デジカメぶらりぶらり

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異常

2011-05-28 06:54:31 | Weblog
過熱した鍋に水を入れて冷やしているつもりが、底に穴があいて一種の「ザル」状態だったのが分かったのに似た、お粗末さだ。

福島原発の収束に向けた工程表をみた。いくら水を注いでもいっぱいにならないから冠水方式を断念して、循環注入で原子炉を冷やす計画に変えたのが特徴だ。

鍋の穴に気付くのに2カ月かかった事実は、お粗末どころか怖い。循環する水は浄化装置でろ過するという。そんな立派な装置があるなら、なぜ汚染水海中投棄の時に考えなかったのか。

装置の能力や浄化フィルターの後始末も不明だが、この「机上の空論」と揶揄(やゆ)される工程表で進むしかない現実がある。震災直後に全炉心溶融(メルトダウン)が分かったら、パニックが起きたかもしれない。

しかし2カ月後に、その重大事が明らかになってもパニックにはならなかった。ろ過装置があると聞けばそうかと思い、冠水をやめて循環注水に変更すると聞けばなるほどと受け入れる。

東電の無責任さを追及しても最後は任すしかない現実は恐ろしい。異常さに慣れ、異常が異常でなくなっていく日々ほど怖いものはない。