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幸せ

2013-11-05 07:44:03 | Weblog
♪ふたりを夕やみが、つつむこの窓辺に・・・。加山雄三さんは『君といつまでも』を
レコーディングした時、自ら作ったメロディーに付けられた歌詞と編曲の見事さに興奮したそうだ。

あまりに素晴らしいので、録音の最中にもかかわらず思わず口からこぼれたひと言が「幸せだなぁ」。スタジオ中が「それで行きましょう」と大騒ぎになって、あの間奏の名ぜりふが生まれた。

「しあわせだなあ 僕は君といる時が一番しあわせなんだ・・・」(田家秀樹著『歌に恋して』)加山さんを幸福感に包み込んだ歌詞の生みの親が、97歳で逝去した岩谷時子さんだ。フランク永井さんの『おまえに』、ピンキーとキラーズの『恋の季節』、郷ひろみさんの『男の子女子』・・・。

岩谷さんが生んだヒット曲の名をたどるだけで、その時代の記憶がよみがえり、歌が流れ出てくるうようだ。岩谷さんは宝塚歌劇団時代から深い絆で結ばれていた越路吹雪さんを、マネジャーとして支え続けたが、報酬は受け取らなかった。

作詞家として稼ぎ、越路さんを舞台に専念させようとしたという。越路さんが1980年に亡くなってからも、岩谷さんはミュージカル『レ・ミゼラブル』などで、見事な訳詞を生み出してきた。

♪恋に酔いしれてた 世界は歌 歌にときめいた・・・。今ごろ天国で、越路さんが歌う『夢やぶれて』を聞いているだろうか。