京都みてあるき

旅の覚え書きと写真のおきばと感想集。ついでに園芸の話。母君と二人旅で、近畿の名所に参ります。写真整理中。

大徳寺の曝涼(虫干し)

2006-10-10 22:37:53 | 京都・観光一般

2006/10/08(日)

○大徳寺の曝涼(虫干し、本坊) ☆4.6

10月第2日曜日は大徳寺の曝涼があります、
ここは絵画が多く、観音猿鶴図(国宝・牧谿筆)
本坊襖絵(狩野探幽筆・重文)など名品があります。

 
塔頭は大仙院・瑞峯院・龍源院・高桐院などが常時公開、
たまに非公開塔頭が特別公開されるのですが、
こういう時でもないと、本坊って開かないんですよね。
一度秋に公開されてたような気がしますが、
寺宝をまとめて出すのはこの時だけ。
料金は¥1300とお高いですが、 1年に一度だと思えば、
「しょうがない、払いましょう」という感じ。
虫干しなので、雨が降ったら中止…
しかも、これだけじゃなくて、作品の説明がないから
曝涼の解説本も買わないといけない
しかし、大徳寺は妙心寺と桃山~江戸絵画持ちの双璧だと思います。
数を言えばそりゃ美術館や博物館に行ったほうがたくさんありますが、
お寺でこれだけ沢山見られれば立派という感じ。
ミニ展覧会のようなものです。 kodamaはここの曝涼2度目なのですが、
それでも行ってしまうのは牧谿の観音猿鶴図を見たいがため。
オススメ度もほぼ、観音猿鶴図による個人的評価(汗)
牧谿など(南宋・元時代の)中国絵画は日本では室町時代に好まれた
一種のブランド。この観音猿鶴図も義満旧蔵品。
牧谿の猿などは長谷川等伯が惹きつけられ、好んで描いたものです
(妙心寺龍泉庵・相国寺承天閣美術館・南禅寺金地院、
金地院のは「伝~」??)
まぁ、観音については特に興味がなかったらしく、模写もないようですが。
画像で見てると別にどうってことないな~という印象だったのですが、
実際見てみるとスゴイ神秘的なオーラが漂っていました
絵からオーラがででるよ~とびっくり。
洞窟で岩に座り、佇む観音、水瓶?も岩に置かれています。
中幅に観音、右が猿、左が鶴。
たぶん、墨の使い方が上手いのでしょう。空間が広がるような感じがします。
洞窟というと雪舟の「慧可断臂図」で息苦しいまでの
閉塞感を感じる絵もありますが、牧谿は行体(書道でいう行書)の
名手なので、柔らかく、伸びやかな線で表現され、
ゆったり~とした雰囲気がでています
猿・鶴も一対のものですが、一幅ずつ鑑賞しても何ら問題なさそうです。
この辺観音に興味なかった等伯とは感じ方が違いますね。
この他、龍虎図(牧谿筆・重文)など、色々あります。

さて、前回と違うな~と思った点としては、本坊襖絵(探幽筆・重文)
見れるようになってました数年前の訪問時には寺宝が下のほうに
掛かってて、ほぼ見えませんでした
それが、上の方に上がり、両方見れるようになっていました。
(まぁ、その分虫干しの絵画が目線から遠くなったんですが…)
これを見ると意外に襖絵ははっきり残っていました
しかし、前回訪問時にはもっと剥落していたイメージ。
さて、どうしてかしら?と思ったら剥落が激しい部分、
そうでない部分、と線の残り方がとても違って見えるのです。
たとえば…仏間前の襖は剥落激しい。日用品なので、仕方がないです。
きっと前回見た時は剥落した部分しか見えなかったのでしょうね。
今回ちゃんと見れてよかったかも

そういえば、ここの方丈(国宝)からみえる「唐門」は実は国宝、
裏からしか見れませんが、美々しい装飾、「西本願寺の唐門」ほど、
派手ではありませんが、まさしく桃山時代の門、やはり派手。
この門、表から見たいと思ってるのですが、
公開は「非公開文化財特別公開」で一度修復記念に公開されていたのを
知るだけで、他は公開情報を知りません。
しかし…門に¥800て。ボリすぎじゃないですか?
山門なんかは内部があるけど唐門は??
結局表から見たことはありません(笑)
高いので入れないという方には
オススメできないスポットです、でも結構人は来ていました。

参考 「週刊古寺をゆく 大徳寺」「週刊日本の美をめぐる 足利将軍と舶来趣味」(小学館・雑誌) 

オススメ虫干し(絵画編)
○大徳寺本坊 10月第2日曜日のみ(¥1300) 雨天中止
 「観音猿鶴図」(国宝)、方丈襖絵(重文)など多数
○妙心寺本坊 11/3・11/4のみ(抹茶・菓子付¥1000)
山楽・山雪・等伯などの重文屏風、掛け軸など多数、最終室に京博寄託品が里帰り、説明文あり
○等持院 10月第2週5日間程 (通常拝観料)
10月第2週5日間程 方丈襖絵(重文・狩野興以)など 説明文なし
○神護寺 5/1~5/5(拝観料不明、判明したら書きます)
伝源頼朝・伝平重盛像・伝藤原光能像・赤釈迦(釈迦如来坐像)など国宝寄託品里帰り(五大虚空蔵菩薩〔予約拝観5/20~10/20
〕はこの時中止、ただし本尊等普段から見所多し)
○妙蓮寺 9月第2週の3日間 (通常拝観料、と思う…、ガイド付)
長谷川派襖絵(重文)、収蔵庫公開、その他寺宝多し

○安楽寺 7/25(かぼちゃ供養で鹿ケ谷かぼちゃの接待、絵解きあり¥400)
この日と皐月のシーズン、紅葉シーズンのみの公開、寺宝は文化財指定なしと思う
○真如堂 7/25 雨天中止 (びわ湯接待あり、¥500)
真如堂縁起(重文)など。但し、説明、画名ないもの多く本当に虫干し、オススメできず。

特別公開(襖絵編、毎年)
○法然院 春季4/1~4/7(¥500)、秋季11/1~11/7(¥800)
狩野光信筆襖絵(重文)、堂本印象襖絵など、オススメは春季、椿と一緒に。説明は大学生による。
○三井寺(園城寺)勧学院 4月上旬の土日の夜間拝観(¥200、入山無料)
狩野光信筆襖絵(重文)公開 
勧学院は普段は予約公開(3名以上~で¥600、絵葉書付き、入山¥500)
滋賀ですが…夜桜と共に楽しめる、オススメ。説明はパンフ、公式HP(詳しい)を参照
ちなみに光浄院はお茶席(昼イベント)で入れるようですが、襖まで見れるかは不明

今年度の公開は公式HPか京都観光協会HPで確認お願いしまーす。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いってみたいけど・・・ (よりりん)
2006-10-12 00:58:06
大徳寺の虫干しいってみたいのですが、1日しかないのと高いのとで、行ったことありません。

でも、こうやって読ませてもらうと、やっぱり行きたいな~と思いますね。

それにしても、すごい情報量!!



敷居高いですよね~ (kodama)
2006-10-12 03:29:21
確かに¥1300は高いです、しかも拝観が9:00~4:00なので(受付終了がたぶん3:30)10月なのに閉まるの早い印象…

二回目なので、今回は唐門、襖絵、観音猿鶴図だけ見て帰りました。

これからの虫干しなら妙心寺がオススメ、里帰り品は毎年変わると思いますが…。

kodama、詳しいのは好みの時代だけ、絵画全般についてはよりりんさんの方が詳しいと思います~

コメントを投稿