デジカメぶらりぶらり

デジカメのほやほやの写真をご覧下さい。

子別れ

2013-11-16 07:16:18 | Weblog
落語の「子別れ」に出てくるおっかさんは怖い。子どもが50銭を隠し持っていた。どこかから盗んできたに違いない。そう思い込んだおっかさんは、かなずちを持ち出し、白状しないのなら「頭をたたき割ってやるから」と大声を上げる。

あの場面を聞けば、大抵の男は震え上がるのではないか。男には悪さをして、鬼の形相の母親にこっぴどく怒られた記憶が一つや二つはある。怖いけれど懐かしい記憶がある。何日の間違いだろう、間違いであってほしいと何度も読み返してしまう記憶がある。

「子どもに万引きさせる」。母親(26)と同居の男(25)が小学3年生の長男と5歳の長女に量販店で電化製品を万引きさせていた、おなかおすかせた子どものため親が思わず人のものに手を付ける。

悪いこととはいえ、まだ分かる。自分は安全な場所にいて、子どもに盗みを働かせる。分からない。胸が痛い。兄妹は、どんな気持ちで品物を運んでいたか。ブルーレイディスクレコーダーは幼い二人には重かっただろう。

見つかったどうしょうと心細かっただろう。兄は小さな妹を守ったのだろうか。手をつないでいたのだろうか。早い七五三か。背広にネクタイの男の子が電車の中で大声で泣いている。

母親が「悪いのはあんたでしょ」と、叱っている。何があったか知らない。でも、君の記憶はまだ幸せだ。