とても辛く悲しく痛みを伴う作品です、コロナ禍のなか実際に東京の路上で若い女性が命を断った事があり
その新聞記事を読んだ入江監督はこれを絶対描かなければと思ったとの事です。
香川 杏(河合優実)は10代から売春や薬物中毒で母親の春海より子供の頃から激しい虐待をされ教育も
受けていない、漢字も読み書きがままならずひらがなしか書けない。警察に捕まり多々羅(佐藤二郎)のベテ
ラン刑事と出会う、多々羅の主催する薬物更生者のグループへ入る。多々羅や更生グループを取材している週
刊誌記者の桐野(稲垣吾郎)の知り合いがやっている老人ホームで働く、しばらくしてコロナの感染が広がり
非正規雇用の杏は自宅待機を余儀なくされた・・・。
コロナ禍ではニュースで若い女性の自死が多いと報道されていた、その理由は様々と思うのですが辛い現実
に絶望してしまい死を選んでしまったと思います。失望はしても絶望はしてはいけないとあります、桐野や誰
かが杏を助けられなかったのかと思いましたが。そして私も杏を救えません、映画を観るという行為を長く考
えていますが今だ答えは出てません。この作品は観ている側の心に突き刺さります、数日は引きずるでしょう。
杏の河合優実がとても素晴らしくこの名を覚えていたい。多々良は良く唾を吐いていました、私の嫌いな行
為の一つの唾を吐くは絶対に許せない、たばこの吸い殻を捨てるのも演技かもしれませんが許せません。
「あんのこと」のパンフレットとチラシ。