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産業紙が伝える危機管理・マスコミ対応の話

2006-06-08 23:49:47 | 産業紙から
シンドラー社製エレベータ、取引先のところにいったときに、古いやつに一回乗ったことがあって、止まった階のところで段差があったのを思い出したのですが、例の事故後の対応、評判悪いですよね。


当方も実は広報担当なので(といっても地味な中堅企業、マスコミ向けの広報はリリース投げ込む程度だが。同じような立場になったらうろたえるだろうと思う)、後学のためにと、4月5日付のフジサンケイビジネスアイを切り抜いておいたのでした。

何の記事かというと、今年の3月20日に川崎市のマンションで、男の子が人生投げ遣りになった男に投げ落とされるという悲惨な事件があったのですが、容疑者が「会社にリストラされた」と供述したため、以前勤めていたというカーテン屋さんにマスコミが殺到したのですね。そのときその会社の社長さんがとった態度がマスコミに評価されたとのことで、それをまとめたもの。以下に紹介します。

容疑者が逮捕されたのが4月1日で、そのとき社長は出張中。従業員から「マスコミが押しかけている」との報を受けて、出張を切り上げて帰宅。2日午前に「リストラ」報道が流れたのを受け、報道機関に会社としての見解をまとめたペーパーを2日午後に配付したのだそうです。

「各マスコミの皆様へ」と題するそのペーパーには、
・犯行には憤りを感じるとともに捜査には全面協力する
・多くの客が不安に感じており、社名や個人名の表記は遠慮してもらいたい
・当社の業務
・容疑者の勤務状態
・退職の経緯
がまとめられていたそうです。

さらに社長は紙を配布する前に、問い合わせ専用の携帯電話を購入し、電話番号を明記したとのこと。
それによって、2日夜には「会社側はリストラを否定」「(容疑者の)立ち直りを期待したが、出社しない日が半年近く続き、最後には本人から退職のメールが届いた」という会社の見解が伝えられはじめたといいます。

この対応は、危機管理のコンサルタントも「これほどの初期対応ができれば100点」としています。ポイントは、素早い対応、的確な見解表明、(携帯番号明記などの)誠意でしょうか。で、何よりこれらを通じてマスコミを敵に回さないことでしょう。

シ社と違って、明らかにシロであるゆえの対応であるともいえますが、このカーテン屋さん、社員が社長含めて3人ということを考えれば、こうした危機管理の教育を受けたわけでもなさそうで、社長の判断は(危機管理の面で)本当にたいしたもんだと思います。

翻って、シ社の対応。
時系列でみると、事故が起きたのが3日午後。
メーカーのリリースが出たのが5日。(原文
そして6日、7日に二度、リリースがぽろぽろ出てくる。

出るたびに文が長くなってるのですが、事故を起こしたエレベータのこととか、社内調査の進捗状況とか、マスコミの欲しい情報が出て来ずに、責任回避ともとれるコメントが増えていくという。
この辺でマスコミとしてはもう疑念というか、叩く気マンマンというか。JR西日本のときもそうでしたけど、なんで余計なこと言っちゃうんでしょうか。
原文・・・「各位殿」って・・・)

国土交通省まで怒らせちゃったのだから、マズすぎますね。
危機管理というのは欧米の得意技かと思ってましたけど、日本法人のところまで降りていなかったみたいですね。
本社社長が来日されるそうですから、そこでの会見をヲチしてみたいと思うのですが、火だるまになることを覚悟しないといけないでしょうし、最後のチャンスでもありますね。

くだんのカーテン屋の社長さんが仰っていますが、「問い合わせには丁寧に応じることが基本。それを実行しただけ」と。
それが危機管理にも奏功したとするなら、今回の件を怒り狂った客のクレーム対応と考えれば、状況が落ち着くまで何があっても反論しない、一線は守りつつ誠意を見せるのみ、ということなんでしょうかね。

いずれ産業紙で今回の教訓関係の記事が出ると思いますので、それもまたチェックしておきたいと思います。
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2 コメント

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TBさせてください (くりむ翔)
2006-06-11 23:57:39
 世間では「危機管理」をどうするかとかいってますけど、実際は大それたことを考えても、結局は普段の行いの延長上のことしかできないということでしょう。

 シンドラーみたいな世界企業でしたらこの種の事件の対応のマニュアルは当然あるはずですし、実際そのとおりに行動したんだろうと思いますからね。
Unknown (kochikika)
2006-06-12 22:58:31
くりむ翔さん



コメント&TBありがとうございます。



シンドラーのマニュアル、さすがにあるとは思いますが、そこはシェア1%の悲しさ、日本向けのマニュアルは充実していなかったようですね。

産業紙によれば、外資系にはこういうケースが結構あるそうです。

結局は普段の行いの延長線上しかできないとのこと、同意です。



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