海山の創作ノート

工房T 海山の書、印、絵、版画、工作、etc.日々の暮らしの中で出来た作品を紹介します。 さて、今日は何を作るかな。

No.925 印 (転写による字入れ)

2017-07-18 | 


印 (転写による字入れ)

No.918で紹介した、成人書道講座「小篆で氏名」で、小篆の練習をしてから、印稿を原寸で作ってもらいました。

これらは、14人分の転写を私が一気にやったところです。

篆刻がはじめての人に、きっちりと手順を踏んで学ぶというのが正しいのかもしれません。

しかし、ほとんどの受講生の方が60台後半から80台のご婦人ということ、そして限られた時間で、楽しく作りあげるとなると、難しい手順では行えません。

もちろん、正しい手順は説明しますが、ご自分の個性の出る所はやってもらって、こちらでできることは準備してしまおう、ということにしました。

そこで、前回の終りに印稿を原寸で墨書してもらい、それをコピーしてマジック転写という段取りです。

ところが、黄色のマジックが手に入りません。この町には文房具屋さんがありません。ネットで取り寄せればいいのですが、他の方法はないものかと調べました。

見つけたのが、除光液による転写です。

除光液ならば100均で手に入ります。ただ、除光液なんて使ったことがないので、どんなものを使うのか。果してコピーのトナーが溶けるのか。やってみなければわかりません。

ポイントは、成分にあります。トナーを溶かす成分が入っているかどうかです。

その成分は、アセトン。

除光液といってもいろいろありますから、アセトンの入っているものでなければなりません。

そして、黄色のマジックでもそうですが、転写にはちょっとしたコツがいります。

やはり、はじめて人には、何度も失敗して時間がかかりそうです。

そういう訳で、14人分の印を転写しました。

実は、黄色のマジックよりもきれいに転写できる、ということが分かり、うれしいですね。

手順は
①印稿をコピーする。
②印稿のコピーを印材に合わせて切る。(上下は印の大きさ、左右は数㎝ゆとりをもって)
③印面を整える。(サンドペーパー120番、水ペーパー600番)
④整えた印面に、印稿のコピー面を着けてセロハンテープで留める。
⑤印面に貼ったコピーの上に、綿棒で除光液をつける。
⑥印面全体に除光液が染み込んでコピーの字が見えたら直ぐに、本などに押し当てる。(紙を数枚当てる)
⑦セロハンテープを外して、転写しているかを確認する。
⑧うまくいっていれば字入れ(布字)の完成

そして、次はいよいよ刻です。

刻は、ご自分でやってもらいます。
楽しみですね。



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