「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

中央区社会福祉協議会 さわやかワーク中央 視察

2008-02-29 18:02:09 | 医療
2/29、中央区社会福祉協議会 
「さわやかワーク中央」及び「障害者就労支援センター」を
視察させていただいた。

社会福祉協議会の障害者就労促進部には、
二つ部門があり、その両者の視察である。

【さわやかワーク中央】
①事業概要は、「自立をめざす障がいのある方が、軽作業や自主製品の製作など、それぞれの能力に応じた実習を行い、技術や社会性を習得するよう支援する」こと。
平成4年11月から事業が開始され、
平成19年10月から、
障害者自立支援法に基づく
就労継続支援B型事業所として
機能している。

②利用定員は、一日あたり20名を上限としている。
職員は5名。
あと、地域のボランティア(12-3名登録され、一日3-4名)が、
協力員としてお手伝いに参加くださっている。
実際の利用者は、
知的障がい2度1名、3度7名、4度6名、身体障がい1級1名の
計15名が登録されている。
この施設の利用待ちということは、ない。

③事業内容は、
*公園清掃
*リサイクル用撤去自転車清掃、
*区内設置総合案内板・住居表示板清掃
*郵便物の封入
*贈答用タオル折り
*ビーズ製品や手芸品の自主制作品の製作と出店
*点字翻訳・点字名刺作成
*就労向けた実習(区役所や企業や社協で)
など。

④工賃は、
軽作業や自主製作品の販売実績に基づき、毎月工賃お支払いする。

⑤利用料は、
一日あたり概ね460円。(世帯の所得に応じた減額や、一ヶ月の負担上限額の設定などの軽減策あり。)
この利用料は、障害者自立支援法に則った施設と位置づけにともない、
発生することになったが、利用料が工賃を上回ることはなく運営できている。

⑥利用者が企業などへの、就労状況は、
平成13年年度 4名
平成14年度  2名
平成15年度 2名
平成16年度 2名
平成17年度 7名
平成18年度 5名
平成19年度(1月末現在) 4名
合計 26名。

【障害者就労支援センター】
①事業内容は、
「障がいのある方(身体・知的・精神)の一般企業等への就労の機会を拡げると共に、障がいのある方が安心して働き続けられるよう、就労や生活に関する各種相談や支援を行っています。就職後のフォローアップも、職場訪問など様々な機会を通じて行います。」

②利用料
無料

③利用できる方
区内在住の障がいのある方及びその家族、障がい者雇用にかかわりのある事業者・企業等

④利用状況
平成19年度(20年1月現在)就職者 13人 (前年度7人)
障がい種別 身体5人、知的4人、精神4人、その他1人(発達障害)、
(身体と知的の重複1人)

⑤スタッフ
4名(一名は企業からのボランティア)

以上、概要。



両者視察と部長・課長からの丁寧なご説明を受け、
障がいのある方の就労にまつわる分野には、
多々課題が多いことを、あらためて認識させていただいた。
私が考える課題を、重要性の大小を問わず、列挙する。

*自立支援法開始による、利用料の発生の問題とそれを軽減するための中央区独自の軽減策を施行していること

*就労の難しさ(とくに知的や精神の障がいのある方)

*就労はできても、その後の定着の難しさ

*「ジョブ・コーチ」の役割の重要性
上記にあるように、就労ができたとしても、その後定着していけるようにしなくてはならない。その支援役として、ジョブ・コーチがいるが、現在就労支援センターのスタッフは4名。4名が出払う場合もある。

*景気の状態では、大企業は、障がい者雇用を達成できているが、中小企業では達成ができていない。達成できる体力がないのである。雇用促進のための国の支援を整える必要がある。

*障がいのある方が就労するには、通勤のリスクや、顔の見える関係の中で働けることを考えると地元で就労できることが望ましい。しかし、地元中小企業の体力がない状況の下、なかなか難しい。

*作業工賃をあげるための商品開発
 自主制作作品で、商品開発されているという。手作りクリスマスツリーを見せていただいたが、私も是非ほしいと思った作品であった。さまざまなアイデアで、商品開発をしていくと収益に繋がると思う。
 
*区からの受託作業
 この度行われる平和コンサートのしおりを受託して、製作していた。しおりをより感じよくするためのアクセントをつける作業であったが、区も積極的に作業受託の働きかけをしていることが見て取れた。

*施設利用者枠で他区との連携

*施設は、地の利が抜群。しかし利用者にとっては不便か?
両施設は、中央区東日本橋2丁目27-12にあり、一階は両国郵便局の4階と5階。
中央区の北の端であり、川を渡ればすぐに台東区。
この位置が、実は地の利が抜群!問屋街なのである。
問屋街から安く材料を入手できる。また問屋街から受託の作業が来る。
そして輸送費がかからず、手押し台車で納入ができる。
ただし、中央区内各所から通うのはやはり不便でもあると思われる。
是非、今後検討していくコミュニティ・バスの路線で、はずせないエリアだと考える。

*障害者就労支援センターへの社会貢献活動としてスタッフの派遣
社会貢献活動として、一般企業からスタッフとして一人ボランティアの方が参加されていた。このような形のボランティアは、非常にありがたいし、必要にされていると考える。

*企業からの受託作業
とくに点字名刺は、多くの企業から受託されている。この点字名刺作成は、障がいの重度に関わらず作業工程に係ることができる。よって、今後も収益源として伸びて行っていただきたい作業である。

などなど、

施設を見学させていただきましたが、
障がいのある方の就労を支援して行こうという
スタッフ及び協力員の“思い”がひしひしと伝わってきました。
これからも、就労支援の取組みを充実させて行けるよう、
私も精一杯努力して行きたいと考えます。

部長様、課長様、お忙しい中、非常に丁寧に施設の
ご案内ご説明をしてくださいましたことに感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
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