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メモリカードやUSBメモリに潜む落とし穴

2008年11月10日 19時36分50秒 | 情報漏洩、セキュリティ、ウイルス
引用です。
安価なUSBフラッシュメモリー、便利さと裏腹な危険があるわけですね


データは消えない――メモリカードやUSBメモリに潜む落とし穴
11月10日9時50分配信 ITmediaエンタープライズ


 今回のテーマは、メモリカードやUSBメモリに潜む落とし穴です。まず、メモリカードといえば多くの方になじみがあるのがデジタルカメラで撮影した画像の保存ではないでしょうか。実は、撮影した画像を消去すれば「データが完全に消える」と認識をしている方が少なくないようです。

 わたしは、10年以上前に撮影した画面イメージをその場で見られるというカシオの「QV-10」を愛用していましたが、データの消去についての疑問から、セミナーなどで「画像を削除しても、データ本体は削除されないのでセキュリティ上危険ではないか」と警鐘を鳴らしてきました。

 簡単にファイルの仕組みを紹介すると、ファイルはデータ本体とそのデータを索引するためのインデックス(ファイル名や日付情報、格納場所などの情報)の2種類の情報からなります。通常、「ファイルを削除する」という操作はそのインデックスの情報を削除することで、データ本体はそのまま残った状態になります(インデックスも完全には消去されませんが、ここでは本体データがそのまま残るという事実を知ってください)。

 つまり、デジタルカメラのメモリカードでは、利用者が「画像を消した」と思いながらも実際にはデータ本体が消えていないことになります。当時、その考えが本当に正しいのかと思い、所有していた3台のデジタルカメラでメモリースティックとCFカード、SDカード、マイクロドライブの消去について実験をしました。

 現在の製品もそうですが、デジタルカメラには以下のような消去操作があります。

・現在見ている画像の消去(1枚消去)
・メモリ上にあるすべての画像を消去(全消去)
・メモリの初期化(フォーマット)

 その結果、どの消去操作を試してみても画像のデータ本体が消えていないのを確認できました。多くのデジタルカメラ利用者は、これらの操作をすれば「データが消えた」と誤って認識してしまっています。データが消えていないという事実を知らないままでいるのは、非常に危ないことだといえるでしょう。

 例えば、このような事件につながる可能性があります。その事件では、ある男性が美しい女性ばかりに「メモリカードを貸して欲しい」と声をかけていました。女性はメモリカードを消去して男性に渡しますが、男性は借用したメモリカードから画像データを復元して個人的に収集するという悪質な行為に及んでいたのです。

 女性からすれば、他人には知られたくないと消去したはずのデータが知らないところで使われているのですから、大変に恐ろしいことです。

 この男性がした行為は、メモリカードや男性が保存に使っていた記録装置を特別な操作で検証すれば、ほぼ確実に突き止められます。さらに、最近のデジタルカメラにはセキュリティ機能が強化されて、本体のデータを完全に削除する機能が搭載されるようになりました。こうした悪質な行為は、間もなく不可能になると思います。

 以前に比べるとメモリカードの種類は相当な数に増えています。10種類以上はおろか、最新のカードリーダーでは90種類のメディアに対応するものもあるようです。メモリカードに格納されたデータを正しく削除するために、メモリカードの種類に応じた方法でしなければならず、メモリカードの種類があまりも多いのは、情報セキュリティ上も好ましくないでしょう。

●USBメモリの落とし穴

 それではUSBメモリはどうでしょうか。一部のセキュリティを考慮した製品を除いて、今の情報漏えい問題で最も危険な記録メディアに挙げられているのがUSBメモリです。仮に盗まれた場合、保存された形跡のあるデータはHDDと同じように簡単に復元でき、利用者が「消去したはず」と思った会社の機密情報が第三者に知られることとなります。

 こうした事実に気付かずに、USBメモリで気軽にデータの受け渡しをしている企業が多数見受けられますが、極めて危険な行為です。利用者は「消去操作をしてから使っているから大丈夫だ」と思っていても、実際にはデータ本体が消えてはいないのです。「簡単に復元できる」という事実を知らないまま、他人にデータを見せていることは深刻です。事実を知れば、ぞっとする人が多いのではないでしょうか。

 さらに、会社の規則で「完全削除を行うこと」と定義しているところはどの程度あるのでしょうか。統計データはありませんが、私の経験上そのような会社は極めて少ないのが実情です。仮にルールを決めていても、それらが実行されているかをチェックしなければ、ルールが意味を持ちません。

 実際に「完全削除」を行うためには、物理記憶部分(ファイルの本体部分が格納されている場所)を意識的に上書き(ランダム値でもnull値でも大丈夫です)しなければなりせん。しかし、そこにはUSBメモリの大容量化という新たな問題が起きているのです。

 例えば、この前知人が持っていたUSBメモリの容量は、なんと64Gバイトもありました。数年前までは64Mバイト容量のUSBメモリが一般的だったのというのに、すでに約1000倍もの容量になっているのです。

 データ本体を完全消去するためには、別のデータを書き込みしなければなりませんが、64Gバイトという容量のすべてを書き込みする作業は実に大変なことです。知人が持っていた製品の仕様を見ると、「書き込み速度:3Mバイト/秒(最大)」と記載されていました。これは理論値ですが、64Gバイトの実質的な格納領域を仮に60Gバイトと見積もって、計算上すべての物理記憶部分へ書き込みをするには約5時間半もかかってしまいます。しかも、これは仕様書上の数字なので、実際にはそれよりも2倍以上もの時間がかかるでしょう。

 物理記憶部分に何かを書き込むだけで10時間以上もかかるとは、あまりも不便です。データ本体の完全削除を徹底するためには、一般的に3回以上書き込み操作をすることが望ましい(編注:HDDは最低3回、メモリカードやUSBメモリは最低1回の書き込みが望ましいとされています)とされていますが、64Gバイト容量なら30時間以上もかかってしまいます。

 書き込み速度の遅い安価で大容量のUSBメモリでデータを完全消去するには、悲惨な状況だといえるでしょう。仮に企業のルールで「USBメモリ全体を3回上書きしてデータを完全に消去すること」と既定していても、現実に即していないのです。

 書き込み速度が高速なUSBメモリには、メーカーがうたう書き込み速度が約32Mバイト/秒のものや37Mバイト/秒のものがあります。安価な製品との価格差は4倍以上にもなります。仮にこの数値で3回の上書き作業をしたとしても、64Gバイト容量では3時間程度かかることが想定されます。いくら作業時間が短縮されるとはいえ、書き込み作業のために1日の業務時間が3時間も削られるのは好ましくありません。