さっかんの小部屋

個人的な日々のできごとです。ご笑覧あれ。

「ラグビー」小峰敏貴

2000年08月16日 | ラグビー
以下の文は,所沢ラグビースクールの伊藤さんに許可をいただいて転記したものです。
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キューちゃんの思い出

この詩の作者-小峰君は5年生の秋に入部しました。小柄で青白く、苛められるとポッキリと折れる胡瓜のような彼を、同級生たちは『Qちゃん』と呼んで苛めていました。

ところが、彼は練習試合で大人ほどの背丈の6年生を一撃のタックルで倒しました。またある時-真冬の練習の終わった後のQちゃんの顔には固まった鼻血の上に誰かの足跡がペッタリついていました。
笑いながら顔を拭くQちゃんを見て同級生たちは『もう、以前のQちゃんじゃない。』と感じはじめたことでしょう。

6年生になって新チームになっても同級生は彼を「キューちゃん」と呼んでいました。でも、それは『彼以外にスクラムハーフはいない』と皆が認めた、友情と信頼の-スクラムハーフの背番号の-「9ちゃん」でした。
いつの間にかQちゃんは、自分にピッタリの場所を見つけ、思い切り遊ぶ選手になっていたのです。

その年、彼はかつて彼を最も苛めたY君(スタンドオフでキャプテン)と最強のコンビを組みました。他の同級生たちも「キューに負けるな!」を合い言葉に、刺激しあい高めあう『良き仲間』で卒業していきました。

以来私達は、その年々の『Qちゃん』にめぐり会いたくてクラブを続けているだけで、別にこれといった教育方針を持っていません。教育めいたことを言おうとしても、何度この詩に勇気づけられたことでしょう。ただ言えるのは、子供たちのラグビー感が『教わる』から『遊ぶ』に変わればシメタものだということです。

所詮スポーツ! でも、その中で可能性やアイデアの実現に挑戦する楽しみだけは分かって欲しい。そして、体力と知恵の限りを尽くして遊べば良い。子供たちは無限のエネルギーの塊、ただそれを本気で試したことが無いだけなのですから。

今日もグランドでは『教え魔たち』が他のスポーツからの『規格外れの胡瓜たち』に遊ばれて(本当は)います。
Qちゃんたちももうじき20才。お酒を飲みながら遊んでもらえる日を心待ちにしながら、私もまだまだ胡瓜たちに負けまいと走る日々が続きます。

所沢ラグビースクール 指導員:伊藤 隆

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