映画「大いなる不在」を観ました。2023年にトロント国際映画祭、オーストラリア、イスラエル、スウェー
デンで上映されサン・セバスチャン国際映画祭では主演の藤達也が日本人初の最優秀俳優賞を受賞した。海外では
高く評価された作品となります。
俳優の遠山卓(森山未来)は幼い頃に卓と母を捨てた父親の陽二(藤達也)が警察に捕まったと連絡が入る、か
つて大学の教授だった父は認知症を患っていた。役所が斡旋した施設に保護され妻(真木よう子)と施設へ向かう。
父の家に行くと室内は荒れていて物忘れの注意書きのメモがあちこちに貼られていた、再婚相手の直美(原日出子)
の姿はなかった。現在と陽二が元気だった過去の二つの時間が繰り返してストーリーは進みます、父の認知症によ
る「不在」をテーマに卓が探求する内証的な作品です。やはり藤竜也は素晴らしくとてもインパクトがありました。
作品を観ていて映像がはっきりとしていないピントがあっていない時がありました、フィルムによる撮影なのか
と感じました。観終りパンフレットを購入し読むと、「35mmフィルムで撮影され、より深い質感がある映像が、
鋭利さと重さ、現代的な感じと普遍的な要素を兼ね備え、正に二人の感性が交わって昇華したような作品に結び付
いている」とあります。ん~~~どうなんでしょうか。
いずれ私自身も認知症に・・・と思うと観ていて辛くなります。施設での陽二の話す内容はまったく事実とはか
け離れそれを当たり前の様に卓に言います。若い人が観るのと高齢者が観るのとではこの作品の印象は違うのでは
ないでしょうか。
映画「大いなる不在」のパンフレットとチラシ。