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憲法

2013-01-07 09:09:00 | Weblog
父親が反対したら、好きな人とも結婚できない。自分から夫に離婚を申し出ることもできない。貧しい農家では、家族のために少女が身を売っている・・・。

世界的なピアニストを父に持ち、5歳から15歳まで戦前の日本で暮らしていた米国人の女性は、家制度に縛られた日本女性の苦しい立場をよく理解していた。連合国軍総司令部(GHQ)民政局に配置された憲法草案制度会議の一員として、日本の新憲法の起草にかかわり、草案翻訳にも通訳として加わったペアテ・シロタ・ゴードンさんである。

当時22歳。唯一の女性スタッフだったゴードンさんが任されたのは、男女平等や社会福祉に関する条項の起草だった。男女の平等は「日本の文化に合わない」と主張する日本側と激論の末、個人の尊厳と両性の平等を定めた24条として結実したことはよく知られている。

晩年にしばしば来日し、憲法制定にかかわった自らの役割を明らかにしてきたゴードンさんが昨年暮れ、ニュヨークの自宅で亡くなった。89歳だった。2000年5月に参院憲法調査会に招かれ、意見陳述した際、長く沈黙を守った理由を、「憲法を改正したい人たちが私の若さを盾にとって改正を進めることを恐れていた」と語っていた。

だれが起草しょうとも、24条はすでに普遍的な理念として、私たちの中でしっかりと息づいている。