デジカメぶらりぶらり

デジカメのほやほやの写真をご覧下さい。

2011-01-06 08:29:04 | Weblog
正月は「巣」にこもる。節約疲れの「プチぜいたく」として、巣に地デジ対応テレビがやってきた。ハイビジョン画像の鮮明さに驚く。美術品は、本物よりも美しいかもしれぬ。

女優の厚化粧も政治家の仏頂面も、はっきり分かる。見え過ぎるのも考えもの。どこかで聞いた中国の故事を思い出す。馬を見抜く天才がいて、王から名馬を探すよう命じられた。弟子を使いに出すと、やがて1頭を連れてきた。どんな馬か、と王は尋ね、黄金の毛の雌、と弟子は答えたが、実際は黒毛の雄馬。

お前の弟子は毛色も雄雌の別も分からんのか、と怒る王に、「よくぞ肝心の脚力を見抜いた」と名人は弟子を褒めた。果たしてその馬は、千里を行く名馬だった。

人も一緒だろう。テレビ映りのいい人や口達者が優れた指導者とは限らない。惑わされずに、見るべきものを見る。分かってはいるが、見え過ぎるテレビの時代である。

情報の断片があふれ、暮らしを託せる「名馬」を見抜くのは難しい。しみじみそう思う昨今である。鮮やかな画面は明るいニュースが映えるし、うれしさが増す。旧年は、その逆が多すぎた。