「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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基本計画2023の論点9:教育:「食は、あらゆる学びの基本。」国の責任で小中学校の学校給食費の完全無償化を。それまでは、中央区が自力で無償化を。

2022-12-07 16:43:47 | 財務分析(予算・決算)

 葛飾区が、小中学校の学校給食費の完全無償化をするということが話題になりました。(過去のブログ記載:https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/6f9961b6d2cf93d777f0a1c6a6b0d6f6 )
 
 本来は、国の責任で小中学校の学校給食費の完全無償化を行っていただきたいところです。

 それまでは、中央区が自力で無償化を是非とも実施いただきたいと考えます。

 学校給食は、単なる昼食ではありません。
 「食は、あらゆる学びの基本。」重要な教育の一環です。

 区民の皆さまからも、学校給食の無償化を求める請願が出されたため、その紹介議員のひとりとなり、本日12/7に、区民文教委員会で初審議を行いました。

 その請願は、以下で構成。

 ●第1項、公立小・中学校の給食費を全額無償にしてください。

 ●第2項、当面、多子世帯への補助をただちに実行してください。

 ●第3項、国に対して、「学校給食は教育の一環」として、無償で提供するように法改正を含め働きかけてください。

 

 請願審議の際に述べた趣旨説明を、共有します。

********趣旨説明 要旨***********

 子どもを守る会の小坂和輝です。中央区基本構想、施策1のひとつとして「子どもが健やかに育つ地域づくり」と掲げるところでありますが、中央区全体で子ども達の健やかな育ちを支える観点から、学校給食費の無償化を求める本請願の趣旨説明を、紹介議員のひとりとしていたします。

 まず、学校給食費を無償化すべき旨を主張される二人の識者の見解をご紹介させていただきます。

 学校給食についての研究において第一人者の一人京都大学藤原辰史(ふじはらたつし)准教授は、その著書『給食の歴史』において、戦後の学校給食が開始されたときから現在までの歴史をひもとき、「給食は、福祉政策、教育政策、農業政策、災害対策のはざまにあるきわめて多元的な効果をもたらす場」であると述べ、給食が、子ども達の「生命の維持装置」でありうる一方で、一歩間違えば、食中毒などの問題を引き起こし反対の意味合いにもなり得ると警鐘を鳴らされています(同書251頁~257頁)。関連ページを以下に抜粋)そして、「究極的には、給食とは、子ども達の生存をおいしい食事で確保することである。生存だけでは、最低限の動物としての条件にすぎない。動物ではなく人間として食べる以上、そこに加わる効果、とくにおいしさや楽しさも享受することはなんらぜいたくではない。児童生徒が未来を作る主体であるならば、そこに真っ先に豊潤な予算が割かれてもおかしくない。」と同書で述べられ、昨今の先進自治体での学校給食費無償化の動きについての各紙インタビューでも「家庭の経済状況と結びつけるのではなく、制限なく国として無償化をするべきだ」とご主張されています。

 もう一人、学校に関する保護者の負担について研究する千葉工業大学の福嶋尚子准教授は、「給食は子どもの成長や発達に不可欠」であり、「子どもが給食を食べるというのは、基本的人権にひもづく権利と考えられ、生存権や成長発達権に付随する食の権利と深く関係している。」「権利保障として、どんな子でも同じように国が保障すべき」と主張されています。
 これら識者の見解からも、学校給食は、子ども達の健やかな育ちにつながる重要性より、国の責任のもと無償化をすべきであり、「国に対する無償化に向けた法改正への働きかけ」に関する本請願第三項の採択をお願いする次第です。

 また、コロナ禍、そしてウクライナ情勢も加わり、歴史的な円安と物価高の状況下、区民の生活の負担は重く、特に子育て世帯においては、NPOによる生活困窮世帯の調査で、ほぼすべての世帯で家計が悪化し家計維持のため8割以上が食費を減らしているという状況が報告されています。子ども達の食と健康を守る緊急課題である観点から、国の無償化を待つことなく、今こそ、区の負担で無償化を実施すべきであり、「公立小中学校の給食費の無償化」に関する本請願第一項の採択をお願いいたします。

 財源につきましては、無償化のための出費として、国の無償化が実施されるまで、毎年5億円程度が必要になりますが、①無償化に伴い不要となる学校給食費滞納分の徴収事務費、②新型コロナウイルス対応臨時交付金、③再開発により得られる直近約8000戸の開発協力金80億円からの一部充当、④事務事業の見直しなどから十分にまかなえると考えます。
 将来的には、⑤給食残飯のたい肥化事業により有機農法を行う農家と連携し良質な有機野菜を市場価格よりも低廉に調達するルートを開発するなど循環型での資金調達も検討することで、財源の持続可能性を見出していけるものと考えます。

 2022年12月現在、公立小中学校の完全無償化を実施している自治体は256に及び、文科省の2017年調査時点の76から3倍強に広がりを見せています。
 国は、「こども家庭庁」を来年4月に発足をし、子どもにかける予算の倍増も視野に入れており、学校給食の無償化の動きを本区も今こそ国に示す時期であり、本請願の採択をどうかよろしくお願い申し上げます。

以上


****藤原辰史氏 『給食の歴史』引用箇所抜粋******






 




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