仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
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仏像の「足元を見る」

2014-01-24 15:57:19 | 商品のこと

ご訪問いただき、ありがとうございます。

 

さて、こちらの仏像。

身の丈3寸、光背から台座まで入れると30数センチの高さ。

ヒノキ製の大日如来でございます。

未年、申年のお守り本尊でもありますが、

これくらいのサイズだと、

真言宗のご本尊としてお仏壇に祀ることが多いものです。

 

これはこれで、十二分にちゃんとした御仏像です。

表情もなかなかりりしくて、美しい。

・・・・が

眺めているうちに、なんとなく違和感。

どこが???

何故????とよくよく見ると、

違和感の正体はどうやらここ、らしい。

仏様の足元。

ほぼ曲線で仕上げられたお身体の中に、

不似合いな直線。

どうやら、

「結跏趺坐」の脚のラインを、ざっくり彫ってしまったモノらしい。

さらに見ると、膝の上に組まれた足も

なんかざっくり・・・・。

肩から上の、繊細なラインと、この足元のざっくり感が

妙にアンバランス。

 

それでは、と他の大日如来を見てみると、

白檀製のこちらの足元は

こんな感じ。

多少肉の厚みが感じられるようになってきた・・・。

衣の襞の彫り方も丁寧です。

 

さらに、

今、展示してある大日如来の中で、一番高額なこちらも白檀製。

その足元は・・・

 

 

指まできっちり、ふっくら

 

衣も滑らか・・・

 

もちろん、白檀そのものが材料としては高価だし、

硬い材質のものだから、

緻密な彫刻が可能でもあるのです。

 

また、リアルに彫ってあればいい、というものでもないのは

皆様ご承知のとおり。

 

いろいろな着眼点を知った上で、

「我が家の仏様」をお迎えする時の

参考にしていただければ幸いです。

 

 

・・・・・・ところで・・・仏像といえば・・・

質の高いフィギュアで有名な、海洋堂。

仏像シリーズも手がけてるけど

お仏壇用のご本尊には引きがないのかしら?

不謹慎とは思いつつ、期待してみる・・・