ウサギ、耳、伸びた、私、

このブログはたしかにイタい・・だがどうだろうか。痛みを訴えるのは大事なことだと私は思う。戦争より餓死の方が酷虐なのだから

第三話~エヌピィシィ緊急会議~完結編

2011-09-03 09:43:14 | NPC@13物語
「イタリアに行きたいなぁ・・・」

ヤミヒロ(14)は今、絶望にうちひしがれている

そこはまさに断崖絶壁

空前絶後の大事件

今まで経験した危機回避経験値じゃ歯もたたないチートボス

・・・

1人の人間から睨まれることなどたかだか14年間の人生といえどそれなりに経験している

つまり耐性はあるはずなのだ


なのに・・・


なのにどうして・・・


こんなにも全身が震えているのだろうか


ジャメヴ(未視感)とはこのことだ

このままではヤられる


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い(ry

・・・

こうしてイタリアへの現実逃避は一瞬にして消え去ったのであった


・・・どうしよ・・・


再び思考に戻るヤミヒロを遮るようにバードシーの手が顔へ近づいてきた


・・・バードシー:普段の穏やかな後輩口調から一変 キレると泣く子も凍り付く関西弁のDNQ口調に変化し その明らかに異なる言動から"殺戮のギャップナイフ"と裏の住人は呼ぶ・・・


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い(ry



そして顔に触れた



ぷにっ



「ほれっ、とれたでぇ」


「あ・・・・・・え?」


てっきりぶん殴れると思ったがどうやら違うらしい


「ああああの・・・バヴバヴバババァドシィ・・・さんん?・・・ななな何がですが?」


そういや微力だが、つねられたような気がしなくもない

もしかしてこれで許してくれるのだろうか


だとしたら抱きつこう「ありがとう」と一言そえて熱く抱き締めよう

・・・

案の定、現実は厳しかった

「ほれっ ちゃんと見ろや」


「・・・・・・・・・」


「動かぬ証拠や」


「ゥ・・・・・・」


「なんとか言えや ワレ!」


「ゥ・・・ゥゥ・・・うわぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」



その手にはしっかり"トウモロコシの食べかす"が捕らえていた


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ とりあえず落ち着きましょう・・・ね?」


「これが落ち着いてられるかぁあああ?ああ??」


ROM専のドンマロもようやくフォローに回ったがどうやらさらに怒らせたらしい

「なんで俺の顔面にトウモロコシの食べかすがついてんだよ!!!」

八つ当たり気味にドンマロへ叫んだヤミヒロであったが「われが食べたからだろーガ!!!!!!絶対にシバくからなぁ・・・覚悟しときぃ」ともういっそう脳ミソショートしてくんないかな?というくらいキレさせてしまった

トウモロコシのカスは、さっきテルが吹き出した唾と一緒に顔に付着したのだろう、しっかり拭いたつもりだったがまだ残っていたらしい

クソ・・・こんなことなら意地悪なんてするんじゃなかった・・・

これじゃどうしようもない

俺の教室内の出来事で

俺の机にトウモロコシを包んでいたラップがあって

俺の顔にトウモロコシのカスが付着してて

「これはもう詰んだな ハハッ」

自嘲気味に呟いてからヤミヒロはある決意をした

もうこれは正直に「犯人はテルです。さぁトイレに行きましょう!」というしかない

たぶん投げたトウモロコシはまだテルが持っているはずだ 廊下にもトイレにもゴミ箱はなかったはず・・・

この状態でテルがまだトイレにはいっていたらチェックメイト


バードシーには忍び足でついてきてもらい俺が「テル~大丈夫かぁ~?他人のトウモロコシなんて全部食べるから罰が当たったんだぞ~」と言うのだ

トウモロコシを盗られた本人が壁の向こうにいることを知らないテルはアホみたいに肯定してくるはず・・・

すまんなバカテル

もう手段は選らんでれないんだ・・・あばよ


~チーンコーンカーンコーン~


午後の授業の予鈴が校内に鳴り響いた


「われ!ヤミヒロゆうたか? 今はもう時間がない 放課後にたっぷり痛め付けてやるけーのぅ 覚悟しときいー」

殺人的な睨みを解除し、バードシーは自分の席に向かった

よしっ今だ!


「待って!犯人はtブボボボボボ


うわっ なんだ!?」

口を誰かが塞いだ

バードシーは一瞬、怪訝の目で振り返ったがまた背を向けてしまった


「ごめん・・・ヤミヒロ・・・」

「なんだドンマロか・・・って何だよ!俺は今 人生をかけた行動をしてんだよ!止めんなよ!!」


「だから・・・・・・ごみん・・・」


「何だよ・・・意味わかんねーよ・・・」

時間はもうほとんど残されてない

もう無視して追いかけよう

そうしようとしたが・・・
そうもできない言葉をドンマロは発した

「気づいちゃったのよ・・・・・・五時間目を乗り切る方法・・・」


「はぁ?」

今さらなにいってんだコイツ・・・

「私・・・保健委員なのよ・・・」

「はぁ?」

話が断片的すぎる なにいってんだコイツ・・・


「だ!か!ら! テルは今 トイレの中でしょ そしてアンタの手・・・見なさいよ・・・」


「はぁ?・・・・・・・・・




ハァ!?」

自分の右手を見るとドンマロの考えが理解できてしまった

そう ドンマロは"保健委員"

このまま五時間の授業が始まるとどうなるか

まず、テルはトイレいるのでペン回しはできない

ドンマロは保健委員なのでテルの様子を見に行くと先生に告げればを簡単に教室から出ることができるだろう・・・そして保健室などでテルと仮病を使い五時間目を凌ぐ・・・すなわち・・・ペン回しができない

そしてクソヒロは・・・



バードシーの死刑宣告で


両手が震えていた


ノートをとるぐらいギリギリできそうだが、ペン回しなど・・・とてもじゃないができる正常脈ではない



「う・・・う・・・」

ヤミヒロの心は泣いていた

密かに

静かに

さらには悟っていた・・・


~キーンコーンカーンコーン~


そして・・・


45分間耐久"地獄へのカウントダウン"が始まった






そしてあっという間に時間は過ぎていき・・・




~キーンコーンカーンコーン~



カウントダウンが終わったヤミヒロは走りだしていた


この猶予時間

なにも考えていないはずないだろう

考えて考えて考えて考えた


結論

全速力で逃亡


「うりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」



・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・



案の定、ヤミヒロはすぐ捕獲された。


「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

終わった・・・

顎と首の間はバードシーの屈強たる二の腕でパーフェクトにロックされた
終わった・・・

終わった・・・

終わっ・・・て・・・


何度も何度も呟いて呟いて


もう涙もでやしない


ただただ執行されし見知らぬ土地へ引きずられていくのだ


そして・・・すべてに・・・まく・・・


「ヤミヒロ!!!!」


全てを諦めたそんな最中、自分の名前が聞こえた


「幻聴?」

いや、どうやら違うらしい

引きずられながらも精一杯、最後の気力を振り絞り前を見ると2つの影が両サイドに見えた


「なぁなぁ ヤミヒロ 中学生なんだからそんな目してんなよ」

「まだよ まだ終わってないわ ヤミヒロ!」


テルとドンマロが助けにきてくれたのだ


「おまえら・・・」


しかし、二人の励ましの言葉はヤミヒロに届かなかった

嬉しいのだ・・・その気持ちはキチンとある・・・だが・・・その反面・・・この気持ちを抑圧してしまう"何か"を十分に理解してしまっていた

そう・・・

たとえ二人がかりだろうと裏の帝王;バードシーは止められない

奇跡の欠片さへも粉々に砕き散るほど圧倒的力な差がそこにはあった


「やめろ!・・・おまえら・・・吹っ飛ぶぞ・・・」


衝突まであと10メートル

犠牲者は増やしたくない
怒鳴りつけてでも止めさせよう

そう思ったヤミヒロであったが二人とも両サイドの端と端にいた

とてもぶつかる気配ではない

するとドンマロたちは「これをみよ!」となにか始めた

「ん?」


なにをしてるんだ?目を細めてみるがなかなか見えない


すれ違いまであと5メール・・・まだ見えない



あと3メートルというところでようやく奴らがしている"なにか"が見えた


「おまえら!!!」

ヤミヒロに光が射した


「なぁなぁ 見るンダ、バドシさん・・・・






高速ハーモニック!!!!!」



「見なさいよね!この華麗な放物線を・・・






ソニックバストからの1.2.1.スプレッドダブルアクセル!!!」


・・・

・・・

・・・


「おみゃいら・゜・(つД`)・゜・!!!!!!!!!!」




~彼らはペン回しをしていた~


暴走を食い止めるため


~彼らはペン回しをしていた~


和解するため


~彼らはペン回しをしていた~


心を動かせると信じて


~彼らはペン回しをしていた~



そして・・・


俺を締め付けていたロックは外れた


・・・


それから数日後


エヌピィシィメンバー試験がマックで行われていた


「なぁなぁ ポテトでペン回しできっかなー?」


「コラッ 食べ物で遊んじゃダメなんだからね?」

「おい バカテル・・・それは俺のポテトだ!返せ!!!」


「もう腹はこわさないンダ(笑)」


「なにその自信!?バカテルなの??もうお前 腸炎ビブリオ接種して氏ねよ!!!」

「ほらほら 静かにしなさいよ 周りの人迷惑だし 今 試験中よ、あと寒いわよ・・・」



そんなくだらない話をしながら、ゆるーくペン回しをしている



そして夕方

更新されたエヌピィシィ議事録にはこう記されている


〓月〓日 試験に見事合格 新メンバーに「バードシー」さんが入りました! みんな切磋琢磨して頑張りましょうね!ペン回し最高!!! 書記ドンマロ



そう



まだまだ俺らのペン回しははじまったばかりだ!


エヌピィシィ緊急会議編-完-