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お位牌の話です。
こちらの2本のお位牌。
形も大きさもほぼ同じ。
(右側は戒名を彫ってる途中なので、
ちょっとお見苦しくなってますが・・。)
なのに、右側のものは、左の4倍近いお値段。
違いは、漆
左の普及品は合成漆を使用し、漆に特有の、「塗り」「研ぎ」「磨き」の
工程を簡略にすることで、お手頃価格になってます。
もちろん、「合成」とはいえ、耐久性でも、美しさでも
それなりの品質は備えています。
そして、右側は、本漆を使用し、「蝋色仕上げ(ろいろしあげ)」
と呼ばれる、最高の仕上げを施したもの。
上塗りを済ませたものを、
さらに炭で研ぎ、綿で磨く、という作業をくりかえすことで、
鏡のように、滑らかな表面に仕上げていくものです。
・・・とはいえ、
普及品だって、ぱっと見は十分なめらか。
どこが違うの?という感じですが、
店内の照明を映してみると
左が普及品、右が蝋色仕上げ。
滑らかさのちがいが、わかって頂けると思います。
戒名の仕上げのために、金箔を載せてみると
左が蝋色仕上げのもの。右が普及品。
写真では、わかりにくいですが、
蝋色仕上げのものは、置いたとたんに、金箔が吸いついていくようでした。
改めて、手間暇かけた、仕事のチカラを実感した次第。
余談ながら、
「金仏壇の良しあしは、塗りの回数で決まります」なんて説明をするお店もあるようですが、
塗りの回数なんて、確かめようもないもの。
蝋色仕上げのものは、
そうそうないけれど、
照明の映り方、
塗りの良しあしを見る時の、参考にでもなれば、という次第です。
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