こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

ゲド戦記 (2006)

2006年07月31日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境 

映画館  
上映時間 115分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (東宝)
初公開年月 2006/07/29
ジャンル ファンタジー/ドラマ

 

竜が人間の住む世界に現れて共食いを始めるなど、異変が起こりはじめた多島海世界“アースシー”。異変の原因を探るべく旅に出た大賢者ゲドことハイタカは、その途中で父王を刺して国を飛び出してきたエンラッドの王子・アレンと出会った。2人はともに旅を続け、ハイタカの昔なじみ・テナーの家へ身を寄せる。しかしテナーと共に住んでいた少女・テルーは、心に闇を持ち自暴自棄となるアレンを嫌悪するのだった…。(goo映画より抜粋)

 

※ネタバレはしていませんが、酷評になってしまいました。
  まだこの作品に興味をお持ちの方は読まれない方が良いと思います。
  この作品を愛してやまない方もぜひこのまま素通りして下さいませ。
  でわでわ・・・。

 

「人間の頭が変になっている。」って?

言いたくはないけども、
この出来栄えのまま公開してしまったスタジオジブリの頭は
それこそ”変になっている”と思う。

言いたくはないけども、
もしこれをスタジオジブリのクオリティの中で生まれた作品と考えるならば、
明らかに”過去最低の出来”だと思う。

言いたくはないけども、
長回しの予告編でも使われた「テルーの唄」と優秀なジブリスタッフだけあれば
この映画が成功すると読んだ(わけではないだろーが)プロデューサー鈴木敏夫氏の
過去最大の失敗”であり”最悪の悲劇”だと思う。

言いたくはないけども・・・

言いたくはないけども・・・

 

などと言ってるうちに、あれもこれもと出てきてしまう。止まらない。
ちょっとこれは”痛ジブリ”。
『ゲド戦記』の”ゲド”は、「こんなはずじゃなかったんだゲド」の”ゲド”ですか?
それとも「次回は上手くやろうと思ってるんですゲド」の”ゲド”ですか?

スタジオジブリというより、”フカミニズブリ(深みにズブり)”という感じですね。

もはやこの作品の酷評をネットで探すのに苦労はしないでしょう。
ていうか酷評に当たる確立の方が絶対に高いと思う。
今さら付け加えて言う気など起こらないほど あちこちで嘆きの言葉が語られています。
いかに劇場に足を運んだ人の多くが今回、苦虫を噛み潰した表情で家路に着いたのか
という事が良ーく分かりました。

そういえば、公開前に『ゲド戦記』を取り上げたある番組を観ていた時のこと。
出演者の間でこんなやりとりがありました。

「あなたはどのジブリ(もしくは宮崎駿)作品が一番好きですか?」

「ナウシカ」「ラピュタ」「トトロ」「火垂るの墓」「カリオストロ」「猫の恩返し」...

皆、悩むことなく思い思いの作品の名をポンポンとあげています。
これが「どれが一番好き?」と聞かれず、「好きな作品全部どうぞ」だったなら
きっとほとんどの作品の名前があがるのだと思います。

言い方を変えれば、
ジブリとはそれほど多くの人を感動させる名作を数多く生み出してきたスタジオなのですね。
そして、ちょっとやそっとの出来では もはや傑作とは呼ばれないほど
そのクオリティは高くもなってきています。

ちなみに、こっちゃんの”駿ちゃんBEST5”はこんなカンジ。

そんなところへ持ってきて、人たちの期待を背に新たに産声を上げたこの作品。
しかし今後「一番好きな作品は?」という質問でこの作品に手を上げる人は果たして何人いるでしょうか?
ほとんどいないか、もしくはいてもかなり少数派に留まると思うわけです。

だって、観終わった後に満足感がほとんど残らないもの!
そして「また観たい」と思わせない。
自分にとってはそれが『ゲド戦記』のストレートな感想です。

致命的なのは、今までのジブリ作品のようにワクワクしないこと
できないんです。どうしても。
ストーリーを追うのは容易ですが、
登場人物に感情移入するのはかなり難しいと感じました。
それはキャラクターに観客の心をつかむほどの魅力がないから。
何しろ 感動を求めて足を運んだ観客よりも先に、
主人公がひとりで盛り上がって泣き始めるような状態ですからね。
「あれれぇ~?置いてきぼりかい?」と言いたくなります。

それとメインテーマはいったい何だったのか?これが一番つかめない。

「世界の均衡が崩れつつある」
   だから世直しするかと思えばそうでもない。

「命を大切にしない奴はだいっきらいだ!」
   だから命の尊さを強く訴えるかと思えばそうでもない。

「ボクは父を殺してしまった」
   だから罪を背負って生きるのかと思えばそうでもない。

「竜が共食いをしている」
   だからその原因をつきとめるのがメインかと思えばそうでもない。

「その昔、竜と人間は共に暮らしていた」
   だから再び同じ世界に暮らすだけの話なのかと思えばそうでもない。

見方を誤ったのだろうか・・・?何か大きな見落としがあったのか?

すでに鑑賞された方のレビューでは
「音楽は良かった」「声優は良かった」「絵は良かった」など
部分褒め”も見られましたが、こっちゃん的には
正直そんなことを語る前にもっと言いたいことが出てきてしまいます。

忘れてならないのは、
この作品の監督は、宮崎駿氏ではなく 息子の吾朗氏だということ。

過去のジブリ作品の制作スタッフではないどころか、
アニメやドラマとは全く無縁の建築設計事務所に勤務していた人。
言うなれば、生物学的には父親の血を引いているものの
要は”ただの息子”ではないですか。

この映画はそういう人が監督に立った作品だということです。

そんな彼が”初監督”になる経緯には色々あったようですが、
ひとつ言えるのは「鈴木敏夫氏が持ち上げて監督にした」という事。
想像するに、そこには色々な思惑があったのではないでしょうか?
ただどんな理由にせよ、そんなことは観る側には本来どうでも良いことで。
結果的に見れば、そこに無理があったのはこの出来から自然と分かります。

日本はもちろん、世界中の”ジブリ信者”や”ジブリスト”にしてみたら、
この作品に対する目が厳しくなるのは仕方のないところでしょう。
どうしても偉大な先人である父の作品と比べてしまいます。
もう駿氏の作品で目が肥えちゃってますからね。

「これは今までの”ジブリ定規”で測ってはいけない作品。」
そう言うに決まってます。
だから「スタジオジブリの作品」と思って観に行く人には
こっちゃんもこの作品はお勧めしません。

とは言っても、ほとんどの方がそう期待して行くのでしょうけど。

自分は今回 あえて自ら進んで”酷評”を散々読み、そして頭にインプットし、
相当覚悟を決めてから鑑賞に臨んだつもりですが、
残念ながら皆さんの酷評に納得してしまう結果に終わってしまいました。

「ミイラ取りがミイラの勉強をしてミイラになった」ようなもんですね。

観る前は、前売り1,300円でお安く鑑賞できたつもりでしたが、
観た後ではその価格に見合う満足感すら残りませんでした。
ボッタクリとまでは言いませんが。

とにかく全体的に作りが硬いのですよ。 これは肩の凝る硬さですよ。
なんでしょう?ここが父とは違う吾朗氏の気質なのでしょうかねえ?
設計士らしくというか、まるで図面のように線引きされた上に出来上がった
映画のようでもありました。
型どおりの運びにばかり目を奪われて演出が薄くなってしまった印象です。
もしかしたら、感情の希薄さを感じた原因はここかもしれませんね。

これでは人は感動できません。

ただ、こんな作品でも★(一つ星)にしなかったのは、
それでもGONZOのアニメよりはまだ面白かったから。
言い方は悪いですが「腐ってもジブリはジブリ」です。
やっぱり他のアニメよりは良い。
もっとも こっちゃんのこんな三流感想なんかそっちのけで
理屈抜きで楽しめた人だって、探せばいるはずです。

ええ。いるはずですとも。

宮崎吾朗氏はこの作品で教訓を得て、さらに勉強し、
また新たに作品を手掛けられるのでしょうか?
それとも今回でショゲて「オラ、もうやめた!」となるのでしょうか?

もちろん今回の作品だけで彼を否定する気はありません。
それはジブリに対しても同じです。
個人的にはあと5作品ほど手掛けた後の吾朗氏の作品を観てみたい
ような気もします。

もっとも、まだ続けてくれるなら・・・ですが。

公開日に劇場に足を運ぶきっかけになったほど惚れこんだ「テルーの唄」。
何よりあんなに良い歌が、
勿体無い使われ方に終わってしまったのが一番のガッカリでした。
テルーがただ歌って終わり。え?これって何?

そこだけが唯一の頼りで行ったのに・・・。

何にせよ個人的には、今回の失敗の原因は吾朗監督ではなく、
その周りで笛を吹き彼を踊らせた プロデューサー鈴木敏夫氏にあると思います。

頼むから、もう あまりガッカリさせないでくださいね、鈴木さん。

 

【作品】ゲド戦記

【制作】スタジオジブリ

【監督】宮崎吾朗

【原案/父】宮崎駿



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25 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
酷評になりますよね。。 (こーいち)
2006-07-31 15:15:25
こんにちは。

僕もジブリ作品にはどうしてもワクワク感を期待してしまいます。

今回もかなりウキウキして鑑賞しましたが全体的に暗くてビックリでした!

監督はすごく真面目な方なんでしょうね。



駿監督のジブリ作品が観たくなりましたw

返信する
あらら、酷評~ (かぶ、ですゲド。)
2006-07-31 19:45:40
そっかー、息子の作品だったのかぁ~。

「ゲド戦記」といえば、「指輪物語」、「ナルニア国物語」と並ぶ3大ファンタジーのはず。



それを日本のアニメが潰しちゃったって感じかな?

ハリウッドに任せればよかったか!?



う~~ん、でも「エロ伯爵」をなぜ消すんだ!(*`◇´*)/

そのままでもイイじゃないか!!



・・・「フカミニズブリ」に座布団1枚!
返信する
ハリウッドでも (くまたん)
2006-07-31 21:19:37
失敗したから、今回作ったらしいですよ。

KABUさん。

こちゃさんが、詳しいですから。



エロ伯爵を消してどこが悪い!(*`◇´*)/
返信する
なんだか (miyu)
2006-07-31 22:33:29
悲しくなる感想ですねぇ~(T-T) ウルウル

世界の宮崎駿とデビュー作で比較されちゃう

吾郎さんも大変だろうなぁ~とは思いますが、

それはもう宿命ですものね。

多分悲しくなったのは、

こっちゃんの嘆きが伝わる文章だったからだと

思います。

これからもきっとジブリはいい作品を作ってくれると

信じましょう♪←根拠はないが(´▽`*)アハハ
返信する
怒ってない? (nigera)
2006-07-31 23:46:40
嘆きというより怒りが伝わってきましたよ~

そうですか・・・

うんうん・・・

これはTVでも観なくて良いかも、です。



お毒見、お疲れ様でした。



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こちらのユーザーレビューが興味深いです。 (【お返事】こっちゃん)
2006-08-01 00:14:09
興味があればぜひ読んでみて下さい。



http://movie.goo.ne.jp/review/movie/MOVCSTD9102/1_20/index.html
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怒ってませんよ。 (【お返事】こっちゃん)
2006-08-01 00:25:38
▼こーいちさんへ

どうしても酷評になってしまいます。

これでも何度も何度も書き直したのですが

書き直すたびにヒドクなってしまうので

ここで止めにしました。(笑)

良く言えばマジメな作品ですね。

悪く言えばマジメすぎる作品です。





▼かぶさんへ

あ、知ってるねーさすが!

そうそう。

原作は大変な名作らしいですね。

もち読んだことはありませんゲド。

これ、実はアメリカの会社がTVドラマ化してるそうです。

詳細はこの上のコメントに掲載した記事を読んでみてね。

そういうことらしいですよ。

エロ伯爵・・・そりゃ消すでしょ。(笑)





▼くまたんへ

ハリウッドじゃないみたいだけどね。

ドラマだって。

そっちこそ駄作だったらしいね。

エロ伯爵を消されて怒る人はきっとエロ伯爵だよね。





▼miyuさんへ

この上のコメントに掲載したレビューによると

今回は吾朗さんだけのせいではないようですね。

色んな不幸や不運、読み違いの結果

こんな出来になってしまったようです。

問題は駿パパの後継者は今のジブリにいないという事ですね。

嘆きが伝わりましたか?

何度書き直しても酷評になってしまいます。

どうしてでしょう





▼nigeraさんへ

怒ってませんよ。

それにキレてませんよ~。

ただ覚悟して行ったにも関わらず

ガッカリさせられたことは残念でした。

ヒドイというよりも

何も残らないというのが大問題です。

ジブリ作品にとって、それはあってはならない事です。

たとえ息子の初監督作品だとしても。。。
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私もがっくりと肩を落として劇場を後にしました。 (朱色会)
2006-08-01 01:23:53
映画監督というものは世襲制が通じませんな。一言でいってジブリ映画「みたいなもの」でした。2作目は頑張ってほしいのですがそのまえに、観客の感想・コメントから目をそらさずに、いままでの作品を愛でてくれたファンの悲鳴・怒号・嗚咽を受け止めてほしいものです(泣
返信する
ここまで酷評なジブリ作品・・ (m52387177)
2006-08-01 08:15:31
興行成績がどうなるのかがちょっと興味があるなぁ~



うっふ~ん(o^-^o) ウフッ



まぁ、怖いもの見たさじゃないけど、たぶん見に行くと思う・・ゲド・・(´▽`*)アハハ



ちなみに、



1、ラピュタ

2、カリオストロ

3、魔女宅

4、ナウシカ

5、トトロ



な、おいらです。

うっふ~ん(o^-^o) ウフッ
返信する
がっくし。 (【お返事】こっちゃん)
2006-08-01 09:35:41
▼朱色会さんへ

・・・ですか?(笑)

ですよね。



この先ジブリはどこへ行くという不安もありますが

暖かく見守りたいと思います。

まだね。

声が吾朗氏に届くといいですね。





▼mくんへ

興行成績は上がると思います。

ジブリ流宣伝効果のおかげで。

ただし観た人の満足度は・・・低いだろうなあ。

お!3位に魔女宅がはいってるね。

mくんも夢のある作品が好きだよね。
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