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スピード社

2008-05-24 07:02:25 | Weblog
人はつい余計なことを考えてしまう。雑念をはらって目の前のことに集中するのは簡単なことではない。

期待の大きさから、故前畑秀子さんには「負けたら生きて帰れない」というすさまじい雑念があった。

1936年8月11日。ベルリン五輪の競泳女子200メートル平泳ぎ決勝当日のことである。だがスタート台に上がると雑念は消え「私は誰よりも練習してきたんだから負けるはずがない」「悔いのないレースをしょう」という心境になった。

水の中に飛び込んでからは、自分一人だけが大歓声の中を泳いでいる感じだったらしい。わずかの差で日本人女性初の金メダルを獲得した。

自著「勇気、涙、そして愛」では自分がもしたたえられるとしたら、ライバルに競り勝ったからではなく「自分に勝ったからでしょう」とつづっている。

本人の努力が報われやすいよき時代だったと言えよう。北京五輪では水着のハイテク競争が左右しかねない。スピード社(英国)製水着の選手が世界新記録を連発している。

日本代表選手の試用でも「加速する感じ」などと評判がいいが、契約の関係で今のままでは本番で使用出来ない。今後の対応は30日を期限とした国内製の水着の改良結果を受けて決まる。

ある選手が「スタート台には納得して立ちたい」と言っていた。日々の努力を想像するに、当然の願いである。