以前、戒名に関する話題が登場しましたが、
戒名は変ることもあります。
本位牌をつくったにも関わらず、「戒名が変ったので・・・」と
作りなおしに来られる方もあります。
しかも、よくよく観察していると、浄土宗の方が多い。
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実はこれ、浄土宗特有の法会、「五重相伝」によるところが
大きいようです。
「五重相伝」とは数日間をかけて法然上人の教えを伝えるための
法要。これに参加した人は、「浄土宗の教えを受けた人」ということに
なります。
そして、「教えを受けた」しるしとして「戒名」を頂くことになります。
余談ながら、「戒名」とは本来仏弟子となって教えを受けた人に
与えられる名ですから、ここで戒名を与えられることは
本来の意味にかなっています。
(もちろん、地方や各お寺によって多少の違いはあるでしょうが・・・)
では、何故、この「五重相伝」と既に亡くなった方の戒名が関係あるのか?
それは「贈五重」という方法によっています。
つまり、生前「五重相伝」に参加できなかった人のために、
遺族が「五重相伝」に参加して、亡くなった人のぶんまで教えを受け、
それを「贈る」のです。一種の追善となります。
こうして亡くなった人が「五重を受けた」とみなされ、
戒名が与えられ、
結果、戒名が変ったので位牌を作りかえる・・・・・ということに
なるのでした。詳しくは和歌山県浄土宗青年会さんのHPをどうぞ。
ちなみに、戒名を彫り変える場合、
位牌全体を新しくするのではなく、札部分(文字の彫ってあるところ)
だけを新しいものに差し替えることができ、このほうがリーズナブルです。
彫った文字を消して、上から彫り変える、ということは
できませんので、くれぐれもご注意を。