ご訪問いただき、ありがとうございます。
さて、こちらの仏像。
身の丈3寸、光背から台座まで入れると30数センチの高さ。
ヒノキ製の大日如来でございます。
未年、申年のお守り本尊でもありますが、
これくらいのサイズだと、
真言宗のご本尊としてお仏壇に祀ることが多いものです。
これはこれで、十二分にちゃんとした御仏像です。
表情もなかなかりりしくて、美しい。
・・・・が
眺めているうちに、なんとなく違和感。
どこが???
何故????とよくよく見ると、
違和感の正体はどうやらここ、らしい。
仏様の足元。
ほぼ曲線で仕上げられたお身体の中に、
不似合いな直線。
どうやら、
「結跏趺坐」の脚のラインを、ざっくり彫ってしまったモノらしい。
さらに見ると、膝の上に組まれた足も
なんかざっくり・・・・。
肩から上の、繊細なラインと、この足元のざっくり感が
妙にアンバランス。
それでは、と他の大日如来を見てみると、
白檀製のこちらの足元は
こんな感じ。
多少肉の厚みが感じられるようになってきた・・・。
衣の襞の彫り方も丁寧です。
さらに、
今、展示してある大日如来の中で、一番高額なこちらも白檀製。
その足元は・・・
指まできっちり、ふっくら
衣も滑らか・・・
もちろん、白檀そのものが材料としては高価だし、
硬い材質のものだから、
緻密な彫刻が可能でもあるのです。
また、リアルに彫ってあればいい、というものでもないのは
皆様ご承知のとおり。
いろいろな着眼点を知った上で、
「我が家の仏様」をお迎えする時の
参考にしていただければ幸いです。
・・・・・・ところで・・・仏像といえば・・・
仏像シリーズも手がけてるけど
お仏壇用のご本尊には引きがないのかしら?
不謹慎とは思いつつ、期待してみる・・・