レオ・ナフタは、頭脳俊敏なラテン語教師だ。絹の家に住む。極度の醜男だ。でも、実は、イエズス会士である。 ”フィクションの中でも陰謀の枢軸としてのイエズス会がしばしば強調される(wikiより引用)”ことが多いそうだが、トーマス・マンも(彼を)「淫蕩な男」とセテムブリーニに定義させてしまう。だが、レオ・ナフタは、知的すぎるのである。 . . . 本文を読む
今日から「魔の山」下巻を、再度1ページ目から読み直すことにした。理由は、単なる脇役で通過人だと思っていたナフタが、あまりにも鋭い言葉を言い放ち、私を煙に巻いているからだ。ナフタを意識していなかった。セテムブリーニばかりに注視して読んでいたからだった。
ナフタを創造したトーマス・マンの意図は何だろうか?トーマス・マンの恐るべき頭脳から創造される人物たち。彼らの放つ言葉には力がある。いい加減には . . . 本文を読む
「魔の山」下巻へ突入。下巻は全部で790ページ。いちにち100ページ程度読めば、来週の日曜日に読破できる勘定になる。本日91ページ通過。セテムブリーニ曰く、「人間はもともと善良で幸福で安全だった、ただ、社会の誤謬が人間を歪曲し堕落させた、したがって社会機構に批判を向ける労作を通じて、人間はふたたび善良に幸福に完全になるはずであるし、そうなるであろう---」・・p83 上のセリフ、、、”人間”を”日本人”に置き換えて読むと、現在の日本におけるカオスにおいて、自身の在り方も少し見えてくるような感じを抱いている。 . . . 本文を読む
録画していた「世界ふれあい街歩き」 Cinque Terre(チンクエテッレ)を見た。番組では、最東端に位置する街・・・リオマッジョーレ (Riomaggiore) -の街歩きだった。のんびりした雰囲気の漂うところのようだ。
BS各局は水曜日9時に(「世界ふれあい街歩き」に対抗させるためか)旅番組をぶつけてくる。馬鹿げた放送姿勢だが、「世界ふれあい街歩き」を録画して、他の2局から一つ . . . 本文を読む
「魔の山」上巻 p590 通過。ハンス・カストルプと医師ベーレンス顧問官(院長)は、生命や医学に関する論議を始める。その契機はベーレンスの描いた肖像画だった。
魔の山 (上巻) (新潮文庫)
高橋 義孝
新潮社
医師ベーレンスは己の描いた肖像画について、彼自身の解釈を披露する。絵を . . . 本文を読む
「魔の山」上巻p522通過、セテムブリーニが登場すると俄然面白くなってくる。またもや、時間論が始まる。セテムブリーニいわく「都市では、地代が上がって空間の浪費が不可能になるのに比例して、その都市では時間もいっそう貴重なものになっていくのです」
魔の山 (上巻) (新潮文庫)
高橋 義孝
新潮社
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BS朝日の”世界の名画~美の殿堂への招待~「甦った栄光の都 ドレスデン美術館450年の歴史」”を観た。 要潤さんのナレーターが心地よい。龍馬伝で彼を知ったが、ナレーターとしても優れている。優れた役者だ。 ドレスデンについては、何も知らなかった。第二次世界大戦末期、イギリス軍とアメリカ軍から、無差別爆撃を受けた。 . . . 本文を読む
「魔の山」上巻p381通過。第四章読了。当初、ハンス・カストルプは、又従兄弟(second cousin)の見舞いもかねて、サナトリウム(ベルグホーフ)に3週間程度滞在すれば良いかな、と考えていた。
しかし、サナトリウムに到着してから、ハンス・カストルプ自身の発熱が収まらないのだ。なんとハソス・カストルプまでが入院してしまうのである。そして療養生活を送ることになってしまった。驚くことに、ドクトル . . . 本文を読む
上巻p334通過。セテムブリーニが再登場する。ハソス・カストルプは彼の話を傾聴する。聞くに値するものだと判断する。セテムブリーニは”言葉”について語る。「言葉は人間の名誉であり、言葉によってはじめて人間は生きるに値するものとなる」「文学では美しい言葉が問題となる」「政治も文学に関係している」といい、何故ならば「美しい言葉からこそ美しい行為が生まれるからだ」と持論を打つ。
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地球バス紀行(BS-TBS)も楽しみにしている番組。今回は、ハルシュタットだった。ハルシュタットも美しいところみたいだけど、番組の前半に紹介されたフンデルトヴァッサー・ハウス(Hundertwasser haus)に住む家族の様子が素敵だった。
フンデルトヴァッサー・ハウスに関しては、このサイトが素晴らしい!⇒http://allxa.web.fc2.com . . . 本文を読む
今日のニュースは、「なでしこジャパン」のW杯初優勝に尽きる。何度も観ても感動的だ。最後まで諦めない彼女たちの姿はカッコ良かった。希望と元気と勇気をもらえた。
そんな目出度い一日だったのに、、、、、、、お昼前ぐらいから、急激な腹痛に襲われた。昼過ぎから夕方まで、苦しんでいた。たぶん軽い食あたりだったのだろう。
この暑さで冷たいもの(アイスコーヒー)や珈琲の飲み過ぎ、あるい . . . 本文を読む
魔の山
魔の山 (上巻) (新潮文庫)
高橋 義孝
新潮社
「魔の山」上巻p280通過。第四章:「時間感覚についての補説」(p217~)では、ハソス・カストルプの思索が展開されていく。
ハソス・カストルプは、ベルクホーフに来てからというものの、時計時間と己の内的時間 . . . 本文を読む
上巻p216通過。
魔の山 (上巻) (新潮文庫)
高橋 義孝
新潮社
主人公ハンス・カストルプは「病気は(ある意味では)尊厳なもの」と考えていた。しかし、セテムブリーニは「病気は(むしろ反対に)人間を卑しめるもので人間という理念を台無しにしてしまう痛ましい汚辱なもの」とも言い放つ。
となれば、(誰かが)病気であり(その人が)無知な . . . 本文を読む
「世界ふれあい街歩き」は毎回楽しみ。⇒ http://www.nhk.or.jp/sekaimachi/yotei.html
20日(水):チンクエテッレ(イタリア) ・・18日のルッカも素敵だった。イタリアの田舎もフランス同様に素晴らしい!
27日(水):オーデンセ(デンマーク)
29日(金):エクサン・プロバンス(フランス)
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白水社から、「出版ダイジェスト」2011年夏号が届いた。⇒無料なので、本好き人間には嬉しい! ⇒ ここ
数冊、読んでみたい本があった。まず、「パリ歴史事典」。とても面白そう!
パリ歴史事典(普及版)
鹿島 茂,鹿島 茂
白水社
マルグリット・ユルスナールの新刊「追悼のしおり」も紹介されている。
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