c 

論点

築地市場 豊洲移転問題



毎日新聞2016年10月28日 東京朝刊

 東京・築地市場(中央区)の豊洲(江東区)移転が小池百合子知事の判断で延期された。専門家の提言に反し、市場棟などの下は汚染対策の盛り土がないことも発覚。地下水から基準値超えの有害物質が検出されるなど、環境問題が再燃している。豊洲に引っ越しを始めていた業者も多い。混迷の度合いを深める移転問題--。当事者、専門家らに話を聞いた。【聞き手・前田剛夫】



汚染対策は破綻した 水谷和子・1級建築士



水谷和子氏
 2008年ごろから一建築士として、汚染された市場用地の購入に公金を支出することの不当性や、ずさんな環境調査などを指摘してきた。移転をめぐる東京都の対応は「移転ありき」という一度決めた方針を守ることに終始してきた。そのほころびが噴き出している。

 小池百合子知事が豊洲市場開場を延期した。理由の一つが来年1月に発表される9回目の地下水モニタリング調査の結果を待ちたいということだった。汚染土壌が除去されたことを確認するための調査で、14年秋から9回の予定で実施している。ガス工場だった土壌の汚染を取り除いた確証がないまま開場してしまうのはおかしい。延期理由はもっともだ。都は都民や築地の業者さんにも汚染はすべて除去すると約束していたのだ。

 豊洲市場はすでに完成しており、都は調査で環境基準値を超えるとは想定していなかったのではないか。ところが今年9月に公表された8回目の調査でヒ素とベンゼンが基準値を超えた。ベンゼン調査も汚染土の除去もずさんだったので、それ自体驚きではない。これまで基準超えのうわさは聞いたことがあるが、ふたを開けてみれば1~7回調査とも基準内に収まっていたことの方が不思議なのだ。

 また、都の独断で市場棟などの地下は盛り土されず空間になっていた。08年に市場用地から環境基準の4万3000倍というベンゼンが検出されている。地下深くにある高濃度に汚れた、こうしたタールだまりをすべて突き止め、除去することはできない。汚染の塊で地下水が汚れる。だから地下水位を管理したうえで4・5メートルの盛り土のバリアーをし、地上に上がってくるガスを希薄にし、コントロールする。それが専門家会議の提言だった。その根底が都の不手際で崩れ、豊洲市場の汚染対策は破綻した。あまりにも専門家会議の提言を甘くみている。

 さらに、地下の床面には地下水がたまっている。汚染地下水が入り込めば気化したガスが大気として地下に充満するので最悪の状態だ。一部砕石層がむき出しで大雨が降れば床面の水位も上がる。さらに地下は半密閉空間で外周の水位が上がれば中に水が入ってくる。まるで地下ダムだ。また、汚染が見つかったら地下にショベルカーを入れるらしいが、小型に限られ、汚染表土を1メートル剥ぐぐらいしかできない。地下空間をつくった言い訳にしか聞こえない。安全よりコスト削減と工期短縮を優先した結果、新市場の信頼はすっかりなくなってしまった。食を扱う商売の場として成り立たない。

 そもそも豊洲は都心からのアクセス道路など物流効率が悪く、お客さんが遠のくという声が築地の業者さんから聞かれる。また、空調費などの維持管理費の負担も大きいため、中小の仲卸さんなどはそのコストに耐えられず、撤退が相次ぐという指摘もある。このままでは、汚染土の管理を義務づけられた土壌汚染対策法の区域指定は解除できない。豊洲に移転をするなら、高濃度汚染地区というレッテルのまま農水省に開場の認可申請をすることになる。認可されたら都に続いて今度は国の責任が問われることになる。

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基準値超える有害物質

 小池知事は移転延期理由の一つに地下水モニタリング調査の未完了を挙げる。1~7回目の調査は環境基準をクリアしたが、9月公表の8回目(201カ所)に基準値の1.1~1.4倍のベンゼンが2カ所、同1.9倍のヒ素が1カ所で検出された。都は「飲用ではないうえ、健康に影響しない」としているが、盛り土のない地下空間の大気からも最大で国指針の7倍の水銀が検出され、今月15日に再開した専門家会議が原因と環境への影響を調べる。

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地下の盛り土こだわるな 長谷川猛・東京都環境公社非常勤理事




長谷川猛氏


 技術会議が始まった2008年8月ごろ、東京都は4・5メートルの盛り土にこだわっていた。それが秋ごろに方針が変わり、年末の第9回会議で都から「地下の作業空間を技術会議の独自提案としたらどうだろう」という意見があった。だが都から資料提示はなく、その案を拒否した。このため翌09年2月の報告書にはその記述はない。

 ところが、先月30日に都がまとめた自己検証報告書には、地下空間は「技術会議が独自に提案した事項」と書かれており驚いた。技術会議に責任を押しつけたのだろう。都中央卸売市場の土木と建築部門の意思疎通は悪かった。推測だが地下空間の設置は何らかの裁定が下り、土木部門が建築部門に押し切られたのだと思う。

 ただ、すでに完成済みの豊洲市場以外に行き場はない。「盛り土信仰」を捨てて開場に向けソフトランディングさせなければならない。土壌汚染対策法には、汚染土の直接摂取を防ぐ措置として、盛り土なら50センチ以上、アスファルトは3センチ以上、コンクリートなら10センチ以上の「ふた」をしなさいという規定がある。したがって、豊洲の盛り土4・5メートルに科学的な根拠があるわけでなく、通常の区画整理事業で定められた高さに合わせたにすぎない。

 豊洲ではかつてあったガス工場の地盤面から不透水層までの汚染土壌を除去し、地下水管理システムを設け、表層を舗装するという二重の安全対策をとっている。なぜ都は当時「地下空間を利用する場合は代替措置をとる」と正直に説明しなかったのか。技術会議でそう説明すれば了解が得られ、専門家会議でOKが出ただろう。

 市場棟などについては盛り土して地上に配管を設置するより、現状の地下配管の方が建築上理にかなっている。しかし問題もある。

 地下水が地下空間の床にたまりっ放しの状態はまずい。なぜ、既存の地下水管理システムを最優先で稼働させ、水位を下げておかなかったのか。管理がずさんだ。

 地下の床は一部砕石層がむきだしで、地下水がたまっている。水位が下がったら、床面を基礎用のコンクリートで固めればいい。環境上新たな問題も生じない。

 また、配管が通る地下空間はメンテナンス要員が入り、労働安全衛生上、換気設備が必要となる。その際、活性炭吸着装置を付設しておけば、地下空間の大気からベンゼンや水銀が検出されても吸着除去されるので万全である。

 2年間の地下水モニタリング調査が環境基準以下なら、きれいな土地として土壌汚染対策法上、管理が必要な区域の指定は解除される。ただ、市場用地の不透水層の下には、自然由来のヒ素と鉛が残っており、区域指定の解除は原則できないだろう。指定解除は工場跡地などなかなか買い手がつきにくい土地の流動化を図るために設けられたもので、安全性とは直接関係がない。

 またモニタリング調査で一部の井戸から基準値を上回るヒ素などが検出されたがその数値はわずかで、健康上の心配はない。汚染土壌の除去対策はうまくいっているので、地下水も水の交換が進めば汚染問題は解消するだろう。


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知事は開場の道筋示せ 伊藤裕康・築地市場協会長

伊藤裕康氏

 小池百合子知事の移転延期表明は、豊洲市場の開業を2カ月後に控えていただけに、ひどい独断だと思った。ところがその後、汚染対策としての盛り土がされていないことが分かり、市場の安全性という根本的な問いかけが再浮上した。盛り土の件で築地市場は東京都にだまされ続けてきたのだ。

 市場棟などの地下を盛り土なしの地下空間としたことで安心・安全が保てるのか。追加工事が必要なら、どの程度の期間がかかるのか。今月15日に有識者による専門家会議が再開したが、その冷静な検証を待つしかない。また、豊洲市場は安心なのかという懸念や風評が消費者に広がり始めている。そして、改めて露呈したのは都の無責任な体質だ。管理部門と実務部門が乖離(かいり)し、市場長や担当副知事が実務にあたる職員をグリップ(掌握)できていなかった。地下空間をめぐる自己検証報告書も不十分だ。知事にごもっともです、やりますと言いながら、だれが地下空間を決めたか分からない。都議会、委員会でも一貫して責任追及されないような答弁をし、知事に対する面従腹背と思われてもしょうがない。

 卸売・仲卸業などを問わず豊洲移転に向け、準備は大詰めだった。マグロなど生鮮品を貯蔵する大型冷蔵庫は120億円かけて2基整備され、建物ごと冷やすのに1カ月半ぐらいかかるため8月にスイッチを入れいまも冷却中だ。市場協会はコンピューターや通信機器などを結ぶ無線LANシステムを27億円で構築した。競り場を10・5度まで冷やすための空調設備は初期投資が22億円、海水ろ過装置も20億円かかり、すでに海水を流し始め、止められない。約500軒の仲卸は、営業権から機材やパソコンなどのリース・購入費として各自数千万円から億の台のコストをかけ、厨房(ちゅうぼう)機器の備え付けを終えた食堂も多い。延期に伴う業者への補償は一般会計から、独立予算の市場会計への繰り入れを含めて、都は真摯(しんし)に対応しなければならない。

 築地市場の移転は選挙のたび争点となり、政治に翻弄(ほんろう)されてきた。昭和30年代から大井ふ頭(東京都品川区)の埋め立て地への移転計画があったが、反対運動で実現せず、鈴木俊一知事の時代は巨費を投じて築地の再整備が進められた。船で建設資材を運び込むための構台を設営し、場内のビルを移動させたり、駐車場をつくったりするなど整備したが、商売をしながらの工事は頓挫した。そこで出てきたのが豊洲移転だが、民主党(現民進党)政権の誕生で移転計画が後退するなど一進一退を繰り返してきた。築地は貨車や船による運搬を考慮して設計されたが、物流の中心がトラックに代わり使い勝手が悪くなってしまった。建物や設備の老朽化も著しい。豊洲移転を見込み、設備の修理や新調をせずに既存のものをだましだまし使って、それも限界にきている。

 小池知事には専門家会議の検討を踏まえ、安全が確認されたら先頭に立って豊洲は安全だと宣言し、開場の道筋を示してほしい。店を広げても、みなさんに安心して魚や野菜などを買ってもらわなければ市場は成立しないのだ。




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 ■人物略歴

はせがわ・たけし

 1944年生まれ。東京都環境アセス担当部長、環境局総務部長、都環境科学研所長など歴任。専門は水・廃棄物処理。浄化工法などを議論した技術会議元委員。

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 ■人物略歴

いとう・ひろやす

 1934年生まれ。水産卸大手「中央魚類」代表取締役会長。築地市場卸売・仲卸業者らの代表の一人として豊洲移転を推進。2006年から全国水産卸協会長。

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 ■人物略歴

みずのや・かずこ

 1952年宮城県生まれ。見学会をきっかけに市場移転に疑問を持ち都の調査データの不明瞭さなどを追及。土地購入の不当性を訴える訴訟の原告団の一人。

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