二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の音色その5

2010-06-29 11:42:57 | ■工房便り 総合 
音色と言う時、人はどうも、単音では無く、複合の音のことを言うようです。

先日、三線作りのYさんにお会いした時にも、その話になって、

(人工皮革の事お聞きしに行きました)

人工皮革良くはなるし、斑も無いのだが、底、の音がしない。

という話になり、蛇の皮は、硬いうろこの部分、柔らかい皮の部分と、二重になっているから、底、の音がする。とのことでした。

底の音と言う言い方は、かなり難易度の高い話ですね。

昨日、劉継紅先生と話していた、音と音色。

もしかしたら、この底の音と言うのは、近いものがあるのかもしれません。

音叉のようなものでない限り、私たちが自然の中で聞く音と言うのは、全て、複合体です。

今の時代でこそ、鳥の声や犬の声等、或いは、波のおと等自然の音から、バイオリンや、トランペットなど、コンピューターを使って、かなり近い感じが得られるぐらいまでは、再生できます。

しかし何回か、そのような音を、ある作曲家のスタジオを設計した時に、聞かせてもらったことがあります。

確かに、犬や、虫、あるいは波の音等に聞こえます。

でもなんだか、耳は、来ているのですが、体にまで来ないのです。

秋の、人のいない浜辺などで聞く、波の音のようには感じないのです。

何かが足りない。

実際に、波の音を収録してきて、それを解析し、更に合成したものですから波には聞こえますが、

言い方を変えると、波には感じないと言った方が良いのかもしれません。

音色と言った時人は、耳以外でも感じる部分まで含めているような気がします。

ですから、演奏会などの生の演奏と言うのは、音、以外の沢山の物の集合体なのでしょう。

その意味で行くと、岩にしみいる虫の声と言う1つの音だけに絞り上げて

、静かさを強調したというのは、

反対に自然の中に存在するあらゆる音を取り去った、単音、が、周りの静かさを強調しているのかもしれません。

さて、二胡の音色です。

二胡は、楽器の中でも、倍音の一番多いものだと言われているようです。

倍音の数が、楽器の音色を特徴つけるのだとして、それははたして、数だけの問題なのでしょうか?

もちろんそれは、その種類にもよるのでしょう。

その倍音の多いうえに、二胡の音は全体で揺れます。

多少高い音などは、弾き方によってなのか、聞き方に依るのか、

たまに、サックスフォンの高音に聞こえなくも有りません。

同じように、倍音が多いというサックスフォンの音は、二胡のようには揺れはしません。

構造上揺れると言うのが、二胡の音色を決定ずけているのかもしれません。

むしろ、良く言われるように、女性の声が一番近いのかもしれませんが、

女性の声を、音色という表現はしません。

ただ妙な経験をしたことはあります。

うちのスタッフと車で出かけ、私は珍しく助手席でうとうと。

彼がラジオをつけたのでしょう、ふっと眼覚めた瞬間、

二胡の音聞いたような気がしました、不思議なことに二胡が言葉をしゃべっているのです。

「首都高、4号線の渋滞は解消され、」

え!何で二胡が、、、

良く聞けば、

「警視庁から、穴見恭子がお伝えしました」

何時か、アナミキョオコ、という名前の二胡作ってみようと、思っています。

続く

西野和宏



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4 Comments

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その昔 (Jimmy)
2010-06-29 22:27:37
良い音色、心地よいサウンドってものを解析したことがあります。かなり奥深いものでしたね(ww
jimmyさん (nishino)
2010-06-30 18:43:27
心地よいと限定すると、でも凄いですね、解析できるのですか?
音とホルモンの関係ですかね?

あるいはアルファー波の問題ですかね?

ほんとなら癒されるはずの二胡弾いているのに、力が入って力んでしまうのは、多分それが原因で、癒すような音が出せないのかもしれませんね。

これ今のテーマに結びつきますね。
次回じっくり… (Jimmy)
2010-07-01 14:41:50
ご期待に沿えるかどうかはわかりませんが、今度その話で盛り上がりましょう。
バイオリンなどに代表される楽器の音色、車の心地良い音などを分析した結果、なるほどという結論を得られました。

よくよく考えれば当たり前みたいな話でしたが、目から鱗でした。

問題はそれをどうやって出すのかという方法論ですね。
jimmyさん (nishino)
2010-07-02 08:46:15
その心地よい音の分析結果、興味ありますね。心地よさ、人にもよるのでしょうが、

多分、一定のリズムと同じ音の繰り返し?

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