こっちゃんポイント ★★★★
鑑賞環境 こっちゃんシアター 上映時間 123分 製作国 日本 公開情報 劇場公開 (東京テアトル) 初公開年月 2000/08/12 ジャンル ドラマ/犯罪
母が営むクリーニング屋の2階に篭り、ひたすらミシンを踏むだけの生活を送っている35歳の吉村正子(藤山直美)。丸眼鏡に太った体、服装にも気を使わない彼女は、友人も恋人も作らずに社会との接点を拒み続けてきた。ところがある日、唯一の味方である母(渡辺美佐子)が急死。葬儀で顔を合わせた美しい妹(牧瀬里穂)に罵られたことがきっかけで、正子は突発的に彼女を絞殺してしまう。そして、側にあった香典を手に家を出て逃走生活を始めるのだった。生まれて初めての様々な経験を通して、俗世間に揉まれていく正子。さらに色々な男たちとの出会いを経て、彼女は外面も内面も磨かれ自信をつけていく。しかし、そんな彼女に警察の追っ手が迫り…。
(NTT-X store解説より抜粋)
これはまた、「藤山直美ここにあり!」という邦画。
全編を通して、彼女の異質な魅力が炸裂します。
病気ではない。
しかし美人で自由気ままに生きる妹とは正反対に、家に閉じ篭りっぱなしの生活。
自分をさらさず、他人を受け入れず。
そんな風に35年を過ごしてきた彼女が、ある日母の急死をきっかけに、自分を罵った妹を殺してしまう。
そして、逃亡生活へ。 母の葬儀の香典袋を根こそぎ持って・・・。
と、まあこんな話ですが、思いの他描き方は明るい。 ここが救いです。
これにオドロオドロしいBGMなんかが重なろうものなら、観るに耐えない作品になってしまったでしょう。
でも、この作品の方向性は違うのですね。
『顔』というタイトルから、整形手術で顔を変えながら逃亡するというハナシかと思いましたが、違ってました。
コメディというわけではないけども、どこかクスッときてしまう部分もある逃亡生活。
何気ないシーンの次にいきなり殺人や自殺のシーンをもってくるなど、
映画自体のコマ割りは、サラッとしていながらも大胆な印象を受けます。
監督は『KT』『亡国のイージス』『ぼくんち』などの阪本順治氏。
個人的には肌の合う監督さんだったりします。
お陰でこの映画も好印象でした。
さて。ストーリー的には「今さら・・・」と、さほど目新しさを感じないものの、
この映画の魅力はとにかくキャスティングにあるようです。
主人公の藤山直美は、もう「そういうひと」にしか見えない役作り。ここに全力を注ぎ込みます。
「人間、こうも他人に成り切れるものなのか?」と驚かされますね。
さらにもっとビックリなのがその主人公を取り囲む脇役のキャスティング。
牧瀬里穂は彼女の妹役で登場。 しかし早々に殺される。
トヨエツこと豊川悦司はヤクザに成り下がり、
國村隼はシャ乱Qを唄う。
佐藤浩市は退職させられた会社を恐喝し、
宮藤勘九郎はレイプに至る。
ラブホ経営の岸部一徳も印象に残るし、
内田春菊までがチョイ役で登場する次第。
もちろんバーのママ役 大楠道代の存在感は圧倒的。
この意外性に溢れたキャスティングこそが、この映画最大のサービスだと思うわけです。
きっと他ではお目にかかれない貴重なシーンに出会えますよ。
この映画は、2000年の日本アカデミー賞で作品賞をはじめ5つの賞にノミネート。
結果的には監督賞を受賞しています。
しかし不思議なことに藤山直美の主演女優賞のノミネートはなかったようで。
え?なぜ?
この年の日本アカデミー賞:主演女優賞は『長崎ぶらぶら節』 の吉永小百合、『はつ恋』 の田中麗奈、
『ホワイトアウト』の松嶋菜々子、『雨あがる』の宮崎美子、『川の流れのように』の森光子
らがノミネート。
そして結果的には吉永小百合が受賞・・・。
ここにまたまた”大人の事情”を感じなくもないのですが。
まあ、他の作品を全部観てはいないので、なんとも言いようがありません。
ともかく、この映画の藤山直美は良いです!
故:藤山寛美を父にもつ彼女。
”恥”、”プライド”、”世間体”などを気にしていては到底この演技には辿り着かなかったはず。
そういう意味で、彼女を大いに評価したいですね、個人的には。
ぼそっと口にする彼女の台詞、
「別に許してもらわんでエエよ。」「ともだちおらんかったらアカンの?」が耳に残ります。
まあ、この映画のラストのオチが大好きです。
そこで幕を閉じますかって感じ。(笑)
藤山直美、阪本監督、ブラボーです!
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やっぱり、初めは怖いだろうけど、なれてくると楽しくなるのかな?
考えただけでも難しい演技だね。
ずっと前、観たくて探してたんだけどなくて、結局観れず仕舞いだった映画です。
藤山直美がすごくいいと聞いてたんだけど、こっちゃん評もそうなのね~
しかし藤山直美も、だんだんお父さんに似てきてるなぁ~。
こっちゃんお気に入りに監督作かぁ。
ラストのオチが観てみたいな。
う~ん、そのうちDVD観るか。
彼女は達者な役者ですね。達者すぎるくらいです。
役者の子供のなかでも特別に才能を感じますね。
この間も小百合さんだったかしら?
役者ってのはつくづく凄いって感じる一本です。
自分がこんな役できるか?っていわれたら絶対無理だよね。
その前に役者じゃないしね。
▼Swanさんへ
そうそう。
これ藤山直美ありき!の映画ですよ。
彼女、いいです。とにかく。
レンタル店によってはテープしかないかもしれませんが
一見の価値ありますよ。
ぜひドーゾ♪
▼かぶかぶさんへ
シブいでしょ。
これ、くまたんオススメで観てみました。
くまたんはこういう映画に鼻が利きます。
ヨカッタですよ。
オチ、笑っちゃました。
伏線がちゃんと効いているオモロイオチでした。
▼はんなさんへ
そうですね。
この前も小百合さんですね。「北の零年」で。
これ豪華な俳優陣ですよ。
そしてちょっと意外なキャスティング。
そこがヨカッタよ。
権威ある賞にしたいと思うのなら
もうちょっとちゃんと選ばなくちゃですよね。
むしろビートたけしが個人的に自分びいきで選んじゃう
日刊スポーツの映画賞(賞名は忘れたけど)
の方がよっぽど面白いですし、
こっちゃんのふぁんたすてぃっく映画祭の方が
よっぽどタメになります(´∀`*)ウフフ
この映画あたしも好きですよ~。
観てからだいぶ経つんだけどね。
藤山さんの演技やお話なんか結構印象に残ってますよ。
日本アカデミー賞・・・しがらみだらけっぽいですね。
おすぎ先生もしがらみっぽいです。
何でも大きくなると利権とか金とか良くないことが絡んできちゃうみたい。
で、結局意味ないものにしちゃってますよね。
この映画で藤山直美がノミネートすらされなかったのは
絶対オカシイと思う。
何でも小百合じゃなきゃダメなのでしょうか。
ホント藤山直美さんありきだよねー♪
大楠さんもすごかったイメージ。。
あ、何気に今のNHK朝ドラ、藤山さん&
國村さんだよね・・・観てないけど^^;
mayさん、こんなのも観てるの~?
すっごーい!
ほんとこの映画を語るのに藤山さんはハズせませんよね。
彼女あってのこの映画です。
大楠さんはさすがですね。貫禄でした。
NHKの朝ドラ、今そんなことになってるの?
こっちゃん知らなかった。
そんなにいいのなら、観なくては。
でも、100円セールでいい、こっちゃん?
だって、メモっただけでも、相当な数レンタルしなくっちゃ・・・アセアセ・・・。