こっちゃんポイント ★★★★★
(いかした作品特別賞)
鑑賞環境
映画館
上映時間 126分 製作国 アメリカ/ドイツ/フランス/イタリア/
ルーマニア/イギリス公開情報 劇場公開 (アルバトロス・フィルム) 初公開年月 2005/07/09 ジャンル ドラマ/ロマンス/伝記
第一次世界大戦後の1919年パリ、モンパルナス。カフェ“ラ・ロトンド”は新進気鋭の画家、小説家、詩人、そして彼らを取り巻く女たちで毎夜にぎわっていた。そこには成功者のピカソ(オミッド・ジャリリ)と、異端児モディリアーニ(アンディ・ガルシア)の姿もあった。互いにライバル心を剥きだしにする二人だったが、ついにあるコンテストで対決することになる。モディリアーニは最愛の妻・ジャンヌ(エルザ・ジルベルスタイン)をモデルに画を描き始めるが、酒と薬に溺れた長い日々は、彼の体を静かに蝕んでいた・・・。 (goo映画より抜粋)
若く才能に溢れ、ひたすら貧しく、プライドは高い。そんな芸術界の異端児モディリアーニの、死を迎える前の1年間を描いた映画です。こっちゃんは「彼」の作品を数点知っている程度の感覚でこの映画の鑑賞に入りました。主演はアンディ・ガルシア。こっちゃんの大好きな俳優です。彼がこの映画の主役モディリアーニを演じるというのは、とっても興味深いものでした。しかしながら、正直ここまでのモノは期待してませんでしたね。この映画ですっかり彼の演技に魅せられ、涙する事にまでなったのは、全くもって嬉しい誤算でした。
このモディリアーニという画家は、ピカソと同年代に生き、また若くしてその生涯に幕を閉じ逝ってしまった人です。その生活ぶりは成功とは程遠い。才能に恵まれながらも、酒と煙草の為に絵画を描く毎日が、この映画では浮き彫りにされています。片や、成功を我手にしたピカソが対象的に、また非常に興味深く描かれています。ピカソは、カフェで即興で描いた一枚のデッサンで、その場にいる客に酒を振舞うことが出来る。対するモディリアーニは、陽気にオチャラケながらテーブルの上に乗ったかと思うと、そんなピカソを茶化し馬鹿にした態度の貧乏画家です。ピカソは言います。「何故、私を嫌うのだ!」と。
ここに登場するピカソは、背が小さく、小太りで決して良い男ではありません。人を信用しないのか、いつも銃を持ち歩く。発表会では、「自分の絵の色とカブる服は着るな。着替えろ。」と妻に言うような男です。そんなピカソとモディリアーニとのライバル対決が、次第に盛り上がるドラマチックな演出のもとで展開し、自然と引き込まれて行きました。この頃はまだ、写実的な絵を描いていたんですね、彼。
ドラマの一方では、売れない画家のモディリアーニを、何とか成功させたいと願う献身的な女性ジャンヌの姿も描かれて行きます。ピカソの新作発表会に、モディリアーニの画も便乗させてもらうようにお願いに行ったジャンヌは、そこでピカソの新作の絵のモデルになるように条件を出されてしまいます。これは彼女にとっても実に屈辱的なコトでした。思い悩んだあげく、モディリアーニの為にと決心したその行為は、彼のプライド心を傷つける形で知られてしまいます。そしてモディリアーニのピカソに対するライバル心は益々燃え上がって行くのでした・・・。
中でも、ジャンヌが持ち込んだモディリアーニの作品を削り、ピカソが上から自分の画を描いたという話は強烈です。強烈すぎます!ライバルである男に、自分の絵を潰されるというコトは、本人に取っては想像を絶する屈辱であったに違いありませんから。
そしていよいよ物語は、クライマックスの美術コンテスト”Salon des Artistes”への出展へ向けて進みます。ついにピカソとモディリアーニの真剣勝負が・・・・。
ココからが断然面白い!コンテストを目指し、キャンバスに筆を打ち付ける画家たちの熱い姿が、官能的、情熱的なBGMと供に描かれて行くのです!気に入らなければ何度でもキャンバスを叩きつけ、絵筆を倒し、汗を拭うことや眠ることすら忘れ、ありったけの情熱と感性をその中に押し込める。そうして描き上がった作品を前に、画家たちは絵筆を折り作品の完成に到達するのです。この感覚は実に凄まじいの一言。我々が普段、当たり前のように眺めていた絵画は、こんな風に情熱をもって描かれ完成した、究極の姿だったのですね。
コンテストで次々と幕を下ろす巨匠の作品たち。それぞれの絵を観て、もはや言葉など出るわけもありません。 「ああっ!」まるで嗚咽のような、言葉にならない言葉が思わず漏れてしまいそうになります。ピカソの絵、そしてモディリアーニの絵の何と素晴らしいコトか・・・・・!
これだけのドラマを観せられ、そしてこの絵に到達した時、まるで今まで眺めていた感覚とは全く違った感動が、津波のように押し寄せてくるではないですかっ!もはや、理屈ではありません。この映画で、改めてその事が分かりました。絵は心で観ることができた時に、初めて自然と涙が出てくるのだと知りました。このモディリアーニの最後の作品を観て、涙が止まりませんでした。それはもう表現しようのない美しさと、そのモデルの持つ心までもが浮き出てくるような、見事な作品であったことは言うまでもありません。
この映画は、画家モディリアーニを知らない人も、十分楽しめる作品だと思います。もちろん、彼のファンならより興味をもって観る事が出来るでしょう。他にも、ルノアール、ユトリロ、キスリングなども登場します。その辺りの人間関係なども結構面白いですよ。
どんなに貧しくても、ひたすら彼を求め、献身的に尽くすジャンヌの姿は美しい。まるで、モディリアーニの絵の世界からそのまま飛び出したような美しさです!この女優さんはエルザ・ジルベルスタインという、フランスの実力派だそうですね。このキャスティングには正直、舌を巻きました。あまりにもハマリ過ぎています!
アンディ・ガルシアも本当に良かった。自分の愛する娘を施設に送り込んだ義理の父に向かって詰め寄るシーンのギラつき具合なんかは、本当に真に迫ってました。色んな意味で観て良かった作品でした。
「この物語は、自由に脚色されたもの」というテロップが冒頭に流れます。本当は実際のモディリアーニ像とは随分違うのかもしれません。そう思いつつも、この映画の良さに打ちのめされたのでした。
「本当の君が見えたら、その瞳を描こう・・・・」 今年一番心に響いた名セリフです。
モディリアーニ・・・・享年35歳、彼の死後2日後に後を追った妻ジャンヌ・・・・享年21歳の若さだったそうですね。
ミニシアター系ですが、観る機会がありましたらどうぞ。オススメします。
《2006.07.22記事一部改訂》
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モディリアーニ~真実の愛~ オリジナル・サウンドトラック サントラ, ガイ・ファーレイ, エディット・ピアフ ビクターエンタテインメント 官能的なサントラ。実に美しい調べです♪ |
画家の人生ってハゲしいね。
イカレタ世界でもありますね。
まるでkuuさんの世界ですよね。
ジャンヌ役、イメージにピッタリだったね。
本当に、凄い生き様のモディリアーニとジャンヌでした~~。もうちょっと早く、彼の才能が認められていたらなぁと、残念です。
ジャンヌ役のエルザ・ジルベルスタインは、もう、ぴったりでしたね~~。まさにドンぴしゃ!
そうですかー。
良かったですか。
まあ、これってドコまでが真実か?ってことなんですが
なかなか程良く盛り上がったよね。
でも悲劇は辛いよね。
映画としては良かったですよね~。
芸術家同士のぶつかり合いも良かったし、
2人の愛もステキでした。
これは好きな映画ですね~
こっちゃんもまた観ようかなぁ
トラバありがとね♪
主演2人も良いし、音楽も良かった。
久々にけっこうな見応えがあった映画だったよ。うん。
トラバしておくねぇ~~。
これはなかなか足が向きませんよね~。
でも観てしまうと「ああ良かった!」と感激できる映画です。
DVD早くなって欲しいですよ、こっちゃんも。
こっちゃん
コレ観たいんだけど、なかなか時間が取れない~
でもこっちゃんの感想読んだら早く観たくなったわ。
DVDまで我慢かな~ちょい辛い・・
ぜひ観てみて下さい。
ミニシアター系でもいい映画はいっぱいありますね~。
これもそんな作品です。
感動しました。泣きました。
km_achinさんも泣ける映画が好きなんですね~。
良かったぁ~。仲間ですね(笑)
こっちゃん
「がおー!」って意味じゃないよね(笑)
ピカソが好きならこの映画観る価値ありです。
クリムト良いですね~。
こっちゃんも好きですよ。
こっちゃん
この映画のこと知らないなー、と思って読んでいたらミニシアター系だったんですね。
DVD待ちますー。
ルオーの絵とか好きだぞ
ピカソも好きだぞ
クリムトはもっと好きだぞ
こっちゃんもそうでしたよ。
でも、この映画を観たら、結構好きになりました。
アンディはちょっと太めでしたけど
良かったです~♪
ぜひDVDで~。
のぼせないでね~。
こっちゃん
試写会は行けなかった~。
いいなぁ~。
そっかー。
楽しんできてね~。
レビュー楽しみにしてますよ~。
この映画もいいよ~。
mくんがホームシアター組んだ後に
DVD発売だと思うからお家でたのしんでね~。
こっちゃん
この頃のピカソはまだこんな風だったんですね。
コレ以降、だんだん煮詰まってきたんですね。
彼がコンテストで描いた絵はまさにその始まりを意味しますよね。
二人は永遠にライバルとしての関係を保って行くのだと思います。
モディが死んでしまった後も、ピカソにとっては
彼がライバルだったのではないでしょうか?
良い映画でした。
薦めてくれてアリガトね。
こっちゃん
それじゃあ、予告編の役目を果たしてないんじゃないかってコトですわね~。
DVDでも良いと思いますよ。
まだまだ公開中ですが。
来年でもこの映画を覚えていたら手にとってみてね~♪
こっちゃん
楽しみに待っててね。
アンディ・ガルシアもさることながら
絵に泣かされるといった感じの映画です。
くまたんの言うこと聞いてよかったデス!
こっちゃん
動かされないのですが、
アンディ・ガルシア、観たいですね。
いろんな画家が映画になっていますが、
画家ってその人自身がもうドラマチック
ですよね。この時代の画家たちの交流
とかも面白そう。
ってDVD待ちだけど・・・ほほh~。
風呂入ります!
じゃあ、DVD買おう・・・まだ先だけど(笑)
そういえば、試写会当たりました!!
「私の頭の中の消しゴム」9/12に見てきますね。レビューは9/19以降になると思うけどね。
泣いた事ってないかもしれない。
彼にとっては新境地と言っても
良さそうですねー。
映画館で予告やポスター&たくさんの写真を
見たかぎりでは、こっちゃんが泣くような
素晴らしい映画だとは思わなかった。
DVD待ちかなぁと思ってたけど、
機会があったら行ってみますね♪♪
ミニシアター系好きだけど、
やっぱりなかなか観れないんだよねぇー
この頃のピカソも大好きです。
互いに才能を嫉妬し認めていたのでしょうかね?
夢路と比較されますが、くまたんは違うなって思いますです。
モーレツに観たい。DVD待ちですか~。
くまたんよかったね。
こっちゃんは観てからどっぷり浸かったってカンジ。
ガルシアはもうチョット痩せていても良いかと思うんだけど、
こっちゃん的には。
でも、そんな事お構いなしで
のめっちゃった!
スンバラシイ!
なになに?
「モンパルナスの灯」?
聞いたことないけど調べてみるッス。
こっちゃん輝き中。
でもDVD待ちになるかなぁ~。
これを観たんだったら、「モンパルナスの灯」もお勧めだす。
古いフランス映画だけどイイよ。
これを観たアナタが光り輝いて見えます。