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みどりのおばさん

2013-02-23 06:58:49 | Weblog
柿間喜美さん(69)は、「みどりのおばさん」だ。30年近く川崎市の街角で小学生たちの登下校を見守ってきた。毎日、顔を見ているから、分かることがある。

真新しい服や靴を着てうれしそうな子には「おはよう、新しい靴だね」「いい服だね」。少し気落ちした顔の子もいる。そんな時は肩や背中をポンとたたき「いってらっしゃい」。柿間さんは「ほんの」一、二秒のことなんです」と言う。

地元の中学に通う浅野愛子さん(12)のお母さんが、作文を渡してくれたのは昨年末のことだ。それを読んで、柿間さんは「これが私のお給料だな」と思った。<なんだか少し暗い気分の朝、みどりのおばさんは、まるで私の気持ちがわかるかのように、そっと私の肩に手をおいてくれる。

そんな時は、みどりのおばさんの心の中の言葉が手のあたたかさをつたって、私の心に聞こえてくるような気がする>。中学に通うようになって、通学路は変わった。でも愛子さんは、時々遠周りしては、柿間さんに会いに行く。

いつもの「いってらっしゃい」を聞くために、愛子さんは、作文をこう結んでいる。<いつもあたりまえのようにそこにいてくれる、いつもあたりまえのように声をかけてくれる、いつもあたりまえのように笑い顔で見送ってくれるーそんなみどりのおばさんがいてくれる、あたりまえのある風景が、私は大好きだ>