ウサギ、耳、伸びた、私、

このブログはたしかにイタい・・だがどうだろうか。痛みを訴えるのは大事なことだと私は思う。戦争より餓死の方が酷虐なのだから

あたりまえライバリティー

2012-05-02 15:19:39 | 詩/短歌/俳句/SS
「あたりまえ」と謂われて僕は歩き出した

トコトコトコ

いつのまにか前に立った彼はまた「あたりまえ」といった

歩き出した僕・・・それさえもあたりまえというのなら・・・

タッタッタッ

僕は走り出した

タッタッ・・・・

点滅赤信号 すれ違う風は車と車なはずがない

こんなにも田舎町でこんなにもいつもの彼 そして僕だ

言ってやる

「また あたりまえと謂いにきたの?」


肯定することはできないはずだ

「あたりまえ」

その言葉の内に秘めた彼の想いを感じ取れない僕ではない

今、彼が「"また"、あたりまえを謂いにきた」と口にすれば、もはや彼の想いはあたりまえだ そんな軽薄なことをするなら僕の「距離」は欺瞞だったといってやるさ

彼は謂った

「じゃあ 俺はあたりまえを潜るよ」

凛々しく突き出した左手、そして

「オマエが[あたりまえ]から走り出して当たり前じゃないものを拾ってくるなら...」

片手で相棒の背中を押しながら彼はまだ謂う

「いつか必ず帰ってこいよ この町 この場所に そしてよー絶望するんだ。 なんせあたりまえのここは、俺の手によってあたりまえじゃねーもんに革命されてんだからよ あたりまえじゃねー場所にあたりまえじゃねーもん拾って戻ってこようがどうってことねぇーだろ?」

そういって突き飛ばされた僕 

なにか気に食わない すぐ横の田んぼに押し返して同等性を主張しようか

・・・

まあいい






それは保険にとっておこう







彼があたりまえじゃない世界とあたりまえじゃない自分を作った時の








あたりまえの仕返しのために





~終わり~