「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

知の生態系

2007-05-26 23:50:24 | メディア・リテラシー
日経新聞夕刊5/25コラム『明日への話題』で、
一橋大学名誉教授野中郁次郎氏が書いていた文章が
「知識のあり方」についてたいへん参考になったので、
掲載したい。

野中氏は、
経営学者ピーター・ドラッカーが、
『経済人の終わり』(1939年)で、
ナチスの本質を暴き、
現在の経営で一般化している
「戦略経営」「事業部制」「目標管理」「民営化」
などの概念を生み出したことや、
『断絶の時代』(1969年)で、
情報化社会への移行と
「知識社会」を予言できたことを例えに出し、
不確定の未来を、正しく予見できたとし、
なぜ、彼がそれを出来たのか分析した。

①知の達人が身近にいたこと。
ドラッカーの子ども時代、
父がハプスブルク帝国の
政府高官だった関係で、
シュンペーター、ハイエク、トーマス・マン、フロイトなど、
家に集まる知の達人と身近に接していた。

②多彩な職業を経験
新聞記者や証券アナリスト、コンサルタントなど経験。

③広い研究分野
経営学の範疇を越えて、
政治理論、米国史、経済史、哲学、美術などを研究。

結局、
「高質の経験」によって形成された
豊かで広く深い「知の生態系」が、
ピーター・ドラッカーに、
鋭い洞察力を与えたと分析している。


以下、野中氏の文章を抜粋。
*************
知の生態系の発展には、
科学性だけではなく人間観、世界観などの
大局観が欠かせない。
あらゆる知識は、その下でつながりつつ
深みを増していく。
知は、専門特化した孤立した状態ではなく、
相互関係の中で創られる。
今の日本は、
未来を見通す知の力を、
どう育成するかが問われている。

***抜粋終わり***

私自身、反省させられる文章であった。
科学的だけでなく、
人間観、世界観を培っていかなくてはならない
私への課題をまさに、
言い当てられたのであった。


また、別の観点で言えば、
中央区の子ども達に、
ここ中央区と言う地の利を生かし、
「知の達人と出会う場」をどんどん
つくって行きたいと考えている。
一昨年の秋の「政治学」の授業や、
昨年秋の「世界一受けたい授業in中央区」に
引き続き、何か出来ないかと考えている。
多くのNPOと連携してやれるとなおよいと考える。
連携していただけるNPOがあれば、
みんなの子育て広場“あすなろの木”に
ご連絡下さい。
(電話03-5547-1191 ファックス03-5547-1166)
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麻しん(7)-3 中央区の麻しん予防接種 さらなる無料化

2007-05-26 23:41:24 | 小児医療
5月25日付けで、
麻しん予防接種が、
「2歳から7歳までの幼児」と、
「区立小中学生」に無料接種が
行われることとなりました!!
対象範囲の拡大です。
(麻しん単独ワクチンもしくは、
麻しん・風しんワクチン混合ワクチンを
“未接種”で、かつ
麻しんに“未罹患”であることが前提)
⇒詳細は、中央区のホームページでご確認下さい。
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/hokenzyo/hokenzyo1/mashinwakuchinmuryousesshu/index.html

5月18日付けでの無料接種の
発表では、
「2歳と小学校一年生のみ」でしたが、
対象者の範囲が、拡大されたことになります。

無料接種の実施期間に
ご注意下さい。
幼児は、「平成20年3月31日まで」。
小中学生は、「平成19年8月31日まで」。

また、4月5月中に、
すでに自費で予防接種を受けられた方は、
手続きを踏むことで、無料化の対象となり、
支払ったお金が返金されます。


せっかく麻しん対策の緊急策ができたのですが、
いかんせん、麻しんワクチン不足が続いています。
どこの医療機関でも不足していると思います。

ワクチン不足の状況での、
小坂クリニックの対応は、
『5/24 麻しん(8)~小坂クリニックの対応~』
をご覧下さい。
大変申し訳ございませんが、
麻しんに一番狙われる乳幼児優先で、
麻しんワクチンを使用する措置をとっています。




コメント (1)
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