世界中の弦楽器の中で、二胡には形として特徴的な部分が有ります。
それは、胴に角があることです。
他にも角のある楽器が有ります。
馬頭琴です。
そしてロシアのバラライカです。
それから、バイオリンですね。
バイオリンも胴のちょうど真ん中に、かなり鋭角的に角は有りますが、
あれは内部を見ると、とがったところに埋め木(上の板と下の板をつなぐ柱状のもの)が有り、内部の形としては、大きなS字状態になっています。
ですがやはり何枚かの木が組み合わさっています。
三味線なども、四角には見えますが、これは角は丸いのです。
これらの角のある弦楽器の、特徴は、倍音が凄く多いのです。
二胡の場合は倍音が54とも50とも言われます。
反対に円い楽器は、倍音がとても少ないのです。
二胡でも古いものは(60年以上前)円筒形をしています。
良く鳴る楽器も多いのですが、音がどうしても単調になります。
円い楽器は音が素直になる、クリアーになると言うことは有ると思います。
それででしょうか、このころの二胡は胴を2種類の木を使って接ぎこんであるものも多いのです。
6角形の二胡と言うのは、かなり以前からあったようです。
年代は確定できませんが、山東省の方には、古いタイプの6角形の二胡が残っています。(今度内田さんに貸していただける、二胡大辞典にはそのような写真が載っています、見にいらして下さい)
1950年代にはじめてできたのではないようです。
角があるとどうして倍音が多いのかは、私には解らなかったのです。
多分、そのような研究と言うのは、どうもあまりなされていないようです。
(jimmyさん知っていますか)
それでこれは私の、経験と推測です、弦楽器の中で倍音の多い順に並べてみると。
6角形二胡、馬頭琴(これはキー音が低いですから含む音も多くなります)8角形二胡、、チェロ、ヴィオラ、バイオリン、バラライカ、ギター(アコースティック)日本の琵琶、そして三線、三味線、バンジョー、という順ではないでしょうか。
これらはその振動板の種類にもより或いはキー音の低さと言うことにもよりますから、多少の違いはあるとは思います、あしからず。
これは円い楽器は、木を刳り抜いた胴を持っていると言うのが特徴ではないでしょうか。
一つの木を刳り抜くのですから、キー音は一つです。
ですからその倍音と言うのはその整数倍の数になります。
ところが角のある、二胡のような楽器は、何枚かの木を張り合わせます。
当然キー音が違う物が組み合わさりますから、6枚張り合わせれば、6ヶのキー音を持つということになります。
いくら、一枚の木から6個の材料を取りだしたとしても、多少の違いは出ます。
ですから複雑な倍音を持つようになるのではないでしょうか。
これがきれいに整数倍のキー音の違いだとしたら、きれいな和音になりますが、
木は自然のものですから、そうはいきません、ですから二胡は一台一台に個性が出易い楽器にはなります。
では8角形ならば更に多くの音が出るだろうと言うことは言えるのではないでしょうか。
確かに理論的にはそうなのですが、先ほども言いましたように、自然界のものですから、微妙に違う、8音がきれいに雑音にならないと言うのは、考えにくいのです。
但し、一枚の板から、8枚の胴の構成する板をちゃんと採ったとしたら、これは反対に非常に良い楽器になります。
8角形で内部に、竹の筒の無いものは、大変に良い音がします。
8角形はパワーもありますし、当たれば大変に良いものでもありますが、
中国での生産の問題でしょうか、8枚の木が全て同じ1枚の木でできたものと言うのは、かなり少ないようです。(8角形いについてはまた他の項で)
要するに、構成する木の種類が多いと、倍音が多くなるのですが、雑音が出る確率も高くなります。
ですから良く鳴る良い音色だねと言われるものに、ウルフ音が多かったりもしますし、バイオリンなどは、良い楽器ほどウルフ音が付き物とも言われます。
バイオリンの胴は表の板と裏の板が違う種類の木ですが、上下をつなぐ側板が6枚の薄い楓で出来ています、これは一枚の木を切り出して6枚にして使うのが鉄則と言われています、理由はキー音をそろえると言うことでしょう。
三味線なども、全部同じ花梨でできたもの等は、かなり単調な音がします。
ですからそこで棹の材料を変えるのではないでしょうか、コウキ、或いは黒檀等棹だけを違う種類に変える楽器と言うのは三線もそうですし、
同じことかもしれませんが、ギターのサイドバックが、表の板と違うのはその事の理由があるからかも知れません。
バイオリンもそうですね、スプルスと、楓、そして指板や顎あての黒檀等、違う素材の組み合わせは、倍音を増やす努力なのかもしれません。
多分良く合う違うキー音の木の板なのでしょう。
二胡にも、一本のくりぬき材の楽器と言うのは有ります。
二胡とは思えないほどクリアーな音が出ます。
和太鼓なども、くりぬき材ですが、裏の皮と表の皮では多少音を変えると言います。
音色の複雑さが求められて、6角形の楽器は出来上がったのではないでしょうか。
私自身これは色々試してみました。
バリサンダーの胴に、様々な種類の棹をつけてみる事や、6枚の胴の板をココポロとブラジリアンローズ とを交互に張り合わせ一つの胴を作ってみたりもしました。
バリサンダーにいろいろの棹をつけ変えてみると言うのは、かなり良い結果が出たようです、
棹の木を変えるごとに、音色が変わるのです。
バリサンダーは今の中国では本紫檀として売られている物です。
とても安定した、木のどこをとっても比較的、キー音が近いものが多いのは特徴と言えるかもしれません。
たからでしょうか、どの種類の木の棹でも雑音と言うのが出て来ませんでした。
ココポロとブラジリアンローズの板を組み合わせた胴は、これは見事に外しました。
見た目は、もしかしたら、木になじみの無い方だと同じ木に見える(おかげで、ギター業界では、ココポロをブラジリアンローズとして売っていることも多いのです、ブラジリアンローズはココポロの2倍くらいの金額ですから)でしょう。
しかし、キー音の違いが近いからこそでしょう、とんでもない雑音の塊になりました。
CとGの音がどうしても二重に音が鳴ったり、裏返ったり内弦の高音ががさ付いたり、
だい3ポジションで音がかすれたり、散々でした。
この時に、気がついたのです、胴の材料のキー音をそろえるのはとても大切なことであると。
この事を発展させれば、かなり自由に音色をコントロールできるのかもしれません。
私の次の代でしょう。
もう一つ、気がついたことが有ります。
この楽器、ある人に1年近くに渡って弾いてもらいました。
勿論プロです。
1年半ぐらいたった時、この楽器がとんでもなく鳴る良い楽器に変わったのです。
あれだけあった雑音も消えていました。
彼もプロですから、他に良い楽器を持っていたのですが、週に一回は3~4時間は弾いてくれたそうです(ありがとうございました)
弾き方が良かったということは有るとは思いますが、なりはじめたこの二つの木を組み合わせた楽器は、そのボリュームと響きの良さと言う点で、今の楽器の上を行くと思います。
彼はもうこの楽器手放せないと言っております。
それで私は皆さんに言うのです。
弾きこんで下さい。
弾き込みは二胡の万病を直します。
それは、胴に角があることです。
他にも角のある楽器が有ります。
馬頭琴です。
そしてロシアのバラライカです。
それから、バイオリンですね。
バイオリンも胴のちょうど真ん中に、かなり鋭角的に角は有りますが、
あれは内部を見ると、とがったところに埋め木(上の板と下の板をつなぐ柱状のもの)が有り、内部の形としては、大きなS字状態になっています。
ですがやはり何枚かの木が組み合わさっています。
三味線なども、四角には見えますが、これは角は丸いのです。
これらの角のある弦楽器の、特徴は、倍音が凄く多いのです。
二胡の場合は倍音が54とも50とも言われます。
反対に円い楽器は、倍音がとても少ないのです。
二胡でも古いものは(60年以上前)円筒形をしています。
良く鳴る楽器も多いのですが、音がどうしても単調になります。
円い楽器は音が素直になる、クリアーになると言うことは有ると思います。
それででしょうか、このころの二胡は胴を2種類の木を使って接ぎこんであるものも多いのです。
6角形の二胡と言うのは、かなり以前からあったようです。
年代は確定できませんが、山東省の方には、古いタイプの6角形の二胡が残っています。(今度内田さんに貸していただける、二胡大辞典にはそのような写真が載っています、見にいらして下さい)
1950年代にはじめてできたのではないようです。
角があるとどうして倍音が多いのかは、私には解らなかったのです。
多分、そのような研究と言うのは、どうもあまりなされていないようです。
(jimmyさん知っていますか)
それでこれは私の、経験と推測です、弦楽器の中で倍音の多い順に並べてみると。
6角形二胡、馬頭琴(これはキー音が低いですから含む音も多くなります)8角形二胡、、チェロ、ヴィオラ、バイオリン、バラライカ、ギター(アコースティック)日本の琵琶、そして三線、三味線、バンジョー、という順ではないでしょうか。
これらはその振動板の種類にもより或いはキー音の低さと言うことにもよりますから、多少の違いはあるとは思います、あしからず。
これは円い楽器は、木を刳り抜いた胴を持っていると言うのが特徴ではないでしょうか。
一つの木を刳り抜くのですから、キー音は一つです。
ですからその倍音と言うのはその整数倍の数になります。
ところが角のある、二胡のような楽器は、何枚かの木を張り合わせます。
当然キー音が違う物が組み合わさりますから、6枚張り合わせれば、6ヶのキー音を持つということになります。
いくら、一枚の木から6個の材料を取りだしたとしても、多少の違いは出ます。
ですから複雑な倍音を持つようになるのではないでしょうか。
これがきれいに整数倍のキー音の違いだとしたら、きれいな和音になりますが、
木は自然のものですから、そうはいきません、ですから二胡は一台一台に個性が出易い楽器にはなります。
では8角形ならば更に多くの音が出るだろうと言うことは言えるのではないでしょうか。
確かに理論的にはそうなのですが、先ほども言いましたように、自然界のものですから、微妙に違う、8音がきれいに雑音にならないと言うのは、考えにくいのです。
但し、一枚の板から、8枚の胴の構成する板をちゃんと採ったとしたら、これは反対に非常に良い楽器になります。
8角形で内部に、竹の筒の無いものは、大変に良い音がします。
8角形はパワーもありますし、当たれば大変に良いものでもありますが、
中国での生産の問題でしょうか、8枚の木が全て同じ1枚の木でできたものと言うのは、かなり少ないようです。(8角形いについてはまた他の項で)
要するに、構成する木の種類が多いと、倍音が多くなるのですが、雑音が出る確率も高くなります。
ですから良く鳴る良い音色だねと言われるものに、ウルフ音が多かったりもしますし、バイオリンなどは、良い楽器ほどウルフ音が付き物とも言われます。
バイオリンの胴は表の板と裏の板が違う種類の木ですが、上下をつなぐ側板が6枚の薄い楓で出来ています、これは一枚の木を切り出して6枚にして使うのが鉄則と言われています、理由はキー音をそろえると言うことでしょう。
三味線なども、全部同じ花梨でできたもの等は、かなり単調な音がします。
ですからそこで棹の材料を変えるのではないでしょうか、コウキ、或いは黒檀等棹だけを違う種類に変える楽器と言うのは三線もそうですし、
同じことかもしれませんが、ギターのサイドバックが、表の板と違うのはその事の理由があるからかも知れません。
バイオリンもそうですね、スプルスと、楓、そして指板や顎あての黒檀等、違う素材の組み合わせは、倍音を増やす努力なのかもしれません。
多分良く合う違うキー音の木の板なのでしょう。
二胡にも、一本のくりぬき材の楽器と言うのは有ります。
二胡とは思えないほどクリアーな音が出ます。
和太鼓なども、くりぬき材ですが、裏の皮と表の皮では多少音を変えると言います。
音色の複雑さが求められて、6角形の楽器は出来上がったのではないでしょうか。
私自身これは色々試してみました。
バリサンダーの胴に、様々な種類の棹をつけてみる事や、6枚の胴の板をココポロとブラジリアンローズ とを交互に張り合わせ一つの胴を作ってみたりもしました。
バリサンダーにいろいろの棹をつけ変えてみると言うのは、かなり良い結果が出たようです、
棹の木を変えるごとに、音色が変わるのです。
バリサンダーは今の中国では本紫檀として売られている物です。
とても安定した、木のどこをとっても比較的、キー音が近いものが多いのは特徴と言えるかもしれません。
たからでしょうか、どの種類の木の棹でも雑音と言うのが出て来ませんでした。
ココポロとブラジリアンローズの板を組み合わせた胴は、これは見事に外しました。
見た目は、もしかしたら、木になじみの無い方だと同じ木に見える(おかげで、ギター業界では、ココポロをブラジリアンローズとして売っていることも多いのです、ブラジリアンローズはココポロの2倍くらいの金額ですから)でしょう。
しかし、キー音の違いが近いからこそでしょう、とんでもない雑音の塊になりました。
CとGの音がどうしても二重に音が鳴ったり、裏返ったり内弦の高音ががさ付いたり、
だい3ポジションで音がかすれたり、散々でした。
この時に、気がついたのです、胴の材料のキー音をそろえるのはとても大切なことであると。
この事を発展させれば、かなり自由に音色をコントロールできるのかもしれません。
私の次の代でしょう。
もう一つ、気がついたことが有ります。
この楽器、ある人に1年近くに渡って弾いてもらいました。
勿論プロです。
1年半ぐらいたった時、この楽器がとんでもなく鳴る良い楽器に変わったのです。
あれだけあった雑音も消えていました。
彼もプロですから、他に良い楽器を持っていたのですが、週に一回は3~4時間は弾いてくれたそうです(ありがとうございました)
弾き方が良かったということは有るとは思いますが、なりはじめたこの二つの木を組み合わせた楽器は、そのボリュームと響きの良さと言う点で、今の楽器の上を行くと思います。
彼はもうこの楽器手放せないと言っております。
それで私は皆さんに言うのです。
弾きこんで下さい。
弾き込みは二胡の万病を直します。
人は時に自分の腕前を棚に上げて物のせいにしてしまいます。
目の前の二胡と見詰め合うのが大切ですね。
人間も赤ちゃんの頃は泣いて叫んで雑音だらけですね(笑)
ただホントにこのことは実感なんです。
日本ではまだまだ二胡の奏法も、練習方法も確立していないように思います。
中には教える事に熱心な方もいらっしゃいますが、それでも私のバイオリンを教えていただいている先生のような、レッスン方法も無いようです。
手を鍛えて、耳を鍛えて、楽器と共に成長ですね。
実はお昼休みに二胡屋に行ってきたのですが、先ほどの言葉を思い返し衝動買いは止めました。
高い楽器は音が出やすいです。ノイズもとても出辛い。
でももう少し自分の二胡も育てないとと思いましたよ。ありがとうございます。
何故倍音が多いのかっていうのはかなり説明が難しいのですが、確かに多くの部材を貼り合わせるということや組みつけてるっていうことが影響するでしょう。それに加え胴内の音響特性ですね。
まぁ詳しくはWEBで!
ただお話の中でうなずける部分と?な部分があるのが気になります。
?部分今度教えて下さい。
これはあくまでも経験と、推測の域の話ですから、
共鳴体としての、或いは道内の音響の特性と形と言うのも影響するでしょうし、
それは次のページで。
「楽器が鳴る」という事と「雑音が多い」という事はとても関係が深いのですね。目に見えない事なのでむずかしいのでしょうけど、楽器本体についての知識や物理学的な知識が絡み合うと、なるほどと、うなずけてきます。
弾き手としては、それを踏まえた上で上手に楽器をコントロールして良い“鳴り”にしていくのが”腕”という事なのでしょうか。もっと自分の楽器を大切に育てていきたいと思いました。
参考になりました。ありがとうございます。
誰かに作るの習ったわけではないので、自分が一つ一つ、様々な事をクリアーしていくのを皆さんに聞いてもらいたくて書いてます、自分の確認作業でしょうかね、演奏者はこんな事関係ないのかもしれませんが、ご自分の二胡を少しでも知っていただけたら、よりご自分の二胡大切になるかもしれないと思って、大きなお世話かもしれませんが、細々と楽器修理ややらせてもらっています。
何かのお役に立てたのならば幸いです。