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勧進帳

2011-05-16 05:59:02 | Weblog
小松の「お旅まつり」が始まった。何度見ても、華やかな曳山と子供役者の熱演に目を奪われる。あいにく、何度聞いても芝居のせりふが頭に入らない。

美しい日本語だろうが、古めかしい言葉が独特の抑揚で語られる。また「勧進帳」も上演される。これは芝居の筋はよく知られているから退屈はしない。

指名手配中の源義経主従が安宅の関で疑いを掛けられ、弁慶の活躍で逃げおおせる。芝居には、いい人ばかり登場する。弁慶は涙をのんで義経をぶつ。

正体を察していながら、関守の富樫は捕まえない。人々の善意のかたまりが、義経の窮地を救う。主従は、東大寺再建のため寄付を募る山伏姿である。弁慶が読み上げた勧進帳は、大仏殿再建を願う趣意書。そう称するが実は白紙の巻物だった、というのが芝居の見せ所。

苦難の時に発揮される一行の情愛と大胆な機略。敵の富樫の深い思慮。「勧進帳」を支える善意や思いやりが、芝居でない現実にもあふれ出てほしい、と思う。

2カ月を過ぎたというのに、被災地の窮地を救う復興基本法という「勧進帳」は、まだできあがっていない。