学生時代に多大な影響を受けたオーディオ評論家は何人か居られましたが残念ながらすでに鬼籍に入られた方がほとんどで改めて自分も歳とったと思います。長島鉄男氏はその中の一人で氏の歯に絹着せないオーディオ論評は爽快でまた発表した多数のスピーカーシステムは氏の筆力もあってとても魅力的なものでした。現在でも書店では氏の書籍を見かけることがあり没後17年経過しているにもかかわらずその影響力は衰えていないのではないかと思います。
発表されたスピーカーシステムの共通点はユニットはフォステクス、材は合板、仕上げなし、というものでかのオーディオ評論家の江川三郎氏から「モンキー工法」などと揶揄されてたと思います(お二人はとても仲が良かったらしい)。氏のお気に入りのアンプや推薦されていた盤は未だ中古市場では高値で取引されている。代表作の一つであるバックロードホーンはかつてはメーカーのスピーカーでも多数見られたがPA用途以外はほとんど廃れていたのを長岡氏が復権させた。
私も氏の設計した音道が階段のように見えるバックロードホーン、棺桶のようなスーパーウーハー、そしてマトリックススピーカーを作って聴いていた時期があった。バックロードホーンとスーパーウーハーは消息不明(!)だがマトリックススピーカーは見た目のインパクトとコンパクトさの為か40年近く経過した今でも手元にある。しかしここ数十年は稼働していない。久しぶりに見ると当時のフォステクスのスピーカーの弱点であったコーン紙とフリーエッジの接続部が怪しくなっていて早速補修した。
使用ユニットFostecs FE103で初発は1964年というものだがその系列は途絶えることなく現在も続いている。軽量なコーン紙と強力な磁気回路が特徴だがもともとテープレコーダーに組み込んで使われていたという話を聞いたことがある。スピーカーユニット専業メーカーは他にもあったがFostecsが生き延びたのはやはり氏の薫陶を受けたことが大きいと思う。スピーカーシステムの自作ブームを牽引したのは間違いないところ。「モンキー工法」などと言われながらも誰でもやる気さえあればホームセンターの木材裁断サービスを利用してあっという間に形にできて絶対に失敗することはない。(失敗というのは音が出ないという意味で)「発せられた音が客観的にいい音か否か」は二の次で本人が気に入ればOK。ただし仕上げのない合板の断面丸出しの家具は家族の反発を招き、マイブームの収束と共に静かに引退する、、という流れかと想像する。
久しぶりに聴いてみると(アンプはJBL SA660、音源はitune)やはり低音不足。マトリックススピーカーは20種類くらい発表されたと思うがダブルバスレフでこの欠点を補ったのがあった。調べてみるとMX-10という名前が付いていてこれは聴いたことがない。(ちなみに第1作は当然MX-1)
正面の2本のスピーカーからは左右の音が均等に、左右は差(Right-Left、Left-Right)が出てくる仕組み。したがってモノラル音源時は左右スピーカーは鳴らない。
音源によっては面白い効果がある。ただし音楽鑑賞に向くかといえばやはり厳しいと思います。あくまでもサブシステムか。肝心の音場効果も感じる個人差が大きく試聴記のような広大な音場、縦横無尽に動き回る音(だったかな、、)のように感じられる人がいれば何とも感じない人もいる。これはステレオ効果を感じやすいかどうか、ステレオアンプやスピーカー左右の位相特性が異なった場合の定位の乱れが感じられるかどうか、もっといえば歪んだBGMにも全く気にならない人もいる、、などにも当てはまってやはり個人差ということだと思う。
アンプのBASSを少し持ち上げて聴いているとバランスの悪さが気にならなくなってきた。やはり慣れは大事。
世間では8K、22.2chなどと言われる時代になった。またVRスコープは今後当たり前に浸透すると思う。8Kは画角が100度で大丈夫だそうでほとんど視野いっぱいに広がる感覚。それに(22.2chはムリでも)サラウンドを組み合わせて、、考えるのはバーチャル旅行。リアルタイムの旅行経験を自宅で行える日はすぐそこのように思う。いろんな事情で外出できない人には喜ばれるかもしれない。お金のある人はバーチャル旅行で予習して本チャン旅行に行けばどうでしょう?
失礼いたしました。
後日談
先日かなり行き遅れの高齢婚でしたがめでたくお嫁に行きました。送り出す時に「シスコンのスピーカーはいずれ捨てられる運命かと思うけれど、こう行った類のスピーカーはユニットを取り替えたりして永く生き延びるかもしれない」などと考えてしまいました。
発表されたスピーカーシステムの共通点はユニットはフォステクス、材は合板、仕上げなし、というものでかのオーディオ評論家の江川三郎氏から「モンキー工法」などと揶揄されてたと思います(お二人はとても仲が良かったらしい)。氏のお気に入りのアンプや推薦されていた盤は未だ中古市場では高値で取引されている。代表作の一つであるバックロードホーンはかつてはメーカーのスピーカーでも多数見られたがPA用途以外はほとんど廃れていたのを長岡氏が復権させた。
私も氏の設計した音道が階段のように見えるバックロードホーン、棺桶のようなスーパーウーハー、そしてマトリックススピーカーを作って聴いていた時期があった。バックロードホーンとスーパーウーハーは消息不明(!)だがマトリックススピーカーは見た目のインパクトとコンパクトさの為か40年近く経過した今でも手元にある。しかしここ数十年は稼働していない。久しぶりに見ると当時のフォステクスのスピーカーの弱点であったコーン紙とフリーエッジの接続部が怪しくなっていて早速補修した。
使用ユニットFostecs FE103で初発は1964年というものだがその系列は途絶えることなく現在も続いている。軽量なコーン紙と強力な磁気回路が特徴だがもともとテープレコーダーに組み込んで使われていたという話を聞いたことがある。スピーカーユニット専業メーカーは他にもあったがFostecsが生き延びたのはやはり氏の薫陶を受けたことが大きいと思う。スピーカーシステムの自作ブームを牽引したのは間違いないところ。「モンキー工法」などと言われながらも誰でもやる気さえあればホームセンターの木材裁断サービスを利用してあっという間に形にできて絶対に失敗することはない。(失敗というのは音が出ないという意味で)「発せられた音が客観的にいい音か否か」は二の次で本人が気に入ればOK。ただし仕上げのない合板の断面丸出しの家具は家族の反発を招き、マイブームの収束と共に静かに引退する、、という流れかと想像する。
久しぶりに聴いてみると(アンプはJBL SA660、音源はitune)やはり低音不足。マトリックススピーカーは20種類くらい発表されたと思うがダブルバスレフでこの欠点を補ったのがあった。調べてみるとMX-10という名前が付いていてこれは聴いたことがない。(ちなみに第1作は当然MX-1)
正面の2本のスピーカーからは左右の音が均等に、左右は差(Right-Left、Left-Right)が出てくる仕組み。したがってモノラル音源時は左右スピーカーは鳴らない。
音源によっては面白い効果がある。ただし音楽鑑賞に向くかといえばやはり厳しいと思います。あくまでもサブシステムか。肝心の音場効果も感じる個人差が大きく試聴記のような広大な音場、縦横無尽に動き回る音(だったかな、、)のように感じられる人がいれば何とも感じない人もいる。これはステレオ効果を感じやすいかどうか、ステレオアンプやスピーカー左右の位相特性が異なった場合の定位の乱れが感じられるかどうか、もっといえば歪んだBGMにも全く気にならない人もいる、、などにも当てはまってやはり個人差ということだと思う。
アンプのBASSを少し持ち上げて聴いているとバランスの悪さが気にならなくなってきた。やはり慣れは大事。
世間では8K、22.2chなどと言われる時代になった。またVRスコープは今後当たり前に浸透すると思う。8Kは画角が100度で大丈夫だそうでほとんど視野いっぱいに広がる感覚。それに(22.2chはムリでも)サラウンドを組み合わせて、、考えるのはバーチャル旅行。リアルタイムの旅行経験を自宅で行える日はすぐそこのように思う。いろんな事情で外出できない人には喜ばれるかもしれない。お金のある人はバーチャル旅行で予習して本チャン旅行に行けばどうでしょう?
失礼いたしました。
後日談
先日かなり行き遅れの高齢婚でしたがめでたくお嫁に行きました。送り出す時に「シスコンのスピーカーはいずれ捨てられる運命かと思うけれど、こう行った類のスピーカーはユニットを取り替えたりして永く生き延びるかもしれない」などと考えてしまいました。