2022年北京冬季五輪の開閉会式の総監督を務めた中国の巨匠チャン・イーモウ
監督の作品です。中国文化大革命の時代を背景にニュース・フィルムに1秒だけ映る
娘を追い求める父親と貧しい暮らしをする少女との交流を中心にした物語です。
繰り返しになりますが良い作品はファースト・シーンで判ります。広大な砂丘が映し
出され強風で砂が飛び陰影のある映像美から始まります。その後も美しい砂丘が何度
もあります、道もない砂の山をひたすらに歩くシーンが・・・何故。ナゼ、どーして
と驚く事が他に多くありました。
砂丘がある中国北部と思われるある小さな村を舞台に物語は進みます。1960~
70年代の人々は貧しく村にある体育館の様な劇場は娯楽がなく唯一の楽しみな場所
で多くの村人が集る、砂まみれになったフィルムの洗浄をするために観客を巻き込む
シーンも独特な映像美があります。今はデジタルの時代です、フィルムの深い味わい
がありません。監督は懐かしいこの時代を描きたいのでしょう。
私の小さい頃も映画は最大の娯楽でした、映画館に入りきらない観客や皆で拍手をし
た記憶があります。懐かしいその時代を想い出しました。
主人公の逃亡者の荒々しい性格や、貧しい少女の俳優がとても良く引き寄せられま
す。映写技師のファンも魅力的でした。
作品はやや全体がバタバタした印象がありました、不要と思われるシーンもあります
がこの映画も観て頂きたいです。
「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」
フィルム映画は1秒が24コマです、主人公の娘は24コマだけ映っているので副題
がそうなっているのだと思います。