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「ニューヨーク1997」映画評

2016-10-29 | アメリカ映画

【あらすじ】

近未来、巨大な刑務所と化したマンハッタンに大統領専用機が墜落。元特殊部隊出身で終身刑のスネークは恩赦と引き替えに大統領救出に向かうが、残された時間は24時間しかない。ニューヨークをまるごと監獄に変えてしまったアイディアと、主人公を始めとしたユニークなキャラクターたちで、今なお根強い人気を誇る傑作SFアクション。特撮スタッフに若き日のジェームズ・キャメロンが参加している事でも有名。96年には遂に待望の続編「エスケープ・フロム・L.A.」が完成した。・・・<allcinema>より引用転載


【映画評】

かなり安っぽい感じがするB級映画のような印象を持ってしまった。しかし、マンハッタン島全体を刑務所にしてしまう、という状況設定(発想)とこの映画の根底に流れている反逆の精神は素晴らしいものがある。良い作品だと思う。

「ニューヨーク1997」の画像検索結果

たまたまだが、昨日に続き、ワールド・トレードセンター関連ものを続けて観たことになる。

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この作品は1981年作成されているから、1997年という未来のNYということになる。あの頃に想像された未来の風景は、暴力の支配に行き詰まってしまった社会、という想像のようだ。だからこそ、犯罪者たちをパッケージにしてマンハッタンに閉じ込めてしまった。そこへ、大統領専用機が墜落してしまった!さあ、どうする!

ある意味で、当時はアメリカも安全だったのである。しかし、0911以降のアメリカ社会。現実が想像力を遥かに凌駕してしまった。

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当時、テロ行為に破壊されるアメリカ社会は存在していない。だから、これを観た人々にはマンハッタン島=刑務所のイメージは相当インパクトが強かっただろう。犯罪者が閉じ込められたマンハッタンは、かなり荒廃した光景として描かれている。

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この作品、莫大な資金を投入して丁寧にリメイクすれば、化ける要素を持っている。例えば、2017年から観た2032年のNYを描けば、同じストーリーでも相当イケるだろう。問題はラストシーンだ。

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この映画のすばらしさはラスト・シーンにある。そこがかなり痺れる。このラストがなかったら単なるB級映画になっていただろう。社会がその根底に流れる健全な反逆の精神を喪失した時、その社会は内部崩壊していくことになる。この映画は瀬戸際でそれを防いだことになる。

評価:☆☆☆☆

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