漆塗りには様々な技法がありますが、
このお仏壇には「目はじき」という技術が使われています。
もともとは漆の仕上げ方法の一つで、下地の木材の目止めをせず、
木材表面の凹凸を生かした仕上げ方です。
つまりは木の導管(平たく言えば木肌の感じ)が生かされている仕上げです。
通常、金仏壇ではしっかり漆を塗り、つややかで滑らかな仕上げとなっているのですが
このお仏壇に、その「目はじき」が使用されているのは
なんと、大戸(雨戸)の部分。
金箔部分に使用するのは珍しいと思うのですが、その分
独特の渋みをかもし出しています。
このような文様が見てとれるのはやはり、下地の木材にも
自信アリ、というところでしょう。
ちなみにこのお仏壇、猫戸の部分は以前にも登場した白檀塗り。
「技のデパート」とまではいかないけれど「技のコンビニ」くらいの状態です。