神戸RANDOM句会

シニアの俳句仲間の吟行・句会、俳句紀行、句集などを記録する。

2021=春のおうちde句会

2021-05-02 | 吟行句会

新型コロナ第4波で、2021年4月25日から兵庫県は3度目の緊急事態宣言。GWは昨年に続き「がまんウイーク」になりました。
コロナ第3波が山を越えた2月末、播町さんから春句会の提案メール。
「鬱陶しい日々が続いていますが、めげずにお元気のことと存じます。『おうちde春句会』の開催を。また昨春中止された『柳本富子の足音』展が、4月3日から5月9日まで三木市立堀光美術館で開催されるので、有志で句会抜きの『三木吟行』(昨年案のミニ版)に出かけては」
つきひさんと一風さんで実施案を練り、3月3日に句会メンバーに第33回神戸RANDOM句会と三木吟行・ミニ版の案内状を送りました。2ヵ月かけた在宅句会の始まりです。
「今回の句会の兼題と投句数は、『春眠』、『桜餅又は鴬餅』、『蝶』で各1句、三木吟行参加者は吟行句3句、不参加者は自由句3句のいずれも計6句。三木吟行は4月6日(火)に開催。投句期日は4月20日。選句期日予定は4月末です」
おうちde春句会――――――――――
投句一番乗りは3月9日、前回も1番のひろひろさん。三木吟行は奥様の許可が出ず断念。
「近所の御厨神社の紅梅は落下盛ん、白梅は今満開です(3月7日現在)。今年は観梅のお客さん、カメラマンがいつになく大勢訪れられた様子。社務所の”犬友”のおばさん、走り回っておられました」
と、早春の梅の便り。
3月中旬までコロナ感染は下げ止まり状態。このまま収束かと、早い桜を楽しもうとしたら、3月下旬から関西で変異ウイルスによる感染が急拡大。
 世の中は地獄の上の花見かな  一茶
4月3日から『柳本富子の足音』展が始まりましたが、5日に阪神間で「まん延防止等重点措置」適用。6日の三木吟行は、通勤時間帯を避け、予定を2時間ずらして開催。
メンバーからの投句は締切の4月20日に12名・71句が集まりました。今回の欠席は、ろまん亭さん、英さんでした(次回にはご参加を)。
作者を伏せ、兼題ごとに句をランダムに並べ替えた選句表を作成し、締切日を4月30日にしてメンバーにメールと郵送で選句表を送付。各自、自作以外の気に入った6句を選びます。特選1句2点、その他5句1点で、各人の持ち点は計7点。参加者12名の総点数84点の争奪戦です。
選句は4月30日に全員分がそろい、得点集計と選定理由を取りまとめ、作者の句のコメント・近況報告とともにつきひさんにメール。感想と添削例のコメントをいただきしました。


では、全員参加の兼題句『春眠』、『桜餅又は鴬餅』、『蝶』の句、自由句、三木吟行句の順で、メンバーの投句と作者のコメント(*)、選句で獲得した得点(丸数字、は特選句で2点)と選句理由(〈選〉)をご覧ください。兼題句と自由句の配列は投句の到着順です。


春 眠
 

春眠や布団にもぐり駄句を詠む  ひろひろ
春眠といふ桃色のジェル世界   つきひ②
〈選〉朝寝しているとカーテン越しに明るくなって、目を閉じているとまさに桃色の世界
   です。…だっくす
漱石の膝に「吾輩」春眠す    播町③
〈選〉・膝に眠るのは人?猫?…どんぐり
   ・先入観ではよめないおもしろさ。…一風
   ・面白い。…稲村
春眠の中に現る友の顔      一風
*長く会わないと顔も忘れる?
昼下がり老爺目覚めぬ春眠は  蛸地蔵
点滴のリズムに術後春眠し   さくら➀
*コロナで病院は面会謝絶。送られた写メールは点滴しながらうつらうつらする様子が。
 無事手術が終わった安堵は心地良い春眠の世界のよう。
〈選〉・正に春眠せざるを得ない状況が的確に表現。…蛸地蔵
   ・回復されましておめでとうございます。…ひろひろ(選外)
お昼過ぎ坐ったままで春眠す  弥太郎
雨音の奏でるリズム春眠し   だっくす②
*今朝は静かな春の雨音が心地よくて長い間ベッドで過ごしました。
〈選〉・穏やかな春の雨を聞きながら眠る心地よさ。…弥太郎
   ・早朝の春雨はいいもんだ。…ひろひろ(選外)


 
春眠や文字の踊ってゐるノート  どんぐり④
〈選〉・ついうとうとしながら、ノートにいろいろ書き連らねたら、文字が踊ってしまった。
    いや、いい夢だったので、目覚めて、踊っているように見えたのか。…播町
   ・書き物をしつついつの間にか心地良い春の眠りに襲われてしまった境地。共感。
    …さくら
   ・俺の日記帳のごとし。…ひろひろ
   ・講義のはじめの30分は必ず睡魔が。…見水
春眠し五体みなほどけて甘し  へるめん②
〈選〉この気分よくわかる。最高値。…ひろひろ
春眠を楽しみたいが今日も用  稲村
〈選〉羨ましいんだなあ。若いなあ。行動力に感心。…ひろひろ(選外)
春眠るみかん畑の夢を見て    見水
*どこか懐かしい夢はずっと見続けていたい。


桜餅・鶯餅
 

桜餅わたしとあんたひとつずつ  ひろひろ
桜餅葉っぱ食べる派食べない派  つきひ①
〈選〉葉っぱ食べる派。…ひろひろ
独り居の母にデリバリー桜餅   播町
桜餅食べて微笑む君が好き    一風①
*架空の場面です。
〈選〉わたしとあんた取り分けて。…ひろひろ
桜餅西と東で違いおり       蛸地蔵
西行も旅せし吉野桜餅      さくら①
*桜餅を食べながら吉野で六十首余を詠んだ西行の歌を思い出しました。
〈選〉西行庵。吉野は桜の名所。…稲村
葉が光る皿に並んだ桜餅      弥太郎
辛党の父が好みし桜餅      だっくす②
*桜餅は塩漬けの桜の葉が甘さに風味を加えているからでしょう。
〈選〉・怖くて優しい父。…どんぐり
   ・桜餅だけは別腹。桜餅の季節になると父を思う心。…さくら
祖母の手の鶯餅のへこみかな   どんぐり⑥
〈選〉・祖母の手にも鶯餅にもへこみがあって…。…だっくす
   ・鶯餅のへこみ具合、見惚れます。…へるめん
   ・"へこみ"がおもしろい。…一風
   ・家族の温もりが上手に表現さされている。…蛸地蔵
   ・昭和の時代までは饅頭やおはぎは各家で作っていました。…見水
うぐいすもち叡山電鉄始発駅   へるめん②
〈選〉・そこは八瀬比叡山口か鞍馬口か。帰りの電車を待ちながら、駅前の茶店へ。いや、
    出町柳で近くの老舗菓子舗で土産に買ったのか(始発駅で土産は買わないか)。…播町
   ・こんな時は、つい買いたくなります。…だっくす
桜餅満足すれど句に悩む     稲村
桜への愛しき思ひ餅となる     見水➀
*色も形も香りも味も、幸せを感じる桜餅。
〈選〉桜餅を見て、きれいに咲いた桜の花を連想する。…弥太郎 



酢橘の葉裏に蛹や春揚羽      ひろひろ
肩に来てサーブの邪魔をせし蝶々  つきひ➀
〈選〉テニスの試合中に現れた蝶。優しくそっと蝶を放った大坂なおみさんに観客は大拍手。
   緊張が解かれた一瞬を句に。鋭い目線です。…さくら
海峡をてふてふ渡るドローン追ふ  播町②
〈選〉・てふてふとドローンの組み合わせ。…どんぐり
   ・本歌どり?ドローンは中国製?面白い句。…蛸地蔵 
庭仕事蝶のおどりをながめつつ   一風
*庭にはいろんなものが現れます。
〈選〉悠長な庭仕事、余裕あり。…ひろひろ(選外)
ひらひらと蝶寄り添うや豆の花    蛸地蔵①
〈選〉春らんまん。美しい豆の花にひらひらと蝶が舞っている。…弥太郎
森英恵のファッションショーか胡蝶舞ふ さくら
*デザイナーの森英恵さんのトレードマークは蝶。カラフルな春の蝶は英恵さんのファッション
 から抜け出たようです。
ヒラヒラと風の吹くまま畔の蝶    弥太郎


 
幻か出会ひし蝶は大空へ      だっくす➀
〈選〉揚羽蝶には伝説がある。飛ぶ蝶は、復活、死と再生。そして魂を運ぶ生き物。
   兄が亡くなった後、公園で纏わりついてくる揚羽蝶に出会った。
   拙句に「揚羽きて兄かと思ふ戯るる」。蝶は大空へ…。…播町
黄蝶きて紋白蝶く里の昼      どんぐり➀
〈選〉里山ののどかな風景が広がる。…見水
蝶や来よ城主が辞世の歌碑に舞え  へるめん③
〈選〉・23歳の若さで自害した長治への哀歌。…つきひ
   ・歌碑のまわりに舞う蝶はさながら城主を慕う民たちと言ったところでしょうか。
    …だっくす
   ・滅びの中に、せめてもの美を。…一風
   ・ええ句やなあ。…ひろひろ(選外)
コロナ禍や自由自在に蝶は舞う   稲村➀
〈選〉羨ましい。…ひろひろ
紋黄蝶幼稚園児のように逃げ    見水
*花から花へ飛び回る蝶、幼稚園の頃の息子のよう。


自由句

爺散歩犬が誘うや春小雨      ひろひろ
わが愛犬春のスタイルトリミング  ひろひろ➀
〈選〉ワンちゃんにはコロナ禍もどこ吹く風。…見水
雑草や踏まれぺしゃんこ梅が香に  ひろひろ
ポタポタとやさしい音や春の雨  一風②
*雨が降ると我が家のベランダからしたたる雨。
〈選〉・ポタポタと降る春の雨に心和むひととき。…弥太郎
   ・リズム感と春の雨があう。…稲村 
シャボン玉児らに追われて風に乗る 一風④
*いつも見かける公園での一コマ。
〈選〉・われの子供のころ、我が子、孫を思い出す。…ひろひろ
   ・情感が籠った絵の様な句。…蛸地蔵
   ・情景が見えるような楽しい句。…稲村
睡蓮の葉に隠れしかあと一匹   一風①
*なかなか姿を見せないメダカを追って。
〈選〉・この小動物は何かしら。…へるめん
   ・何が隠れたのか、楽しいなあ。…ひろひろ(選外)
削られし半分の山笑ひたる   さくら
*新しい団地が出来、山が半分削られました。残った山は笑いながらも少し淋しそうです。
下車すれば海苔の香風の塩屋駅 さくら③
*須磨・塩屋・垂水は今も海苔の養殖が行われ養殖場の見学も出来ます。
 塩屋駅に立つとふと海苔の香が。
〈選〉・海苔の香りと駅名がよく合って香りが漂ってきます。…だっくす
   ・塩屋は「スパイの妻」のロケも行われ、ドキドキ感のある町。…見水
よちよちと未来へ向かひ青き踏む さくら②
*歩き初めた子はジグザグに歩きつつもしっかり未来へ向かって大地を踏みしめています。
〈選〉・小さい中に力強さが感じられて。…一風 
   ・幼子、孫か。…ひろひろ(選外)
菜の花の畑の彼方三輪の山    弥太郎➀
〈選〉古代ロマンに浸って歩ける日はいつ。…見水
春うらら渓流のみち足軽く    弥太郎➀
〈選〉・雰囲気がよく出ている。…稲村  
   ・その通り。…ひろひろ(選外)
そよ風に矢車草のピンと咲く   弥太郎
阿弥陀堂へと歩をのばす日永かな どんぐり②
〈選〉・阿弥陀堂と日永の取り合わせ佳し。…つきひ
   ・福島県の建造物で唯一の国宝・白水阿弥陀堂を訪ねたことがある。栩(とち)葺きの
    屋根の曲線が美しく、静謐な堂内で正座し、若い僧侶から話を聞いた。
    北林谷栄が堂守役の映画「阿弥陀堂だより」の長野県の小さな阿弥陀堂もいい。
    この句は、ついでに「歩をのばす」程度の阿弥陀堂だから、後者に近いか。…播町
花ミモザわんさかトレモロ駅ピアノ  へるめん
〈選〉駅ピアノ増えていますなあ。…ひろひろ(選外)
どこまでも続く桜に時忘れ    稲村➀
〈選〉・ザ・桜ワールドに感極まる。…蛸地蔵
   ・一度行ってみたいなあ。…ひろひろ(選外)


三木吟行記&吟行句
ここからは、2021年4月6日(火)の吟行の記録。吟行句は時系列で並べています。


三木城址へ
天気は、晴れのち曇り。肌寒いので少し厚着で家を出ました。
午前11時9分、神戸電鉄「鈴蘭台駅」で、だっくすさん、つきひさん、へるめんさんの女性3名、蛸地蔵さん、播町さん、見水さんの男性3名の計6名がマスク姿で粟生行の先頭車両に同乗。御影句会以来、1年5ヵ月ぶりの再会です。
 花は葉に遺作展へと乗り継ぎて  つきひ➀
 〈選〉エスカレーターに乗っている様な連続感がよい。…蛸地蔵

3両編成の電車が三木に向かって走り出します。この時間帯なので座席はゆったり。三木上の丸付近のイラストマップを配り、会費を徴収。車窓に流れる山々の春景色を見ながら、マスク越しに積もる話題をボソボソしていると、広々とした播州の風景。桜もまだあちらこちらで咲いています。小さな駅「三木上の丸」に到着。
   
ナメラ商店街を抜けて、三木市立堀光美術館に向かいます。商店はほとんどシャッターが下りていますが、老舗呉服店の店前の小さな掲示板に目が止まりました。

「春の雨だって。『降っているいないとも見ゆ春の雨』よね」
かをるさんの句に出会いました。
急坂を上り、堀光美術館とみき歴史資料館の並ぶ二の丸へ。


『柳本富子の足音』展
   
堀光美術館の入口には、作品展開催を祝う大きな胡蝶蘭が飾られています。
受付で、手を消毒し、来館記録票に名前・住所・連絡電話を記入して入館すると、凛々しい作務衣姿の柳本波平さんがお待ちかねでした。
このメンバーでの波平さんとの再会は2009年4月の第8回龍野句会以来12年ぶり。桜満開の龍野で波平さんは「名産をひとつまみして花の路」や「花曇り隠居うろつく龍野路」などの句を詠みました。2008年4月の第6回源氏物語千年紀・近江石山寺句会には奥様の富子さんの投句も。
  千年をたずねる人や柿若葉  富子
波平さんは、奥様の富子さんを2年4ヵ月前に亡くされた後、三木市からの要請で回顧作品展が昨年4月に開催されることになり、私費で図録づくりなど準備したところ、開催目前に緊急事態宣言で中止。今回、1年越しで4月3日からの開催が実現しました。
波平さんの4月5日のブログ(波平余生録)には、「昨日も、雨降りのなかたくさんの方々が遺作展会場・三木市立堀光美術館にお越しくださり、富子の絵を御観覧くださった、ワシャご来館の皆様方が本気になって絵に観入る姿を拝見し感激した、(…)うれしい!!!」と、綴っています。
 
入口で図録「柳本富子作品集・絵の旅」を手渡しでいただき、絵の前で波平さんを囲んで集合写真。1階と2階に並ぶ奥様の渾身の大作を、波平さんの解説で鑑賞しました。
 花は葉に夫がガイドの遺作展    だっくす③
 *奥様の作品についてイキイキと説明されていた波平さん。作務衣姿がとても素敵でした。
 〈選〉・コロナ禍のため1年延期されていた「柳本富子の足音」遺作展がついに開かれた。
     波平氏は、連日会場の堀光美術館に詰める。
     “毎日が法要”なのか、妻の遺作に、風光る。…播町
    ・時の経過と共に思い出される妻への思慕。ガイドするご主人の心情も汲みとれる。
     …さくら

「花は葉に」は、桜の花が散ったのを惜しみ、美しい葉桜を愛でる季語。この遺作展にぴったりの季語です。正確で緻密なデッサンと、インドやネパールで得た独自の表現で描かれた、ほぼ等身大の女性人物像群。きらきら輝く岩絵具も美しく、強いまなざしながら口元にほのかな笑みも感じられる「チベットのモナ・リザ」たちに見とれるばかりです。
 若葉風遺作に遺作観る人に    つきひ①
 〈選〉作品も人格そのもの。…一風
 神の地やサリーの少女汗光る   播町
 ネパールの寂光まとう春ショール 播町⑦◎◎◎
 〈選〉・遺作品への想いが寂光に込められる。…どんぐり
    ・ネパールの寂光の仏様の世界と春ショールの温かさがよくマッチしていると思う。
     穏やかできれいな句。…さくら
    ・寂光まとうとは言い得て妙。…へるめん
    ・絵にピッタリの句。…稲村
 夕虹の夢の続きの遺作かな    播町①
 〈選〉夕虹は儚く、遺作は見る人の心に永遠に。…つきひ
 春陰や画布の女性のいのりの瞳  へるめん➀
 〈選〉柳本富子さんの絵の女性の、まっすぐで心に突き刺さるような瞳が印象的でした。
    …だっくす
 観入る絵に草原の風日永し    見水
 うららかに闇輝けり岩絵具    見水
 
絵の才能に恵まれた奥様が本格的に絵の道に入ったのは結婚後。47歳から院展に入選を重ね、日本美術院の院友になっておられます。
   
とはいえ、波平さんの意向で、生活感のにじむスケッチ帳やエッセイ、写真を展示するコーナーが設けられ、奥様の素顔も。
 デッサン帳の彩色の枇杷白き枇杷  つきひ
図録「柳本富子作品集・絵の旅」も、作品だけでなく、アトリエや下絵の写真を掲載し、奥様の優しい人柄が伺える冊子に編集されています。
あっという間に予定スケジュールの30分を過ぎました。絵の余韻に浸りながら、波平さんにお礼を言って、隣のみき歴史博物館に向かいました。
波平さんと懇意な稲村さんは、開催初日にご家族で美術館を訪れ、波平さんの案内で鑑賞。
 遺作展夫の案内花日和       稲村
波平さんとかつて同じ職場で勤務したどんぐりさんも、元同僚のメンバーと遺作展へ。
 鶯に導かれ着く美術館       どんぐり
 惜春の足音たどる遺作展      どんぐり③
 〈選〉・春を惜しみ富子様を惜しみ偲ぶ。…つきひ
    ・遺作展を見学。作者の足跡を偲ぶ春の一日だった。…弥太郎
遺作展鑑賞の後、隣の算盤作りの町・小野市の国宝・浄土寺を訪ねたそうです。
 阿弥陀堂へと歩をのばす日永かな  どんぐり②(自由句再掲)


みき歴史資料館
   
受付で、やはりコロナ感染対策のため連絡先を書いて提出。「みき歴史資料館」は2016年に旧市立図書館を改装した建物で、三木で出土した土器や古文書、近現代の郷土資料を展示。極彩色で細かく描かれた「三木合戦軍図」(複製)など、三木合戦の資料が充実しています。
 合戦も昔のことと花吹雪      蛸地蔵
歴史資料館の北側一帯で市が三木城遺構を発掘調査中。440年前のどんな真実が明かされるでしょうか。


金物資料館
 
「金物資料館」にも入館。建物の手前に「村のかじやの碑」。文部省唱歌「村の鍛冶屋」が教科書から消えていくのを惜しみ、金物の町・三木の人達が1978年に設置した歌碑です。
 鍛冶の技引き継ぐ里に春の風     蛸地蔵②
 〈選〉・金物の町三木市へのご挨拶句。…つきひ
    ・春の風がやさしく、三木の里にぴったり。…へるめん
入口のドアを開け、ここでもコロナ感染対策のため連絡先を書くと、館長さんから、団体名もと言われ、「神戸RANDOM句会」と書くと、
「面白そうな会ですね。ご説明しますので皆さん集まってください」
まず、肥後守のナイフが並ぶコーナー。明治時代にナイフを改良して。熊本で『肥後守ナイフ』として販売したら大ヒット。やがて全国に広まった。三木で商標登録をしたので、三木で作るが『肥後守』に。
 新学期鉛筆整列肥後守    へるめん③
 〈選〉・懐かしい思い出、今は希少な肥後守。…どんぐり
    ・すぐに芯が折れる粗悪な鉛筆だが、貴重品でもあったのでアタマの部分を削り名前
     を記入した。肥後守は必需品だった。“播州”三木特産なのに、なぜ“肥後”なのか。
     三木市立金物資料館で館長の話をおききした。…播町
    ・肥後守、今の子供に使えるのかな?…一風
次に、大きなのこぎりが並ぶコーナー。室町時代に大陸から「大鋸」(おが)が伝来し、木を縦に挽いて角材が作れるようになった。おがくずというのはそのときに出る木のくず。その後、大鋸を改良して三木で大量に生産し、江戸からまとめて何百本も注文が入った。
熱心に聴いていた蛸地蔵さんは質問もし、楽しいミニ講義でした。感謝。

三木城本丸
   
「ここまで来たので本丸跡に行きましょう」
若葉に囲まれた馬上の最後の城主・別所長治の石像の前で全員集合写真。風がよく通る屋外なのでマスクは一瞬だけはずします。
 民守る城主の像や春寒し    だっくす
石段を登って天守台へ。長治の辞世の歌碑があり、三木の町並が一望。歌碑はくずした字ですが、書家のへるめんさんはサラっと読みました。
 今はただうらみもあらじ諸人のいのちにかはる我身とおもへば 
別所氏は元は織田方でしたが、織田の中国攻めと毛利の播磨侵攻の間で毛利方に寝返り、22ヵ月に及ぶ籠城戦を7,500人の将兵・領民(門徒)とともに果敢に戦います。やがて織田軍が圧倒し、毛利の援軍は撤退、食糧も尽きて(三木の干殺し)、城主・長治は、1580年1月、将兵・領民たちの助命を条件に夫人とともに自害します。
 長治の無念は尽きず花の散る   蛸地蔵
 蝶や来よ城主が辞世の歌碑に舞え へるめん③(蝶句再掲)
首実検の後、秀吉は首を返し、城の近くの雲龍寺の首塚に手厚く葬られます。播州三木の人々を救った若き別所長治は三木の誇り。毎年5月5日には「別所公春祭」(今年も中止)が催され、地元には銘菓「長治煎餅」があります。
 花堤抜けて顔出す昼列車   見水②
 〈選〉・ローカル感溢れる景が広がり懐かしい温かさがある。…さくら
    ・「神有」ののどかな小さな旅。…へるめん
城下を流れる美嚢川の堤防の桜並木を、粟生線の電車が通り抜けていました。城址の隅にナメラ商店街に下りる長い石段があったので、手すりを頼りにそろそろと下りました。
 不揃ひな石段長し犬ふぐり  だっくす④
 *城山から下りるとき怖かった!
 〈選〉・城への石段の長さと犬ふぐりの可憐さの対比。…つきひ
    ・きつい石段の犬ふぐりに励ませれて。…どんぐり
    ・下りにくい不揃いな石段。小さな青い花がやさしい。…へるめん
    ・道沿いに犬ふぐりの咲く長い石段を登り美術館へ。…弥太郎
昨春、コロナ禍がなければ、新緑の三木山森林公園へも行き昼宴会と句会をする予定でした。今回も感染急増がなければ美嚢川リバーサイドパークでの花見も楽しめたのですが、以上で終了。時計は午後1時をとっくに回っています。



昼の込み合う時間帯を過ぎ3密は避けられそうなので、「ながさわ」三木店で昼食。店内では、席を離し、前日亡くなった橋田壽賀子さんのことなどを話題に、マスク昼食。
食事を終え、三木上の丸駅へ。電車を待つ間、つきひさんがホームの向かいの竹林に、柳本富子さんが絵にも描いていたアケビの若葉と紫の花の一群を発見。午後2時29分発新開地行き神鉄電車に乗り込み、家路につきました。
感染対策には気を使いましたが、久々に句友たちと再会した楽しい小旅行でした。

吟行の後、つきひさんから投句と一緒に「遺作展に寄せて」が届きました。


  

3度目の緊急事態宣言で4月25日から堀光美術館も閉館を余儀なくされ、会期を1/3残して「柳本富子の足音」展は終了。4月24日の「波平余生録」ブログは、「感謝・感謝」のタイトルで、来館者・開催関係者への御礼とともに、「絵の旅」が終わる寂しさも綴られていました。


巣ごもり二年 皆さんからの近況報告

長引くコロナ禍。巣ごもり生活の皆さんからの近況報告です。


ひろひろさん
「昨年の2月頃から、電車に乗らず、持病(気管支喘息が25年間継続中)があるので、毎日ビクビクとした日を送っています。朝、夕の犬の散歩。嫁さんとの買物、庭いじり、植木の剪定、草抜き、メダカの世話、三度の食事、早寝早起き、リコーダー練習、筋力維持等、1日1日が去って行き、天国か地獄が近づいてきています。
何はともあれ、1日1日健康で美味いなあと思って生きていくことですかなあ。
好きなゴルフ、明石市の年寄り学校ののOB活動もできず、一寸しょんぼりしています。
よって、毎回、神戸RANDOM句会を楽しみにしており、1日1句ではありませんが、駄句に挑戦しております」
つきひさん
「4月22日・23日と、健康ライフプラザでNPOで受託している講座の予定でしたが、緊急事態宣言により21日の時点で中止になりました。現役時代のハラハラドキドキを今も味わっています。22日の朝は前日買ってきた大葉とラベンダーを鉢植えしました」
播町さん
「スピーカーをパソコンにつなぎ、インターネットラジオを聴いている。米仏独からのジャズ、シャンソン、クラシック、サントラなど。曲名を告げられても言葉がわからない。それでも海外のリスナーと共に聴いている感がある。聴きながら30分ほどは熟睡昼寝をする」
一風さん
「とにかく元気で毎日過ごしています。これといって変化のない毎日ですが、2018年11月から計算しだした毎日の散歩の歩数が今年3月末で丁度620万歩になりました。毎日21日程度、1万歩位の行動になっています。この記録をするのが私のパソコン練習です」
蛸地蔵さん
「またコロナは緊急事態となりました。厳重注意を。近頃はテレビに向かって吠える日々です」
さくらさん
「先日、主人が入院手術をするという出来事がありました。幸にも経過良く生活も平常に戻りつつあります。変異ウイルスの増加は脅威を感じますが、ワクチンの接種券はまだ届きません。早く皆でワイワイ句会がしたいです。(手術日と重なったため)三木吟行参加出来なくてとても残念に思います。吟行の句、良い句がたくさんありました」
弥太郎さん
「4月6日の三木吟行は、病院の検査日と重なり、同行できず残念でした」
だっくすさん
「毎日大したことをするわけでもないのに、時間が足りなくて困っています。その原因は、①動作が鈍くて何をするにも時間がかかる。②すぐ疲れるので休憩が長い。③目薬を4種類さすので時間がとられる。日に4回、日に2回、日に6回が2種類、それぞれ5分の間隔をあける必要がある。これ、結構面倒です」
どんぐりさん
「何するでなく、あっと言う間に毎日が過ぎてしまいます。ウロウロ、オロオロしてる間に、、、」
へるめんさん
「いろんな花々が咲き若葉の美しい季節となりました。が、コロナの状況、世相の混沌に心が晴れません。高齢予備軍の遊び探しに面白がって付いて来させてもらいました。が、いつの間にか「後期高齢者」と分類されてしまっていますが、飽くことなく遊びを遊びたいと思っています。
写真は、今年になってからの3つの書展の作品です。
左から、えと展「牛」1月・ふるもと珈琲店、
毎日現代書関西代表作家展「竹」1月・近鉄百貨店阿倍野、
兵庫県書道展「遠くへ行きたい」3月・原田の森美術館」

稲村さん
「コロナ禍ですが、相変わらず農作業などで忙しく、健康的な毎日を過ごしています」
見水さん
「いろいろ気を紛らわせています。最近は庭にキュウリとミニトマトの苗を植えました」


感 想 ―――――――――――――
 
つきひさんの感想です。最初に選句前の選句表を見た感想は、
「遺作展、早い時期に行っていて良かったですね。吟行句は互いに同じ空気を吸っているのでよく理解出来、共感出来ますね」
近況報告を見ての感想は、
「各々工夫して日々を充実させておられる様子、頼もしく思いました。ろまん亭さん、英さんの近況報告がありませんが、お変わりないことを祈っています」
高得点句                                                                      
選句により、全部の句に点数が付けられ、作者も明かされました。今回の高得点ベスト11を再掲します。
 

「春眠」が2句、「桜餅又は鶯餅」が1句、「蝶」が1句、「自由句」が2句、「三木吟行句」が5句でした。
添削例
つきひさんに、今回点数が取れなかった句から4例を選び、添削をしていただきました。
1例目(添削前)うぐいすもち叡山電鉄始発駅 を、
   (添削後)うぐいすもち叡山電車始発駅
としてみました。中8の「叡山電鉄」を「叡山電車」にすると調べもよくなります。
2例目(添削前)ひらひらと蝶寄り添うや豆の花 を、
   (添削後)豆の花か蝶か互いにひらひらと
としてみました。『蝶』も『豆の花』も季題ですので、互いをぼかしてみました。
3例目(添削前)うららかに闇輝けり岩絵具 を、
   (添削後)背景の闇うららかに岩絵具
としてみました。コメントにある「背景」を入れた方がよいと思います。
4例目(添削前)睡蓮の葉に隠れしかあと一匹 を、
   (添削後)睡蓮の葉に隠れしか一匹は
としてみました。『あと』は不要です。魚か蛙か二匹居たことがわかります。

獲得点数により賞が決まりました。
優勝はどんぐりさん(16点)、準優勝は播町さん(13点)。
他のメンバーは、だっくすさん(12点)、へるめんさん(11点)、一風さん(8点)、さくらさん(7点)、つきひさん(6点)、蛸地蔵さん(3点)、見水さん(3点)、稲村さん(2点)、弥太郎さん(2点)、ひろひろさん(1点)。
出句数が6句と多く、出句すべて得点のパーフェクトはありませんでした。
今回の兼題ごとの優勝・準優勝者を除く高得点者にも賞。『蝶』はへるめんさん(3点)、『自由句』は一風さん(4点)、『三木吟行句』はだっくすさん(4点)、『春眠』と『桜餅又は鶯餅』は優勝・準優勝者に次ぐ句は2点以下で該当なしに。
つきひさんが選ぶ「つきひ特別賞」は「遺作展夫の案内花日和」を詠んだ稲村さんに。選定の理由は、「『花は葉に夫がガイドの遺作展』と句意は同じ、鑑賞した時期が少し違うだけ。波平さんの案内に皆感謝。頑張りに拍手」から。
賞品は、今回も図書カードを送らせていただきます。
   
女性軍対男性軍では、女性軍5人で52点、男性軍7人で32点。女性軍の圧勝でした。
今回もリモート句会ながら、有志で宿願の三木吟行を行い、メンバーの佳句・奇句に出会い、元気をもらえた「君たちがいて僕がいる」句会でした。ご協力ありがとうございました。
 
発生から16ヵ月続くコロナ禍、5月1日現在、感染者は国内で60万人、世界で1億5,000万人。亡くなった人は国内で1万人、世界で320万人。
高齢者へのワクチン接種も始まりましたが、接種を終えても、これまで通り感染対策は必要。
次の句会も「マスク吟行」かも知れませんが、全員で顔を合わせたいですね。ご希望やご提案があれば、一風幹事長まで。季節はもう初夏です。

 

 2021.5 写真・イラスト/herumen,bantyo,mimizu.文/mimizu

 

 

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