二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

弓の研究、悪い弓は演奏まで悪くする。

2019-03-15 11:11:38 | 二胡の救急箱・補習講座
現状の二胡という楽器の中で弓ほどその、実情を反映しているものはないような気がします。

楽器そのものもそうですが、

弓は、製造されて、販売されて、お客様の手元に届くまで、

その製品の状態を管理しているものがいないのです。

二胡の弓は、弾いてみないとその良い悪しはわかりません。

最低でも、かなり経験年数のある方が、弓を手にもってそのバランスと、

竹の硬さ、撓り、粘り、を曲げたりして、確かめ、

毛の張り具合を眺め、毛質を手に取って調べて、何とかわかるそうですが、

これはかなり、様々な弓を弾いてきた経験がないと難しいかもしれません。

その方達にしても、本当の良し悪しは、弾いてみないとわからないそうです。

ところが現状、二胡の弓は、皆さんのところに届くときは、松脂が塗ってありません。

要するに、誰も弾いたことがないのです。

それから、同じメーカーの同じ金額の弓でも、そのレベルの差がかなりあるという事です。

光舜堂にご来店のお客様は、様々なメーカーの弓、を持っていらっしゃいます。

弓にメーカーの名前が書いてあり同じ金額のものでも、其の当たり外れは、かなりあります。

ある有名な弓の制作者の同じ金額のものを何本も弾きましたが、

バラバラ、どうしてこの弓がこの金額なのと、確かに、細部のデザインや仕様は同じではあるのですが。

二胡そのものは、いままできちんと調整さえすれば、まあ、何とか良い音になります。

ただし、最初から蛇皮が緩いものは別にして、

しかし、弓の悪いものは、演奏者の弾き方さえ悪くしてしまいます。

弓の悪い例。

竹が、細すぎて、柔らかすぎる。

軽く脱力して弓を弾くと、竹が胴の下側にまで曲がってしまうようなもの。

これとても多いです。

弓を動かすと、プルプル震えてしまい、自然に手で握りこんでその震えを抑え込んでしまう。

脱力して、手の重さをかけられない。

結果脱力など全くできない演奏になってしまいます。

また硬すぎて、手の動きになじんでくれないもの。

致し方なく、弓毛をゆるめて、手首やひじを過剰に動かさなければいけなくなります。

竹に反発力がなく、音の頭出しができにくく、無理やり弦に弓毛を押し付けるようにして、音の頭出しができます。

しなりがない場合、竹の先端を使っての演奏がしにくくなります。

竹は自然のものですから、これらの要素をすべてクリアーしてくれるものではないのですが、

それでも、ある程度制作の時の加工で、一定のレベルのものはできるのはわかってきました。

せめて、同じ金額なら、同じレベルのものをそろえてほしいものです。

あるいは販売者が、試してみて、ダメなものは廃棄し、

レベルをある程度、揃えてほしいですね。
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