写真は私が数日前家の周りの草を刈っている時
何度も私の周りに来て私を見ていたジョウビタキです。
今日もすぐそばの枝に止まっていました。
最近読んだ本で途中でやめられず、
夜明けまで読みふけってしまった本を紹介します。
中村小夜著「昼も夜も彷徨え」です。
これは12世紀ごろイスラムで活躍したユダヤ人の思想家、
モーゼス・マイモニデスの物語です。
マイモニデスはコルドバで生まれ、当時スペインと北アフリカを支配し、
ユダヤ人を迫害したムワッヒド朝を逃れ、
あちこち放浪してファーティマ朝のエジプトフスタートに落ちつきます。
彼は自由思想の持ち主で伝統的なユダヤ教の支配層に反逆し、
ギリシャ哲学とユダヤ思想を結び付け
後のヨーロッパ思想にも大きな影響を与えました。
彼のことはかってヨーロッパ中世史に関心を持った私も名前だけは知っていました。
この本によってユダヤ教の思想家であり、ギリシャ哲学を学んだ哲学者、
そして心の世界にも関心をもった医者だったこの人物をよく知ることが出来ました。
それに当時のイスラム世界、最も文明が進んでいた世界についても、
詳しく語っています。
著者はイスラム世界のシリアやエジプトを放浪し、
イスラム文化に魅了された青年?(年齢不詳)で
イスラム世界を紹介するためにこの本を書いたようです。
感心するのはその筆力、とにかく面白いのです。
中公文庫のための書下ろしで、今年の1月25日初版発行
小平市の図書館で見つけました。
マイモニデスについては一般にはあまり知られていないでしょうから、
どれだけ読まれるかちょっと心配です。
とにかく素晴らしく面白い本です。