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日経連載「格差を考える」を読んで思う話

2006-02-08 00:26:55 | 時事雑記
日本は経済格差の大きな社会になったのか。格差をめぐる議論が盛んになってきた。一部の指標は所得の格差が少しずつ広がっていることを示しており、競争社会の到来や成果主義の浸透の影響との見方がある、ただ、データで見ると同じ世代内で差がひらいているのは若者だけ。格差が拡大しているように見えるのは高齢化世帯の増加などが主因であり、構造改革のひずみとはいえない。
本日の日経新聞というより、いつも拝見している泥酔さんの分析も含めてですが。。
素人が感じる素朴な疑問が3つほど。
 
まず1つ目。
今回の日経記事は、新しい統計が発表されたうえで、格差なんか広がっていないじゃないかという話なのかなと思ったのですが、最新でも04年の統計をベースにしてそういう結論を出している点です。

奇異な感じがあるのは、今まで見たことのある同じジニ係数を使用したいろんなWEB上の分析では、比較的新しいものでも格差拡大を論じるものばかりだったという記憶があることです。

同じ国際比較でも、
こちら(出所連合ですが。。)などを見ると、まさしく日本は格差社会に突入へ・・・となるわけで、泥酔さんの3日の記事のようにまだEU諸国と同程度だから騒ぐでないと見るか、連合さんのようにOECD諸国の中ですでに上位にあると見るかで違っています。

またジニ係数は、日経が紹介したような出所が総務省であるものと、厚生労働省のものがあるとのことで、日経解説によれば、厚生労働省のものが所得200万以下の層を多く対象としていることから、高めに出る傾向があると。

一般に0.3台が先進国において普通とされる値ですが、これもどちらの省庁の発表分を元にして判定したらよいのか、よくわかりません。
ちなみに厚生労働省ベースでは0.5に近いとのことですから十分危険水域です。

また「格差」を表すデータは、ジニだけでなく、記事にもあるように正社員と非正社員の数のほか、大企業と中小企業の給与、消費動向の二極化、家計部門の赤字など、小泉改革と連動する指標も多く指摘されています。

今回の日経記事は、紹介されたデータだけで見ると、冒頭にあるように構造改革の影と見るのはこじつけだろという言い方もできるのですが、資料の出し方が充分ではなく、これだけではどちらに軍配を上げるか迷うところです。
 
ですが、譲って現時点で構造改革との直接の因果関係については認められないとするのはまあヨシとしても、格差の広がりについて楽観視するのはちょっと厳しいかなと。
本質として、格差拡大の問題は希望格差という言葉もあるように「今後への不安」という点にあると思うからです。

特に「世代内で差がひらいているのは若者だけ」とありますが、問題視されているのはフリーターやニートを含むこれらの世代が30代40代になったときに、一層差が拡大し、固定化するんじゃないかという不安なわけじゃないですか。ですんで、ここに差があることこそ問題じゃないのと。
 
ただリーマンである私の立場は、改革派の中川政調会長が言うように「経済成長こそ格差を埋める何よりの良薬」ですので、そのための手法がどうであろうと、手法自体が確かなのであれば一定期間の格差拡大については、それほど問題視はしません。

ただしそれにはトリクルダウンが前提になるわけで、それがタイムラグを伴ってでもちゃんと出てくるかどうかという話です。
ですがその手法は、現にジニ係数が高い、米英型の経済政策です。トリクルダウンは期待薄でしょう。

疑問点の2つ目として思うのは、上記に明らかなように、今回の記事は構造改革の援護射撃のように見えて、「今はそれほどでもないが、将来、確実に格差は拡大するよ」と言ってるようなものだということです。

ところで、この記事を書いた人も、あるいは泥酔さんも、一定の格差は容認されているように思います。
その代わり、格差が固定せず時代の主役が入れ替わるような「ダイナミズム」のある社会を、と仰っているわけで、それはそれでアリでしょう。

ここで3つ目ですが、そもそも「ダイナミズム」って何?(単に混沌じゃないの)というのはあるのですが、改革の継続によってそれが生まれるとして、首相の言う「努力した人が報われる社会」、もっと正確に言うと、トップをとった人がいっぱい持っていく社会、これ自体はよいのですが、持っていった人たちというのは、だんだん既得権益者化していく可能性があるんじゃないのと。
それは改革派も歓迎しない、格差固定化につながっていくのではないかと。

思うに、景気回復のために構造改革という題目を唱え続ける限り、いくら援護射撃をしたところで、格差の呪縛からは逃れられないのではないかと。
いっそのこと素直に認めたほうがいさぎ良いと思うのですがね。。
ジャンル:
経済
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