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記憶

2012-07-17 06:16:22 | Weblog
子どものころの記憶は、写さなかった写真のようなものである。と向田邦子さんがエッセーに書いている。

楽しいことも、悲しいことも、何かのきっかけで同じ引出しから飛び出してくる。封じ込めたい記憶も同じだろう。陰湿ないじめを受けた経験がある人なら分かるという。

いじめ自殺のニュースに接すると、何十年も前の出来事であっても、さまざまな場面が写真のようによみがえり、金縛りのような感覚に襲われることを、大津市で昨年秋、中学2年生の男子生徒が自らの命を絶った。

市教委は在校生へのアンケートで寄せられた情報の多くを公表せずわずか3週間で調査を打ち切った。中には、「自殺の練習」をさせられていたという情報もあった。東京中野区で26年前、自殺した中学2年生の男子生徒が、いじめグループに強要された「葬式ごっこ」を思い出した。

「さようなら」と書いた色紙には級友だけでなく、担任教師らも寄せ書きをしていた。踏みつけた者は忘れても踏みにじられた記憶は消えない。いじめに遭っている子どもは、家族には自分の弱さを隠そうとする。

周囲にいる誰かが、心の叫びに気付くしかない。