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子供歌舞伎

2010-05-22 05:38:23 | Weblog
子供歌舞伎の伝統がる、お旅祭りの小松で華麗な舞台が運じられた。芝居のシの字の心得のない者でも、なぜか心が引かれる。

今年のお旅まつりの演目は、武士の悲劇を主題にした一幕と切ない悲恋物語。忠義と裏切り、道ならぬ愛と悲しみという複雑な人間模様を、子供たちが演じた。

PTAから「子供に見せたくない芝居」と、ヤリ玉に拳がる中身である。が、脈々と続く伝統は、「それがどうした」と意に介さない。

逆に、裏切りや悲恋の「迫真の演技」を指導する。もっと背伸びして演じてみろ、と励ます。子供役者たちは、大人になってもせりふを大概覚えているという。

理解できぬまま口にした言葉の意味が、時がたってから分かってくる。そうして会得する美しい日本語の世界もある。

大人の教材を使ったすてきな課外授業である。食べやすい食材だけが栄養になるわけではない。お子さま向けがあふれる時代である。だからこそ、歯が立たないような芝居に挑み、懸命に背伸びする子供役者にひかれるのだろうか。