「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

【2010参院選を終えて】 石井貫太郎教授 寄稿文

2010-07-15 18:06:28 | シチズンシップ教育
 師事させていただいております石井貫太郎先生(政治学・目白大学教授)より、この度の選挙に関しての論説をご寄稿いただきましたので、掲載いたします。

 石井先生がおっしゃいますように、主権者である私たちは、選挙が終わったから、あとは、政治家にお任せの態度ではなく、「政治家を国民のために働かせる」べく、「常に政治家を厳しく戒め続ける」姿勢であらねばならないと思います。
 

*****以下、寄稿文*****

【2010参院選を終えて】

 「現象にとらわれてものごとの本質を見失ってはならない」とは、われわれ社会人がまずは何事においても肝に銘じておかなければならない格言の一つと言えるでしょう。

 さて、巷では今、先日の参院選の結果を受け、誰が受かった落ちた、誰が責任を取るの取らないのと、世評を賑わす風聞が錯綜しています。もちろん、それらを話題として楽しむこともまたわれわれ有職者に与えられた特権であり、われわれ自身が政治的動物としての自覚を新たにするという意味からも、大いに結構なことでしょう。

 しかし、むしろ私にとっては、民主党が負けようが、自民党が復調しようが、みんなの党が躍進しようが、社民党や共産党が時代の役割を終えようが、衆議院と参議院がねじれようがねじれまいが、そんなことは実はどうでも良いことに思えるのです。

 なぜなら、問題は政治家を国民のために働かせる体制が出来るかどうかであって、最も大切なことは、おかしなことをすればすぐに選挙で審判を下すぞと、常に政治家を厳しく戒め続ける体制を整備することであるからです。そこに、われわれ国民の主権者としての責務と存在意義があると言えます。

 選挙における投票とは、ふさわしい人物を政治家に当選させるだけでなく、ふさわしくない人物をも当選させてしまう可能性を有する両刃の剣です。われわれの先輩たちが永年にわたる命懸けの努力で勝ち取ってきた、この天賦自然の神聖にして侵すべからざる政治的権利こそ、主権者たる国民が持つ唯一にして最大の権力であるという事実を、そろそろわれわれ一人一人が強く自覚するべき時期が来たようです。

 消費税、景気、福祉、医療、外交、安全保障などの他にも、利権、汚職、議員定数、政官癒着、世襲議員増大、公費タレ流し、比例区無用論など、まだまだ政治家を甘やかし続けている未解決の問題は山積されています。

 今次参院選の結果は、果たして当選した政治家たちをして、これら自身の問題にきちんと取り組ませ、彼らを国民のために一層働かせるような体制をもたらす風潮を招いてくれるでしょうか?

 政治の主権者はあくまでもわれわれ国民であって、政治家ではありません。

石井貫太郎
(政治学・目白大学教授)

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裁判員裁判の一審判決、東京高裁が「事実認定に不備」として破棄

2010-07-15 11:04:10 | シチズンシップ教育

 私は、この事例の分析は、法律関係の専門家に任せたいと思いますが、「裁判員制度」における“初めて”の事例であることゆえ、こちらでも掲載します。

 今回の“初めて”⇒事実認定の不備を理由に、高裁が裁判員裁判の一審判決を破棄するのは初めて。

*****日経新聞2010/7/14 20:22****
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3E6E2E09B8DE3E6E2E5E0E2E3E29191E3E2E2E2;at=DGXZZO0195583008122009000000

裁判員裁判の一審判決、東京高裁が「事実認定に不備」として破棄

 社員寮の管理人男性を包丁で刺殺したとして、殺人の罪に問われた無職、伊作輝夫被告(70)の控訴審判決で、東京高裁(小倉正三裁判長)は14日、一審・横浜地裁の裁判員裁判の判決を「事実認定に不備があり違法」として破棄し、改めて一審と同じ懲役4年6月を言い渡した。

 事実認定の不備を理由に、高裁が裁判員裁判の一審判決を破棄するのは初めて。

 一審は「被告は、包丁を手に取った被害者から危害を加えられると思い違いをしており『誤想過剰防衛』が成立する」と認定したが、小倉裁判長は「包丁は被害者より被告に近い位置にあったうえ、被害者は温厚な性格だった」と判断。被害者が包丁を手に取ったのではなく、被告自身が包丁を手にして攻撃したと認定し、刑の軽減理由となる誤想過剰防衛は成立しないとした。

 そのうえで、検察側が控訴しなかったため、刑事訴訟法の規定で一審より重い刑を言い渡せないとして、一審と同じ懲役4年6月とした。

 判決によると、伊作被告は2009年2月、横浜市内の建設会社の社員寮で、口論になった管理人男性(当時64)を包丁で刺殺した。

以上、

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7月14日(水)のつぶやき

2010-07-15 01:59:02 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
09:45 from web
関東大震災から帝都再生のシンボル・復興小学校。現存十九校のうち十校が中央区に集中、明石小など七校が現在も使用。耐震性は大丈夫であるにもかかわらず取り壊される計画。日本建築学会は、国重要文化財に相当と高く評価。保存再生を求める署名も多数。中央区はこれら声を真摯に受け止めるべき。
13:05 from web
国土交通省で景観法H16制定に深く関わられた方が7.1付けで区の都市整備部部長に就任。同法には、住民の合意形成に基づく街づくり、街づくり主体は自治体とする地方分権実現が謳われる。本日環境建設委で抱負を語っていただきましたが、景観法の精神を区の街づくりに生かしていただきたいと期待。
17:39 from web
二月に一度の聖路加病院小児科カンファ。昨日テーマは、アトピー性皮膚炎。新しく改定された治療のガイドライン2009を詳説。*アレルギーを抑える薬が、眠気と活動能力ダウンを来たすため慎重な投与とすること*重症度判定に血液検査TARC*シクロスポリン使用法*痒湿結節の治療法等が変更点。
18:06 from web
アトピー性皮膚炎は、長期に痒い湿疹が肘膝裏等で左右対称に。親兄弟にも。血液IgE高値も多い。日常生活に支障がないを目標に治療。症状は良くなったり悪くなったり。皮脂を落としすぎない程度の入浴と入浴後の保湿剤塗布重要。軽症保湿のみ、重症ステロイド外用。乳児期は食物アレルギーと関連有。
18:23 from web
アトピー性皮膚炎の治療は、小児科医?皮膚科医?小児科医は、小児の成長・発達を熟知し適切な生活指導を親御さんに行い、必要時除去食対応可能。皮膚科医は、皮膚症状診察と軟膏使用に熟知、皮膚合併症を適切に診断治療。乳幼児は、皮膚科専門医と連携が取れるかかりつけの小児科受診でよいのでは。
18:31 from web
これから、ケアマネージャーの勉強会に寄せてもらいます。介護の現場は、はっきりいって悲惨です。いつも驚かされることが多々あります。なんでも当てはまりますが、特に、24時間安全・安心の高齢者福祉でならねばなりません。
21:55 from web
ケアマネージャーの勉強会に本日参加。現場の苦労の声。*認知症の重症度を医師が現実より軽く診断することがあり苦労。*主治医に意見を聞くためにケアマネが手弁当で患者の診察に同伴。*住宅改修の理由書を書いても無報酬。*がん末期の本人や家族への告知が無くケアプラン作成・説明に苦労。
by kosakakazuki on Twitter
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明石小学校など復興小学校取り壊し問題 本年3月予算特別委員会にて(1)

2010-07-15 00:00:05 | 教育
 明石小学校など復興小学校取り壊し問題に関して、本年3月予算特別委員会にて質疑を行いました。
 前のグログで、三校選定の経緯が誤っていると私が述べた根拠は、この質疑において述べております。

****区議会ホームページより*****

○委員長
 次の質問者の発言を願います。

○小坂委員
 では、少々長時間になりますが、よろしくお願い申し上げます。

 まず最初が教育委員会のあり方に関して、2番目が復興小学校に関して、3番目が図書館と地域資料室に関して、4番目が読書環境の整備に関して、5番目が健康教育に関して、6番目が障害のある子の教育環境の整備に関して、7番目が芝生化に関して、8番目がワーク・ライフ・バランスに関して、9番目が幼保一元化に関して、10番目がまちづくりと学校づくりに関して、最後のほうは駆け足になると思いますので、どれだけいけるかわかりませんが、よろしくお願いします。

 では、まず大変基本的なところから入らせていただきます。まず、教育委員会のあり方といっても、そんなに大上段に構えた話ではなく、私は少々疑問に思っているところがございまして教えてください。それはすなわち本会議におきまして、教育分野の答弁に関しては教育長からなされる。そういうところから、教育長答弁と区長答弁、このあたりの関係性はどのように整理して教育長答弁に教育分野はなっているのか。どのような分ける理由があるのか、本会議での答弁を分けているという、そのあたりの考え方を教えていただければと思います。

○齋藤教育委員会次長
 教育行政につきましては、委員御案内のとおり、政治的中立性の確保というのが何よりも求められている組織でございまして、基本的に教育委員会が所管する教育事務については、教育委員会というのは一定の独立性を持って、区長は教育委員会の任命あるいは予算の調整権、そういった間接的に責任を負う仕組みが教育委員会制度でございます。

 そういったことで、答弁等につきましても、教育委員会の所管に関する事項につきましては、教育長が責任を持って御答弁させていただいているというようなことでございます。

 以上でございます。

○小坂委員
 教育における独立性ということでありますが、区長自体も政治的には独立しているものであり、そういう話題であれば区長も答弁できるというふうに理解してよろしいのでしょうか。

○齋藤教育委員会次長
 基本的に区全体の総合調整権というのは区長にございますので、そういったことにかかわる部分については、教育分野であっても区長答弁が可能であるというふうに認識してございます。

○小坂委員
 ありがとうございます。

 では、次に移らせていただきます。復興小学校に関して入らせていただきます。

 これは大きな問題が多々ある話でございますけれども、何でこれだけしつこくやるのかというところに関しては、私の方針、私自身の立場といたしましては、1つには、やはりよりよい教育環境を子供たちにつくっていきたいという思いがあります。2つ目は、科学的な考察や歴史的な考察の上に、財政面も含めて総合的な視点に立って学校づくりもしていかなければならないというスタンスであります。3つ目は、合意形成をきちんとしながら進めていくべきである、この3つの方針に従って、私もその立ち位置に立って議論をさせていただいているということを明らかにさせてください。

 そこで、私はこの復興小学校問題で何を言いたいのかというところだけ先に述べさせていただきますけれども、この復興小学校、これは、前委員の討論にもありましたように、高い建築思想を持って建てられた復興小学校です。高い建築思想というのは、実用性においてや、安全性において、衛生面に関して、また表現主義的なその外観に関して、それらのことをすべて網羅した高い建築思想を持った復興小学校を取り壊すことになっていくわけなんですけれども、その中で、その価値を今も見出す人が多数いる以上、十分な合意形成を得て進めていかねばならない。もし合意形成を得ていないのであれば、これは進めるべきではないというのが私が述べたいところの要点でございます。

 では、質問に入っていきますが、まず、この合意形成を得ていないというところからの話ですけれども、復興小学校改築に関連して、今、提出されている要望書や署名の、その文書名、提出者、署名数を明らかにしてください。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 要望についてでございます。

 こちらにつきましては、まず、明石小学校の校舎及び明石幼稚園園舎の建てかえを校内改修へ変更を求める要望書というのがございます。こちらにつきましては、昨年11月27日に提出をいただいております。その後、ことしになりまして、1月14日、明石小学校校舎建てかえ再考に関する要望書というのをいただいてございます。その後、2月15日でございますが、こちらにつきましては、明石小学校校舎及び明石幼稚園園舎の建てかえを校内改修へ変更を求める請願というのをいただいてございます。これが明石小学校の要望でございます。

 中央小学校の要望といたしましては、2月15日付で中央区立中央小学校及び中央区立幼稚園改築計画に反対する署名というのをいただいてございます。また、共通の要望書といたしまして、本年2月3日に東京都中央区に現存する復興小学校7校校舎保存要望書というのをいただいてございます。こちらについては、日本建築学会のほうからいただいているものでございます。

 以上です。

○小坂委員
 改築を求める側の要望書や署名、それらも届いているのでしょうか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 改築を求める要望書というものでございますが、これについては具体的な要望書という形では提出はございません。

 以上です。

○小坂委員
 わかりました。大変たくさんの数の要望書なり請願なり、改築をやめて保存を求める側で出ているということを確認させていただきました。すなわち、この中央区立明石小学校の保存を望む会からは298名の署名、また、明石小学校改築を考える会からは1,742名の署名、また、日本建築学会関東支部からは保存を求める要望書が出ているし、また、もし改築から保存の方向に持っていくのであれば、そのところの相談に乗ってもいいよというふうなところまで書かれた要望書であったと認識しております。それらたくさんの改築に対して疑問を持ち、保存を求める要望書なり署名が出ているという状況を確認させていただきました。

 次に進ませていただきますけれども、そのようなたくさんの保存を求める声がある中でありますけれども、復興小学校自体の価値を教育委員会のほうはどのように認識されているのか。これは前委員への御答弁もありましたけれども、一応念のために確認させていただきたいと思います。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 復興小学校でございます。こちらにつきましては、過去117校がつくられたと聞いてございます。このうち、現在学校として運営している学校は10校、そのうちの7校が中央区に存在するということでお聞きをしてございます。

 こちらの小学校につきましては、先ほど委員のほうからもございましたように歴史的な価値、文化的な価値というものが高まってございます。また、そのときの設計思想、設計のあり方といたしまして、衛生面あるいは教育面でのかなり高度な配慮をされている小学校であるということで認識をしてございます。また、本区におきましても、この7校というのが、地域の中で親しまれてきた、また地域のシンボルとしてこれまで愛されてきた学校であるということで認識をしてございます。

 以上です。

○小坂委員
 確かにこの復興小学校は、おっしゃるように共通の認識を持っているわけなんですけれども、非常に高い建築思想を持ってつくられたものである。その中で、今、復興小学校、すなわち明石小でも明正小でも中央小でも、そこに通っている子供たちはその恩恵を受けながら、今でも授業を受けていらっしゃるという状況にあります。

 どんな建築思想かというところの、具体的には東工大の藤岡洋保先生、建築学門下の先生が詳しく述べていらっしゃるところでありますけれども、例えば、端のほうに座っていても黒板が光らないような窓のつくり方をしているとか、冬至においても光が教室の隅々まで届くように窓の高さを高くしたりとか、一番前に座っている人でも照明による黒板の反射が来ないようにというふうなことを考えたり、また、床面積に占める窓の面積の広さを5分の1と大変広く窓面積をとるように努力したり、また天井高を3.55メートルという高い天井高にしたり、これは階高で言うと3.8メートルということだそうですけれども、そのようにしたり、また、図書館と音楽教室のところを反対側に持ってきたり、生徒全員が3分以内に避難できるような構造にしたり、また、小公園、中央区は敷地が狭いので、小さな公園をつけることによって、1学級当たりの坪数を65坪にしたり、また、蒸気暖房を入れたり、トイレを水洗にしたり、シャワー室を置いたり、また、日光浴をする場所もつくったりということで、例えばで述べさせていただきましたが、これは皆さんも共通の部分かと思いますけれども、児童の健康や安全を第一に考えた建築思想が入っている建物であり、いわば公共建築のあるべき姿を逆に復興小学校に見ることができるというふうに専門家の先生はおっしゃっています。これこそが公共事業のあり方だと。そのような形で復興小学校は建てられました。

 それプラス表現主義的なデザインをしたということだそうです。表現主義というのは、受け売りですけれども、人間の内面にあるものを形にしたというふうなことであり、アーチを帯びた窓枠をつくったりとか、どこか水平の模様を入れたりとか、ひさしを微妙なカーブで張り出したりとか、曲面や放物線のアーチをふんだんに取り入れた造りをしてきたというふうなことであります。当時の旧東京市が東京というまちを復興させようとして努力して、一番に力を入れたのがこの教育であった。その教育の中でつくられたのが117校の復興小学校であったということだそうです。

 ですから、復旧というのではなくてこれは復興だというふうなことでの復興という言葉からも来ておりますが、復興小学校であるというところであります。

 このことを共通認識としながら、我々は考えていく必要があろうかと思いますし、このような価値を実際に見出している人が多数、前段で申し上げたように署名が出るように多数いらっしゃるという状況です。この価値があっても、でも、いいやと言うのであれば私もここまで言わないんですけれども、その価値を実際に見出している人がいるというところが大事なんです。この価値があったとしても、子供たちのためにそういうことを思っている人がいなければ、私もここまで言いませんけれども、それを大切にしてくださいと価値を見出す人たちが、署名の数がそれだけあるし、それ以上にまだまだたくさんの保存を求める声がある中で、やっぱり保存のことを考えていく必要があるのではないかなと考えております。

 そこで、1つの改築の理由は老朽化ということでございますけれども、その老朽化という観点からして、どのような老朽化が今ございますでしょうか。機能的老朽化という話も出てきますけれども、機能的老朽化は後に質問するとして、まずは、機能的老朽化以外の老朽化に関してお答えください。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 老朽化でございます。機能的な老朽化も含めて老朽化ということで考えているところでございますが、そのほかの老朽化ということでございますので、まず見た目にも感じる老朽化としましては、コンクリートの劣化というのがございます。こちらにつきましては、例えば明石小学校であれば雨漏りというような形で随所に出てございます。当然これにつきましては対応してございますが、その雨漏りというのがまた別のところに出てくるというような状況がございます。

 また、中央小学校につきましても、ちょっと前にあったんですが、やはり校庭に面したひさし、こちらのほうが一部崩れて下に落ちていたというような状況がございます。これについても事前にこちらのほうでその状況を把握しましたので、修理は行っています。また、今、明石小学校は一部、プールの解体がございますが、そういう状況で、講堂のほうを使ってございます。こちらのほうを先日点検したときに、やはり講堂の中にも窓枠のそばが一部崩れていたりとか、そういう状況がございまして、コンクリートの劣化というのは、これは歴然とした現象として出ております。こちらにつきましては、明石小、中央小に限らず、やはり他の学校でもございますので、随時対応はしてございます。

 以上であります。

○小坂委員
 ありがとうございます。今の老朽化のお話を聞けば、これだったら、もし建築学の専門家なり、設計の専門家が聞いていれば、これはその部分を全面改修すれば直せるではないかというふうな考え方に持っていけるのではないかと私は考えます。

 実際に今、老朽化といいながら、文科省からもお金を取ってくるわけですね。それで、利用する交付金制度が安全・安心な学校づくり交付金事業ということで取ってくるわけなんですけれども、何でこの事業を国はつくったかというと、危険建物の改築において利用するということですね。その趣旨、事業概要を取り寄せていますけれども、その趣旨は構造上危険な状態にある義務教育諸学校の建物について、その改築に要する経費の一部を国庫補助し、教育条件の改善を図るということで補助金、交付金を使うわけですね。

 ただ、これは構造上危険な状態にある建物という点では危険建物ではないと思うんです。これを危険建物というふうに解釈して交付金を取ってくるのはいかがなものかと。それは国のほうも、復興小学校で堅牢にできていて、かつ平成9年に耐震補強も実際にしていて、耐震診断もきちんとしているわけであり、そうなってきた場合に、これを危険建物と言ってこの交付金を取っていいのかという、そのあたりの考え方はあろうかと思いますが、ただ、これをカテゴリーで計算すれば、これは最初の予算の歳入あたりで質問したように、ポイントとしては5,000点未満とか4,500点未満とかになってしまって、交付金対象になってしまうというおかしな形にはなっておりますけれども、果たしてこの復興小学校を危険建物と言い切っていいのかというあたりの考え方は残っているのではないかと思っております。このあたりは我々が判断するだけではなく、東京都の教育委員会なり文科省がきちんと判断して、復興小学校の価値を見ながら交付金を出していくべきであると考えます。これに関して御答弁があればお願いします。

 次に、機能的な老朽化に話を移していきます。

 では、機能的な老朽化というところでお話をお伺いさせていただきたいんですけれども、実際に教室の広さ、これを明石小なり中央小なりが、もともとどれだけを72平米になさるおつもりでしょうか。それなりに講堂は広くなります。ただ、運動場に関しては、明石小は1,900平米を約2,100平米にやや広くするという段階ですね。中央小は765平米を2,100平米に広くするということは、広くするという意図はわかりますけれども、鉄砲洲公園を入れて考えれば、もともとの中央小学校もそれなりに運動場の広さはあったということですね。クラス数に関しては、もともとの段階でも各学年2クラス取れるところが、改築しても2クラスという考えでいいのかどうか、これを1つと、あと先ほど言いました天井高、これが現在、階高3.55メートルなんです。広い空間で子供たちは勉強できているんです。これをどれぐらいの高さに機能的に改築していく御予定なんでしょうか。すなわち教室の広さとクラス数と、あと天井高、このあたりを機能的にいかによくしていくのか、御説明ください。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 まず機能的な改善ということで、教室の広さでございますが、教室の広さにつきましては、今、約59平米ぐらいでございます。これが今回72平米ということで考えてございます。こちらにつきましては、今現在が他の小学校、昭和40年以降にできた小学校に比べましても、こちらの復興小学校については狭い状況でございまして、やはりお子さんたちの体格が大きくなってきたこと、また、それと教材あるいは教科書というのも大型化してございますので、それに合わせた形で机もJIS規格等で大きくなってございます。こういう今の規格に合った机を配置して、これからの学校教育をやっていこうといったときに、やはり教室も今よりも広くしていくことが必要であると考えてございます。

 また、先ほどの校庭でございます。明石小学校は1,900平米から2,100平米でございますので若干広くなる。また、中央小学校につきましては、これまでも本区の小学校の中で一番狭いという状況で、やはり体育の授業や、あるいは運動会、あるいは体力測定、50メートル走、こちらも他の学校で測定をしていたというような状況がございますので、やはり一番の課題でございます。こうしたことで中央小学校については、やはり校庭を広くする、この課題を一番と考えて今回の改築を進めているところでございます。

 また、クラス数でございますが、先ほど御案内のように、今、6クラスでございます。単学級でございますが、将来的な対応、これを考えますと、やはり2学級規模で今後の学校はつくっていくということが必要であると考えてございます。今現在、2学級取れるではないかというようなお話もございましたが、昔に比べますと、今の学校には復興小学校当時にはなかったようなさまざまな機能の部屋がございます。例えばコンピューター室もそうでございますし、今、明石小学校にはプレディという放課後の居場所の場所もございます。また、これからの教育、また現在の教育の中でも少人数指導というのがあります。そういう対応をしていくような部屋、また、当初はなかったものとしては、例えば防災拠点でございますので、防災倉庫というのも、今は余裕のあったこれまでの教室を使って配置をしているところでございます。こういう機能面、大きさ、数等の機能の更新が図れるということで考えてございます。

 また、天井高でございますが、今、3.55メートルということで御案内がございましたが、基本的に3メートルは確保していきたいということで考えているところでございます。

 以上です。

○小坂委員
 天井高、これは問題だと思うんですよ。3.55メートルを3メートル以下ぐらいに下げてしまうわけですね。これは教育環境の大いなる悪化だと私は考えます。ただし、これは文科省がいいと言うのだからいいということかもしれませんけれども、ただ、高い空間で勉強すると、それなりに衛生面なり、気持ち的な部分でも大きな恩恵を子供たちは今受けているんです。それを3メートルに下げてしまうという計画であるということで、本当に子供の環境がよくなるかというのは、少なくとも足し引きしなければならないところだろうと思います。

 ちなみに、机の広さは広げることができるのかどうかを1つ確認させていただきたいのと、あと、クラス数に関しては、これは御答弁要りませんけれども、クラス数は、中央区学校教育検討会報告書(平成18年)なり、教育の中央区学校づくり検討会報告書(平成20年)のものなり、そこではクラス数に関しては、今まである余裕教室を変更していくことで対応していこうというふうな大方針があったわけです。それを議論もなく、協議もなく壊してしまうというのは、1つステップを抜かしていると思うんです。そのあたりがありますので、クラス数はふやすことはできると言いますけれども、今までの方針に従えば、現状でもふやすことができるということで、これは機能的老朽化という考え方からは省くべき考え方ではないかと思います。確かに教室の広さは広くなるかもしれませんけれども、天井高が低くなる。どちらを取るかという話にもなってくるのではないかと思います。机の広さだけお願いします。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 机の広さでございます。机の広さにつきましては、何種類かございます。JIS規格の中で定められているもので、例えば幅とか奥行き、あるいはこれの組み合わせで8種類ほどございます。その中で、できるだけ大きなものを今後入れていきたいと考えてございまして、今、想定としては700掛ける500ぐらいの机ということで、これまでよりは大きい机を想定してございます。

○小坂委員
 わかりました。机は広くなるということですね。

(続く)
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